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国家資格公認心理師法

2017年2月22日 (水)

公認心理師について(23)実務経験2-3年、この怒りをどう表現するか?

公認心理師カリキュラム試案が提出されました。
驚きは、
実務経験
 
3. 期間について
・実務経験プログラムを持つ施設において2~3年の実務経験
どこから、2年~がでてきたのか。
WGの議事録をみても、どこにもこの発言はなかったのに、「2年~」
 
いや、医療関係の委員は「2年」を主張していました。しかし、議論のなかで、座長が「3年」を提案して、それに対して、激しい異議がでなかったのでは?直に、WG委員会に立ち会ったひと補足願います。
 
「これ、公の会議以外で、大きな力が動いているしか、考えられない。
これを許していると、公認心理師資格の未来は危ういですよ。
公認心理師養成の7条の1より2で受験するものが増えていき、大学院教育は崩壊するかも。〇法試験の二の舞になる。・・・」と心の中で激しくつぶやく。
 

2017年1月16日 (月)

公認心理師について(22)教育新聞-SCとしての配置も検討

「教育新聞」は「SCとしての配置も検討」という見出しで、公認心理師カリキュラム検討委員会ワーキングの会議のもようを紹介しました。
今検討されているカリキュラム案をみると、5領域+災害支援を打ち出しているものの、医療にあつく、教育での検討がもう一つのようにみうけられます。ですから、教育新聞が大きく公認心理師カリキュラムについて取り上げることは、大変社会的な意味があると思います。
 
到達目標を例にとると
1.たたき台に記載されている応用心理学の「教育心理学」の到達目標について、

17. 教育に関する心理学
17-1. 教育現場において生じる問題とその背景について説明できる。
17-2. 教育現場において生じる問題に対して必要な心理に関する支援とその方法について説明できる。
であり、
これには、公認心理師法第2条の4つの業に対応した目標と災害時の心理支援がはいるべきです。

17-1 教育現場において生じる問題のアセスメントと分析の方法を説明できる。 
17-2 教育現場において生じる問題に対して児童生徒・保護者へのカウンセリングによる相談・助言などの支援のあり方を説明できる。
17-3 教育現場において生じる問題に対して教職員とのコラボレーションやコンサルテーション、福祉・医療を含めたチーム支援のあり方を説明できる。 
17-4 教育現場において生じる問題を未然に予防するため、心の健康に関する活動のあり方を説明できる。
17-5  教育現場において災害時に必要な心理に関する支援
 
災害時に必要な心理に関する支援は、「健康・医療に関する心理学」の15-4にのみにしかはいっていません。全ての領域で必要なはずです。
 
こういった修正・加筆がこれからの課題でしょう。
 
それと、学部の心理実習は80時間以上になったようですね。
学部での実習は、
1児童養護施設での学習支援・生活支援をとおした心理支援を体験的に学ぶ、
2幼小中学校での心の健康に関する活動をとおした心理支援を体験的に学ぶ
2は、心の健康授業(ストレスマネジメント、ソーシャルスキル、構成的グループエンカウンターなど)の補助の体験を意味します。
そういった内容を考えないといけないと思います。
今の私学は、学部の定員がとても多いので、心理学コースのなかに、社会心理学コース(心理学を専門にしない企業・自治体などへの就職)、公認心理師養成コース、などを再構成する必要があるように思います。
 

2016年12月30日 (金)

公認心理師法について(21)第2回WG議事録から、「学内実習」について

20161116日、第2回公認心理師カリキュラム等検討会ワーキングチームの議事録が公開されています。各団体からのカリキュラム等のプレゼンが行われた会議の討議内容はわが国のこれからの心理専門職養成の歴史的なページとして後世に語り継いでいきたいですね。各団体のプレゼンティターの方々のご尽力に感謝いたします。私は某学会のカリキュラム委員長を2年でしたが務めましたので、この議論に大変注目しております。「知識と技能」「実習・演習」といった議論が展開されています。

  わが国の医学教育の第一人者の北村先生が座長を務められていることが、なにより本質的な議論を展開できている最大の要因だと議事録を読みながら思います。

そこで、今回は、北村先生のご発言を受けて、私の大学・大学院で行われている臨床心理実習を少し紹介させていただきたいと思いました。

 

〇北村座長

次に、内容と施設を一緒に考えますが、学内施設というのはそんなに有用でしょうか。

というのは、私自身が知らなくて、この前勉強したのですね。大学院 1 種はみんな持っていると聞いたのですが、もちろんどの電車に乗っても広告にも書いていませんし、誰かが言ったという話も余り聞いていなくて、そんなにクライアントが来て 1 学年 30 人や 50 人いらっしゃる人が、十分経験できる量があるのかなと。

 

〇北村座長

もう 1 つは、患者のバイアスなのです。多くの人が、仕事は医療分野にいらっしゃっていて、大学院の中では学内でやっていると、学内の人は普通の人ですよね。その人が国家資格を取ったら、次の日に急に精神病院へ行ったと。そうすると、生まれて初めて精神科の患者のカウンセリングになってしまったというのもまずい。あるいは、子供に会ったことがない、定員のまま公認心理師の国家資格が受けられるでは、まずいかなと。

 

私の大学院の心理臨床実習施設は、大都市と小都市にそれぞれ1つずつ設置されています。それは夜間大学院を開設したために大都市の某新聞社のビルの3階をほぼ貸し切り講義室・演習室・図書室を整備しています。そして、臨床心理相談室には、大プレイルーム、観察室、小プレイルーム、面接室2室、箱庭ができる面接室1室、カンファレンスルームを整備しています。本学の教員の専門性は、発達障害、トラウマ、認知行動療法、行動分析、家族療法、精神分析的療法、動作療法、EMDRと多岐にわたっています。もちろん、精神科医で臨床心理士の教員もいます。

相談ケースは、精神科クリニックからの紹介が多く、うつ、PTSDなど医療機関と連携をとりながらすすめているケースが大変多いです。精神科クリニックから、「カウンセリングをお願いしたい」、「認知行動療法をお願いしたい」と、依頼がきます。また、発達臨床が専門の教員が多いため、発達に関する相談依頼も大変多く、教員がスーパーバイズしながら大学院生が担当するため、すぐにウエイティングをお願いしないといけない状況になります。

「学内(施設)の人は普通の人」とはどのような方をイメージされているかわかりませんが、うつで休職中、被害にあってPTSDで苦しんでいる、そういう方を大学院生と教員スタッフで担当しています。医療機関には臨床心理士がいないので、本学の相談室に依頼があるわけです。150分~60分で、2000円+消費税ですから、11万円が相場のカウンセリングに比べるとはるかに安価になります。また、不登校の相談も多く、また、大人の発達障害の方からの相談も多いです。もちろん、電車に広告は載せていません。ホームページがあるぐらいです。それでも、すぐにウエイティングをかけないといけない状況です。

各面接セッション後は担当者は逐語記録を作成し、毎回スーパーバイズを受けます。また、毎回のスーパーバイズとは別に、M2では、一人で4回以上担当したケースをまとめ、3名の教員のスーパーバイズのもと本コースの大学院生参加の事例検討会があります。その発表を最低2回しなければ、臨床心理実習の単位の認定はされません。

 私の経験では、ケースを担当することで、大学院生は確実に力をつけていきます。もちろん、医療機関での実習、学校や養護施設などでの実習も必須にしなければならないと思います。

2016年12月24日 (土)

公認心理師法について(20)12月22日ワーキング傍聴者からの貴重な情報

 2016年12月22日に開催された「第4回公認心理師カリキュラム等検討会ワーキングチーム」を傍聴されたお二人から、貴重な情報が提供されています。
お二人のツイッターへの書き込みに心より感謝申し上げます。
 
7条の2の実務経験が3年にそしてプログラム認証機構により認められた機関に限定されることが、決まったようです。
法科大学院の予備試験の「二の舞」にならない制度設計になるといいですね。
 また、国家試験の250問の構成の半数が事例問題であれば、大学院での実習での学びが試験問題に反映されるわけですから、よかったです。臨床心理士の筆記試験は近年事例問題が増えていますから、事例問題の作成にノウハウはあるでしょう。国家試験は全問公開ですから、問題作成の質も問われることになりますね。
 
北村座長の公認心理師を国民のための資格にしようとする意気込みとバランス感覚に心より敬意を表します。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
福島哲夫 12月22日
公認心理師WT第4回終了! 2号ルート(学部+実務)の実務を5年とするか2年とするかで議論された結果、北村座長から3年案が出された。 学部卒をメインルートにしてはいけない。そして無給のインターンを数年やればいいとか、大学院が受験予備校となる事も避けたいとの事。
そして実務経験現場にはしっかりしたプログラムを提出させて認定する形にしたいとの事。 それが本当にきちんとされればいいけれど。。

公認心理師試験はマークシート250問程度を1日で実施と。 北村座長は「事例問題を半分は必須に」と。丹野先生「医学と違い心理は唯一の正解を導くような問題を沢山作るのは難しい」と。北村座長「それでも、こういう事例にはまずはどの検査をすべきかなど問えるはず」と。 うーん、なかなか難問。
 
山田太郎 12月22日
公認心理師カリュキラム速報! 学部卒は3年の実務経験が必要。現場でただ実務をするのではなく、プログラム認証機関を作り、そこが認めた機関だけを実務機関として認める、と。今回の会議のメインはこれ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大学院の実践科目が6単位(90時間)とわずかですから、臨床心理士、臨床発達心理士、学校心理士、特別支援コーディネーターと、大学院でプラスアルファの特色をだせることになりました。
いち早く臨床心理士養成の募集を停止した大学は今後この特色ある大学院をどうやって打ち出すのでしょうか。
 
それと、日本臨床心理士資格認定協会は、この大学院履修で 国家資格・公認心理師と共存共栄とうちどめとしないで、さらに上位資格を独自で提案してほしいと思います。それは、修了後研修の充実とそれにともなう「専門臨床心理士」(心理療法ができるという資格)や「スクールカウンセラースーパーバイザー」資格を制度設計してほしいと思います。学校心理士はスーパーバイザー資格をだしており、熊本地震後の子どもの心のケアでは、学校心理士スーパーバイザーが現に活躍しています。
 

2016年12月17日 (土)

公認心理師法について(19)7条の2は誰のための条文なのか

厚労省から「たたき台」案が提出されネットでもさまざまな議論が相次いでいます。
日本心理学会WG学術会議案では、7条の2と7条の1の公平性の主張がなされています。
 
そもそも7条の2(学部卒+実務経験ルート)が誰のための条文なのかとカリキュラムが検討されていくにつけ、改めて思います。日心WG学術会議案では、7条の2があるから、大学院は技能を、学部は知識をと棲み分ける。だから、国家試験には、大学院で学ぶ知識は出題してはいけない、という論理のようです。このように、知識の習得を学部レベルに抑える主張を日心WG学術会議案が主張しているように推測できます。
 
7条の2ルートの受験生は、大学院に行く学費がなく、まじめな学生のために設置したとすれば、司法試験の予備試験制度の悪例を踏襲することになります。予備試験は法科大学院にいかずに司法試験の合格を勝ち取ることができる制度です。「予備試験、〇〇塾」と検索すれば、予備試験を受ける学生は高額の塾費を納入していることがわかります。司法修習生のあこがれの4大法律事務所の弁護士のうち、半数は予備試験合格組だそうです。
 
ネットで、「公認心理師、〇〇リーガル」と検索すると、すでに、司法試験の塾が公認心理師養成に動き出しているのがわかります。7条の2を推進する委員は、このことをご存じでしょうか。
 
7条の2を推進しているWG委員、カリキュラム等委員は公開の場で、これが国民の利益になるという根拠を明快に述べてほしいと思います。

2016年12月14日 (水)

公認心理師法について(18)実習の内容と質の担保

叩き台に以下のスライドがあります。

 

医療は必須というのはいいと思いますが、深いかかわりをもったケースを担当できるのは、学内実習施設や学校などです。登校はできているが、対人関係がうまくとれない、すぐかっとなる、そして、親もカウンセリングを希望している、といったケースは医療機関より、学校でのケースとしてかかわる方が、大学院生の力量形成に寄与します。また、スーパーバイズをしっかりと受け、場合によっては、スーパーバイザー(指導教員)が、保護者面談をして、医療につなぐ方がよければ、学校管理職等と相談して、提案するなど、チームアプローチの実際を学ぶ場になります。ですから、医療だけでなく、教育、福祉、少なくとも3領域での実習が必要です。

医療だけで十分というのは、公認心理師法が汎用資格であることからして、論理的ではないわけです。

 

それと、2条の4の業として、心の健康に関する活動をぜひ、実習で位置づけてほしいと思います。それは、学校や福祉施設で行うことができます。もちろん、指導者にその経験がないといけませんが。業務の1つとして掲げられたのですから、指導教員もモデルを示してほしいと思います。子どもは、どんな肩書きがあっても、本物をみやぶる力をもってますから。

 

 

2-2 実習の内容と質の担保について①

 

(1)実習を実施する施設の種類や数等についてどのように考えるか。

 

(現状)

 

○ 現在、心理分野の大学院では、大学院の附属臨床心理相談室での実習や医療機関をはじめとする学外施設での実習を実施している。

 

○ 具体的な実習の形式としては、大きく分けて、①自身の担当症例によるもの(実際の相談者への面接や心理検査の実施等)、②指導者の業務の見学等、がある。

 

(検討に当たってのたたき台)

 

○ 将来どの活動分野においても、精神疾患が疑われる場合に医療機関へつなぐ等の適切な対応が求められる点を踏まえ、精神疾患の診断を行う医療機関での実習を必須としてはどうか。

 

○ 医療分野以外の施設における実習について、以下の点を踏まえどのように考えるか。

 

保健、教育、福祉、司法及び産業の各分野の実習施設において、実際のケースを担当する等の深い関わりをもった実習が可能であるか。

 

上記の各分野の施設における、実習生の指導体制の確保が可能であるか。

 

○ 複数分野の施設における実習を課すことについてどのように考えるか。また、課す場合において、具体的な規定についてどのように考えるか。

2-2 実習の内容と質の担保について①

(1)実習を実施する施設の種類や数等についてどのように考えるか。

(現状)

○ 現在、心理分野の大学院では、大学院の附属臨床心理相談室での実習や医療機関をはじめとする学外施設での実習を実施している。

○ 具体的な実習の形式としては、大きく分けて、①自身の担当症例によるもの(実際の相談者への面接や心理検査の実施等)、②指導者の業務の見学等、がある。

(検討に当たってのたたき台)

○ 将来どの活動分野においても、精神疾患が疑われる場合に医療機関へつなぐ等の適切な対応が求められる点を踏まえ、精神疾患の診断を行う医療機関での実習を必須としてはどうか。

○ 医療分野以外の施設における実習について、以下の点を踏まえどのように考えるか。

保健、教育、福祉、司法及び産業の各分野の実習施設において、実際のケースを担当する等の深い関わりをもった実習が可能であるか。

上記の各分野の施設における、実習生の指導体制の確保が可能であるか。

○ 複数分野の施設における実習を課すことについてどのように考えるか。また、課す場合において、具体的な規定についてどのように考えるか。

2016年12月12日 (月)

公認心理師について(17)学部の「心理実習」や「教育心理学」について考えてみました

公認心理師法のたたき台を何度も読んでいるうちに、学部の「心理実習」や「教育心理学」について、スクールカウンセラー養成に長くかかわってきた立場から考えてみました。
1.たたき台に記載されている応用心理学の「教育心理学」の到達目標について、
 
17. 教育に関する心理学
17-1. 教育現場において生じる問題とその背景について説明できる。
17-2. 教育現場において生じる問題に対して必要な心理に関する支援とその方法について説明できる。
これは学部の科目名が「教育心理学」になってますが、従来の概念の教育心理学ではないですね。
 
17-1は教育現場において生じる問題とその背景 ですから、いじめ・不登校・暴力・虐待などのアセスメントと分析 ですよね。 
17-2は問題に対して必要な心理に関する支援とその方法 ですから、いじめ・不登校・暴力・虐待などの問題を抱える児童生徒・保護者へのカウンセリングによる相談・助言などの支援 と 教師とのコラボレーションや教師へのコンサルテーション、または、児童相談所職員、SSWなどとのチーム支援がはいりますね。
ですから、公認心理師法第二条の4つの業に対応する到達目標を記載した方がいいですね。
17-2は、相談・助言など
17-3は、教師とのコラボやコンサル・チーム支援 
17-4は、心の健康に関する知識の普及、すなわち予防的な活動をいれたいですよね。
それと、学部の「心理実習」では、学校での 「心の健康」授業を担任教師との協働で行うといいですね。福祉施設では、児童養護施設で、学習支援・スポーツ支援を心理実習でやれるといいですね。
気をとりなおして、生産的に考えてみることにしました。

2016年12月10日 (土)

公認心理師法について(16)驚きの厚労省案たたき台、みんなで叩いた方がいい

厚労省案たたき台がでましたね。これ、日本心理学会ワーキング案・学術会議とも称していますが、そのままですね。
日本心理学諸学会連合も含め3団体案のカリキュラムとは、ほど遠い。
あれほど苦労して、3団体案をまとめていった努力はなんだったんでしょうか。
 
それは、学部の科目が全て到達目標を列記しているのに対し、大学院の実践科目がわずか6単位(90時間)、そして、5分野のキーワードを列挙しているのみっていうのがひとつのあらわれですね。
 
(ア) 人間学的心理療法、認知行動療法、精神分析療法 等
(イ) 認知症対策、母親及び乳幼児支援、自殺防止、産後うつ、ひきこもり支 援、精神疾患、虐待防止支援、子育て支援、地域包括ケア 等
(ウ) スクールカウンセリング、保護者及び教職員支援 等
(エ) 家事紛争、成年後見、被害者支援 等
(オ) メンタルヘルス、職場不適応対策 等
(カ) 新たな社会ニーズ等への対応 等
 
これって、(ア)だけで、6単位になってしまうじゃないですか。大学院は、理論はほとんど学ばなくていいよ、っていうことなんでしょうか。
 
これによって、7条の2で、受験できる人がたくさんふえますね。実務経験5年との主張は論理的にむつかしくなり、実質、大学院は不要という資格になってしまいますね。
 
公認心理師法第2条の4 心の健康についての科目もこれではみえない。
 
もしこれでいくなら、心理学士の養成はできますが、社会で役に立つ心理士は養成できないですね。
 
社会で役に立つ心理士を養成したいなら、臨床心理士資格認定のカリキュラムを大学院で合わせて履修しないとだめですね。
 
官の公認心理師、民の臨床心理士(ほか、学校心理士、臨床発達心理士も)、これで共存共栄という案なんでしょうか。
 
でも、公認心理師とれちゃったら、民の資格はいらないよ、っていう人たくさんでてきません?公認心理師養成だけでいいよ、っていう大学たくさんでていきますよ。
 
この厚労省案のたたき台がでて、これを批判するブログがみあたらないのはどういうことでしょうか?みんなこれでいいって思っているんでしょうか。
 
座長は大変リベラルな人だと思っていましたが・・・・。うなるだけですね。
 
私は公認心理師養成の大学院のカリキュラムは、臨床心理士養成に匹敵するカリキュラムをもってきて、今の臨床心理士養成は、さらに上位の資格養成システムを構築すべきだと考えています。スクールカウンセラーのSV資格、心理療法がしっかりできるという資格、それは大学院修了後研修の充実に力を注ぐというシステムです。
 
叩き台だから、みんなで叩いた方がいいのではないですか?

2016年11月26日 (土)

公認心理師法について(15)各領域+災害に対応できる心理専門家の養成になっているか?

各団体からのカリキュラム案が提案されましたが、ここであらためて、各領域(医療保健、教育、福祉、産業、司法)+災害 の心理専門家を養成するカリキュラムになっているか、ということをもう一度考え直す必要があるのではないでしょうか。

たとえば、公認心理師資格を取得して、スクールカウンセラーとして勤務したとき、最低要件を満たしているかということです。児童生徒とのカウンセリングができる、教師研修・保護者研修ができる、教師と協働でストレスマネジメントなどの心の授業ができる、災害事件後に長期をみすえた支援プログラムを想定できる、教師とのコラボレーションやコンサルテーションができる・・。それらの活動の理論と実践はどの科目で保証されているのか、検証してみる必要があります。

それは、医療保健、福祉、産業、司法(警察や自衛隊・海上保安庁を含む)それぞれの領域から検証してみる必要があります。

また、災害後の心理支援は、どの科目で最低要件を満たしていますか?危機介入法特論ですか?災害後の心理支援に公認心理師として活動するとき、どの養成大学・大学院でも、役に立つ公認心理師養成ができていますか?

これはぜひ、厚労省案が提示されたのち、検証して、補てん修正していってほしいです。

それと、既成の民間資格(臨床心理士・学校心理士・臨床発達心理士)と公認心理師との関係性・関連性を検討しておく必要があります。そのとき、いま、すでに求められていて制度化されていないものを補てんする必要があります。たとえば、スクールカウンセラー・スーパーバイザーです。文部科学省のスクールカウンセラー事業では、実働していますが、その資格審査は現在ありません。学校心理士はスーパーバイザー資格を認定しているようですが、臨床心理士はスーパーバイザー資格を認定していません。日本臨床心理士資格認定協会は、公認心理師養成カリキュラム大学院案に、学内実習施設を5領域プラスワンにと提案しています。それもひとつの提案でしょうが、公認心理師取得後の上位資格としてのスーパーバイザー資格の構想を打ち出してほしいと思います。

ともかく、ユーザーの視点に立っている養成カリキュラム案になっているか、考えてほしい。

それと、公認心理師養成では、4つのアプローチ(精神分析・分析心理学などの力動論的心理療法、行動療法・認知行動療法・行動分析など行動論的心理療法、パーソンセンターなどの人間性心理療法、統合的・オリジナル心理療法(イメージ療法や動作療法やブリーフや家族療法など))のなかから最低3つのアプローチを学生が学べるように、カリキュラムに反映してほしいです。一学派しかいない教員の配置で、公認心理師資格が取得できるカリキュラムはやめてほしいです。

2016年11月22日 (火)

公認心理師法について(14)第2回ワーキング

公認心理師カリキュラム等委員会のワーキングの第2回の資料が掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000143121.html
3団体案がこれまでの総意です。
次回の厚労省案は3団体案を基準にしたものであってほしいと思います。
 
このなかで日ごろ心理職の専門家を養成している人なら、「どうして?」と首をかしげてしまう案がプレゼンテーションされています。
 
「大学院は知識は教えなくていい。技能を学ぶところだ。7条-2があるのだから、国家資格の試験に、大学院で学ぶ知識問題はだしてはいけない。」そう主張している日本心理学会ワーキンググループ案です。
学部+実務経験を第一に主張したいのでしょうか。だから、大学院では、知識を学んでも、それは国家資格の試験問題にはしないよ、という論理なんでしょうか。
付帯決議で、7条2は7条1(学部+大学院)と同等かそれ以上と明記されました。
大学院での学びの質を下げるために、このようなプレゼンテーションをされたのでしょうか。
もし、大学院での知識が必須となれば、学部+実務経験経験者には、週末、知識を学ぶ講義を受けなければなりません。そうなれば、実務経験は2年では到底不可能だからです。あくまで、実務経験2年を主張している医療団体を応援しているということなんでしょうか。
 
このプレゼンテーションをしている人はわが国の認知行動療法の第一人者ですよね。
理論は学部で学ぶ。確かに、学部で古典的条件づけとオペラント条件づけは学ぶでしょう。PTSDの心理療法の最も信頼性の高いPE(長時間エクスポージャー療法)は、恐怖の古典的条件づけと回避のオペラント条件づけで説明できるかもしれません。でも回避がトラウマ反応であり、自己を守る防衛機制であり、かつ長期の回避がストレス障害のリスク要因であることを、臨床事例とかかわらずして、説明できますか?トラウマ性記憶と海馬の機能を学部で学ばせるんですか?
 
[加筆(2016.11.23)]
いや学部で脳科学とトラウマを学ばせてもいいし、学ぶべきだと思っています。ただ知識は、体験とともにあって、身につくものではないでしょうか。ですから、学部では、学生同士のロールプレイ実習だけでなく、教育現場や福祉現場に身を置いた実習が必要だと私は考えています。ただし、カウンセリングや心理療法によるかかわりを学部ではしません。例えば、児童養護施設での実習では、学習支援や生活支援でしょう。そこで出会う虐待を受けてきた子どもとのかかわりと、本や論文に書かれている虐待トラウマの子どもの姿と何が同じで何が違うかを実習のふり返りで学び直すのです。
知識(理論)と技能は対で学ぶ必要があります。
 
 最近、私のゼミの学部4年生が中学校でいじめとストレスマネジメントの授業をしました。彼女は教育実習で、小学校、中学校と何回も研究授業をやってきていたのですが、10秒呼吸法などを取り入れたストレスマネジメント授業には、自信がなく不安で一杯だったようです。 1クラス目は、スクールカウンセラーとして活動している先輩の授業を補助しました。2クラス目から、彼女が中心で授業をしました。自分の小中時代のいじめの体験を盛り込みながら、4クラスの授業を担任の先生と協働で授業をしました。これは、公認心理師法第2条の公認心理師の業の4心の健康の知識の普及に合致します。彼女の教育実習の経験は、心理学を取り入れた「いじめ防止授業」の実施に役に立ったわけです。
 
 公認心理師カリキュラム等委員会の座長は医学教育の第一人者であり、公認心理師養成には、コミュニケーション力や患者への共感が第一に重要と発言されています。心理学の科目単位以外の実習科目でも、コミュニケーション力や共感を培う土台となる実習には、それ相当の評価をしてほしいと思います。
 

○北村座長 進め方のポイントが2つあって、1番は、役割、知識、技術について。技能、技術についてということで、公認心理師のカリキュラムのための根本的なところを考えようということだと思います。今御発言があった専門に分かれている学校心理士や産業心理士とかいろいろとあるけれども、その根底というか、基本になるのが公認心理師になると思うので、そこから議論をしていただきたいということ。

 小学校ではどうなのか、実は分からないですが、医療現場の教育ではアウトカム・ベースド・エデュケーション、アウトカム、出来上がりを見て教育、カリキュラムを作る。今までの大学教育では単位を集めていき、30単位集まれば卒業ですと。そうすると、ジクゾーパズルのピースは30個集まったけれども絵にはならないと。そうではなくて、例えば公認心理師はこういうことを知っている、こういうことができる、こういう心を持っているという出来上がりを考えて、それをカリキュラムに落とし込んでいく。医学で言うと内科、外科、小児科、産婦人科の単位を取って、医者になってみたら人の話を聞けない、人のことを思いやれないという、コミュニケーション能力がないとか。内科、外科、産婦人科、小児科の中には、それぞれコミュニケーション能力や患者を思いやる心というのは本来あったはずなのですが、その学問が中心になってしまったために、この間というか、一番大事なところが抜けてしまったのです。だからこの1番の意味というのはそういう抜けがないように、出来上がった公認心理師は、何はともあれ患者の話が聞けるとか、患者に対して共感できるとか、そのような根本的なところから考えていただいて、それをカリキュラムに落とし込もうという発想だと私は理解しています。 (第1回カリキュラム等委員会議事録より)

 
ぜひ、厚労省の公認心理師カリキュラム等検討会のホームページを読んでほしいと思います。
 
また、第2回ワーキングの資料をみなさん読んでください。日本の心理臨床のこれからが決まる大事な養成案です。
もし厚労省案が日本心理学会ワーキング案をベースにしたものであれば、みんな声をあげましょう!それはNo!だと。