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国家資格公認心理師法

2018年10月 4日 (木)

公認心理師の職能団体の行く末

日本心理学会大会で、「日本公認心理師会を設立する」と日本心理学会に置かれた公認心理師養成大学教員連絡協議会・運営会議の代表世話人が発言されたとtwitterで流れている。
この連絡協議会の下に日本公認心理師会を置くのであろうか。会員は、公認心理師資格取得者で、日本心理学会の会員となるのであろうか。この「公認心理師養成大学教員連絡協議会」には24の学会が加盟団体になっているようだ(いずれも日本心理学会Hpより)。24学会が加盟しているとはいえ、日本心理学諸学会の加盟団体は53である。日本心理学会のなかに日本公認心理師会を置くというのなら、「日本心理学会公認心理師部会」の名称の方がふさわしいのではないか。
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日本臨床心理士会が定款変更を行い日本公認心理師協会とするという案は、㋇19日の代議員会で否決された。会員を①公認心理師、②臨床心理士としていた案は、他の団体からの反発必至の案であったから、否決されたことは、良かった。その後の行方はどうなっているのだろうか。
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私は、公認心理師資格取得者で、「日本公認心理師会」を設立するのが妥当だと考えている。
日本臨床心理士会、発達教育3団体、日本心理学諸学会連合(53学会加盟)、医療団体、認定協会が、日本心理研修センターを設立したように、それぞれが寄付金を拠出して、一つの職能団体を設立するのが国民ユーザーにとっても、公認心理師の将来にとっても、一番よいのではないか。
会員は、移行措置の間は、公認心理師を受験する資格のあるものを準会員とすることもよいかもしれない。そして、役員は会員による選挙により選出してほしい。公認心理師の職能団体の行く末が心配である。

2018年9月17日 (月)

公認心理師試験 問95ストレスコーピング(2)コーピングのコスト

Cohen, Evans, Stokols,et al.(1986)を入手したので,コーピングのコストについて記載されている箇所を下記に転記してみた。

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「コーピングが失敗したとき」という節のタイトルの中に記載されていた。嫌悪的出来事への対処の試みが失敗したときにおこる2次的効果があり、ストレッサーへの積極的なコーピングのコスト(a cost of actively coping with the stressor)として起こるか、コントロールできないという知覚か失敗それ自体のために起こるものである。

さらに、積極的コーピングのコスト(Costs of Active Coping)というサブタイトルの下に、蓄積疲労効果の記載がある。ただ、要約として、コーピングのコスト(Cost of Coping)が記載されている。

 

コーピングを続けているうちに疲労が蓄積することを、コーピングのコストという。

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を正解とするなら、ストレッサーに対し積極的コーピングを続けているうちに疲労が蓄積することを、コーピングのコストという。 という記載にしてほしかった。

 

追記:2018920

もっと正確には、

ストレッサーへの積極的コーピングを続けているうちに蓄積疲労、覚醒レベル上昇による副次的影響、方略使用の過度の一般化が生じることを、コーピングのコストいう。

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コーピングの結果は、二次的評価というプロセスによって、それ以降の状況の評価に影響を与える。

 

出題者が、を正解と考えたなら、なぜが不正解なのか解説がほしい。

 

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追記:2018920

正しくは、コーピングの結果は、一次的評価と二次的評価とストレス反応へのコーピングというプロセスによって、それ以降の状況の評価(一次的評価・二次的評価)に影響を与える。

ではないだろうか。

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京都コム二タスの正解は③のようですね。巷で、これで正解が確定した雰囲気になるのは好ましいことではないと思います。もちろん、コム二タスさんも「現時点での・・」と前置きをいれての正解の公表で、この問95の正解もずいぶん悩まれたのではとお察しいたします。受験者のデータ蓄積は、関連学会ではなしえないことですから、敬意を表したいと思います。受験産業にネガティブでしたが、国家資格の質の向上に寄与するかもしれないですね。

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関連学会は、この問題についての見解を日本心理研修センターに申し入れてはどうだろうか。このことは、決して問題作成委員を批判する行為ではなく、心理学が学問として、より発展していくために必要な活動だと思う。コム二タスの5000人以上のデータをみると、よくできた問題だったということがわかりますよね。問題作成の苦労の跡がしのばれます。

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When Coping Fails

There are also secondary effects that occur when one's attempts to cope with an aversive event fail. These effects occur either as a cost of actively coping with the stressor or because of one's perception of uncontrollability and failure per se. They are separate from any primary effects that may occur as a result of being unable to cope with the demands of a specific stressor.

 

Costs of Active Coping. The cumulative fatigue effects and coping side effects discussed before in the context of the costs of successful coping are also potential effects of failure to cope. These effects would occur to the extent that there is a prolonged active and effortful attempt to cope. Clearly, cognitive fatigue, pathogenic effects of active coping, and the interference of coping processes with health maintenance should occur when one engages in prolonged effortful coping irrespective of whether the coping behavior is successful or not. In cases where the ineffectiveness

of coping attempts becomes immediately apparent and active coping is terminated, these mechanisms would not come into play. A form of overgeneralization may also be operative in situations where coping fails. Instead of overgeneralizing successful coping strategies, it is also possible to overgeneralize the expectation that coping is ineffective. This perspective has been developed in learned helplessness theory and is discussed in that context next.

 

Cost of Coping: Summary

As outlined here, it is clear that the process of active coping, whether successful or unsuccessful, can have a severe impact on one's health and behavior. Table 2 provides an outline of the secondary effects of coping discussed previously. In some cases this impact is initially mediated by physiological processes, whereas in other cases it is mediated by behavioral ones. Deleterious effects may occur when (a) one engages in effortful coping; (b) one persists in using a coping response in situations where the strategy is not adaptive; (c) coping responses have deleterious side effects; and (d) one perceives that his or her efforts to cope are fruitless. Data and theory on passivity in the face of a stressor allow only tentative

conclusions at this time.

2018年9月16日 (日)

公認心理師試験 問52 教育現場における開発的カウンセリング

教育現場における開発的カウンセリングで用いられる技法として、適切なものを2つ選べ。
①ピアサポート
②ソシオメトリー
③チームティーチング
④アサーショントレーニング
⑤ソーシャルスキルトレーニング
.
この問もなやましい。正解が3つあるのではと考えられるからだ。
者は①④⑤のどれを2つ選ぶか迷ったが、④と⑤を選んだ。
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コム二タス 肢別解答率表④⑤ 52-1 ①26.7 ②5.7 ③10.3 ④57.0 ⑤0.4
                             52-2    ①0.2 ②1.8 ③10.9 ④19.1 ⑤67.9
イプサIPSA心理学大学院予備校 ④と⑤
ヒカリ  ①と④?⑤?
和光   ①と⑤
プロロゴス ④⑤ 理由:【912追記】文部科学省ホームページの「スクールカウンセリング」より開発的カウンセリングの項目で「将来、児童生徒が自立して豊かな社会生活が送られるように、児童生徒の心身の発達を促進し、社会生活で必要なライフスキルを育てるなどの人間教育活動を行う。全ての児童生徒を対象とし、教科学習や特別活動、総合的な学習など、学級、学校全体の教育活動を通して、児童生徒の成長を促進する。」と記載あり。
下線部から④と⑤を正答と判断した。
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文部科学省のHp スクールカウンセリングとは 
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/010/009.htm
(2)開発的・予防的・問題解決的援助
スクールカウンセリングは、開発的カウンセリング・予防的カウンセリング・問題解決的カウンセリングの援助段階に分けて考えることができる。
   開発的カウンセリング
 将来、児童生徒が自立して豊かな社会生活が送られるように、児童生徒の心身の発達を促進し、社会生活で必要なライフスキルを育てるなどの人間教育活動を行う。全ての児童生徒を対象とし、教科学習や特別活動、総合的な学習など、学級、学校全体の教育活動を通して、児童生徒の成長を促進する。
  予防的カウンセリング
 児童生徒一人ひとりについて、性格、現在の状況、ストレス、悩み、問題などを把握し、問題が発生しそうな児童生徒に予防的に働きかけ、本人が主体的に自らの力で解決できるよう支援する活動を行う。
  問題解決的カウンセリング
 問題の発生は、開発的、予防的カウンセリングを行うことで低減されることになるが、人生を生きていく上では、様々な問題に直面する。このような問題については、カウンセリング的アプローチにより問題の解決や不適応状態からの回復を援助する。
これは、在外教育施設安全対策資料(心のケア編)に記載されており、小澤康司先生執筆によるものと思われる。
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さらに、
  「エッセンス学校教育相談」石川正一郎編 2010北大路書房 の開発的カウンセリングの章には、アサーション・トレーニングとソーシャル・スキルトレーニングが記載されている。
第3章 開発的カウンセリング
 1 開発的カウンセリングとは
 2 構成的グループ・エンカウンター
 3 アサーション・トレーニング
 4 ソーシャル・スキル・トレーニング
 5 偏愛マップ
だから、④と⑤は正解であろう。
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では、ピアサポートは開発的カウンセリングの技法ではないのかというと、2005年の教育心理学年報には、開発的カウンセリングのシンポジウムで、アサーショントレーニングとピアサポートが話題提供されており、指定討論は石隈利紀である。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/arepj1962/44/0/44_11/_pdf/-char/ja
小林真ら(2005)学校現場における開発的カウンセリングの実際 準備委員会企画シンポジウム2 教育心理学年報
小学校におけるアサーション・トレーニングの効果(福光隆)
中学校におけるピアサポートプログラム(島田みどり)
また、栗原慎二(2003)開発的カウンセリングを実践する9つの方法 ほんの森出版 にも ピアサポートがはいっている。
第3章 進路指導に生かす開発的カウンセリング
 1 体系的進路指導--職業インタビューを中心に 橋本武弥
 2 ピア・サポート(サポート・トレーニング)  栗原慎二
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ここで、ピアサポートの実践例を紹介したい。日本ピアサポート学会10周年記念に発刊した「やってみよう!ピア・サポート」(2011)企画・日本ピアサポート学会、ほんの森出版には、小中高などの実践が紹介されている。
小学校の実践(三田恵子)では、総合の時間に実施、4クラスを混合クラスにする、5年のプログラムは、「ピアサポートってなに? 私ってどんな人(エゴグラム)、プラスとマイナスのストローク、話の聞き方、話の伝え方、対立の解消、私のストレス対処法、上手な誘いの断り方など」であった。6年生も同様のプログラムであり、さらに「ちょこっとサポート隊」を発足させ、学校中にピアサポート活動を広めていった。
高校の実践(萬田久美子)では、1年生全員と希望者(1年から3年、課外で30時間)での取り組みであった。プログラムの内容は、さきに紹介した小学校の内容とほぼ同じのようだ
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このように、クラス全員への活動とともに少人数のピアサポーター養成を行い、全校に広げていく手法のようだ。であるから、ピアサポートが、一部の児童生徒のみを対象にしているから、この設問に該当しないというのは間違いのようだ。
ちなみに、日本ピアサポート学会・森川澄男会長は、刊行に寄せてのなかで、「学校教育相談の予防・開発的な観点から、日本の学校教育に合うように改良を重ね、・・・ピア・サポートプログラムの普及に乗り出しました。」と記載している。
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実はこの本は、ピアサポート学会大会で講演をさせていただいたことを契機に、森川先生からいただいていた。この本を十分に読み込んでいたら、迷いはさらに深まっていただろう。
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これを不適切問題として、すべての受験者に得点を与えるのは公正性に欠ける。①④⑤のなかから2つ選んだものを正解とするようにすべき、と考えるがみなさんはどう思われますか?
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大学入試の試験問題の作成でミスがあれば、謝罪・補償が求められる時代である。問題作成委員と問題点検委員を置いて、問題が適正かどうかを何度もチェックを繰り返す。受験産業の出版社からミスを指摘されることもあるようだ。公認心理師試験は第1回であり、試験委員の方は受験されたのであろうか。自分の作成した問題以外を見ていなければ、受験し、自分の問題を除外するという方法は考えられるかもしれない。
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第1回だから、不適切な問題がでるヒューマンエラーは仕方ない。試験機関は、不適切問題か否かを至急吟味し、公正な判断をすることが、今求められている。
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さらに、そのキーワードの論文・著書を検索し、根拠資料を添える、点検委員を設けるなど、第2回はさらなる充実がはかられるであろう。根拠資料を添えるなどは第1回でも行われているかもしれないが。

(2018年9月16日一部加筆修正)

2018年9月13日 (木)

公認心理師試験 問95ストレスコーピング 

95 ストレスコーピングについて、正しいものを1つ選べ。

各社の正解を列挙しましたが、③と④にわれています。

コム二タス肢別解答率表 1.8 2.1 10.6 80.0 5.5

イプサIPSA心理学大学院予備校 

ヒカリ 

和光  

プロロゴス :理由:③と④で悩んだ。④の文章は文意がよく分からない。二次的評価がラザルスのストレス評価説のことを指しているのならば、二次的評価は「ストレッサーに対して対処できるかどうか」の評価である。二次的評価によってその後コーピングを行うというのがストレス評価説の考えと思われるが、④では二次的評価の前にコーピングの結果が来るので、とにかく文章がよく分からないけど誤りではないかと判断した。消去法で③を正解とした。なお、コーピングのコストはネットで調べると、「積極的なコーピング(問題焦点型コーピングなど)を使っていると、その行為によって返って疲れる」ということらしい。それが③の文章と同意であるのかもよく分からない。かなり自信なし。

 

プロロゴスは、理由を記載していますね。『ストレス心理学』小杉正太郎編著 川島書店 と『ストレスの心理学』R.S.ラザルス&S.フォルクマン(1984/1991)実務教育出版から引用してみます。

 

コーピングを続けているうちに疲労が蓄積することを、コーピングのコストという。

 

コーエンら(CohenEvans,Stokols,et al.,1986)は1986年に「コーピングのコスト(costs of coping)」という概念を提唱し、それまで問題解決の促進やストレス反応の低減に有効であると考えられていた積極的なコーピング方略の短所について指摘した。彼らは、積極的な対処努力によって状況の改善に成功し、対処努力に伴う以下の3種類のコストが個人の健康や行動に有害な影響を及ぼすと主張した。

 1番目のコストは、蓄積疲労であり、ストレスフルな状況に長期間、積極的に対処することによって、生理的・心理的エネルギー量が低下した状態をいう。2目のコストは、コーピングによる副次的影響である。これは積極的なコーピング方略自体が本来、覚醒レベル生理的反応を上昇させること、直面している状況への対処努力の集中が、健康維持活動などに振り向ける努力を相対的に低下させること、などをいう。3番目のコストは、方略使用に過度の一般化である。これはある状況で対処に成功したコーピング方略を、その後に体験するいかなる状況でも一貫して用いることであり、その方略が状況に不適切な場合、ストレス反応が上昇する。 島津明人(2002) pp.51-52 『ストレス心理学』小杉正太郎編著 3章 川島書店

 

「コーピングのコスト」のコーピングとは「積極的コーピング、すなわち問題焦点型コーピング」をさしている。例えば、「寝ないで試験勉強をする」といったコーピングは、疲労を蓄積させるのは当然のことである。「積極的(問題焦点型)コーピングを続けているうちに・・・」であれば、正解であろうか。ただ、コストには3つあり、蓄積疲労、覚醒レベル上昇による副次的影響、方略使用の過度の一般化である。

また、コーピングには大別して、問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングがある。

 

評価は、対処行動が情動調整する傾向をもつものか(情動中心の対処)あるいは、その問題を軽減するためのものか(問題中心の対処)区別できるものであることがわかった。R.S.ラザルス&S.フォルクマン(1984/199144p

 

「コーピング」が「情動焦点型コーピング」を含めたものであれば、は正解といいきれるだろうか。また、「コーピングのコストとは、積極的コーピングを続けているうちに疲労が蓄積することなどをいう」であれば、正解だろうが。概念の包含関係が吟味されているのだろうか。ただし、Cohen,Evans,Stokols,et al.,1986の原著を読んでないので、正解とも不正解とも判断しかねる。

 

コーピングの結果は、二次的評価というプロセスによって、それ以降の状況の評価に影響を与える。

 

以下、『ストレスの心理学』R.S.ラザルス&S.フォルクマン(1984/1991)実務教育出版から抜粋してみる。

 

一次的評価は、無関係、無害―肯定的、ストレスフルの3種類に区別される。33p

 

我々が危険に陥っている場合、それが脅威であろうと挑戦であろうと、何とかしてその状況を切り抜けなければならないのであるが、この場合、評価のもう一つの形態である、二次的評価が顕著となる。…それ(二次的評価)は複雑な評価プロセスであり、どのような対処方法が可能か、その対処方法で思ったとおりに成し遂げられそうか、そして、特定の手段を適用できそうかなどを考慮している。

対処選択の二次的評価と、何が危ういかという判断となる一次評価とは、ストレスの程度や、情動反応の強度や質(または内容)を定める際に、相互に影響を及ぼしている。(36p

 

対処とは「能力や技能を使い果たしてしまうと判断され自分の力だけではどうすることもできないとみなされるような、特定の環境からの強制と自分自身の内部からの強制の双方を、あるいはいずれか一方を、適切に処理し統制していこうとなされる、絶えず変化していく認知的努力と行動による努力」である。我々の定義は、伝統的な定義に対して次のような点を明確にしている。対処はプロセスであり、特性とは明確に区別される。プロセスは絶えず変化していくもので、特定の圧力や強制に対して起こるものであり、その結果、様々な葛藤を伴うことになる。対処のプロセスは単なる自動的な適応行動とは異なり、自らの評価に基づいて起こるものであり、このような評価によって自分のもつ能力や技能を著しく使い果たしてしまうと判断されるような、また自分の力ではもはやどうすることもできないと見なされるような、自分自身の内部や外部からの強制的な圧力に対して起こるものである。・・・・pp.143-144 

 

コーピングの結果は、二次的評価というプロセスによって、それ以降の状況の評価に影響を与える。

 

あるコーピングの結果が、二次的評価により(例えば、つぎはその対処方法で成し遂げられそうだ)との対処選択(coping options)を行い,それ以降の状況の評価(一次的評価と二次的評価)に影響を与える。

と考えれば、R.S.ラザルス&S.フォルクマン(1984/1991)により、これは正解ではないだろうか。

ちなみに、プロロゴスさんの理由

>二次的評価は「ストレッサーに対して対処できるかどうか」の評価である。二次的評価によってその後コーピングを行うというのがストレス評価説の考えと思われるが、④では二次的評価の前にコーピングの結果が来るので、とにかく文章がよく分からないけど誤りではないかと判断した。

についてR.S.ラザルス&S.フォルクマン(1984/1991)のトランスアクション・モデルを引用しておきたい。

図10-3(トランスアクションモデル)は、....我々の理論の中心的な概念を浮き彫りにするものであり、.....。我々のトランスアクションモデルでは、同一個人内の現象の移り変わりを様々な段階においてとらえていくと同時に、様々な個人の間での現象の起こり方の相違や類似点について明らかにしていくことが、1つの研究計画の中で可能となるのである。

図10-3は矢印は記載されてないが、島津(2002)には、図3.1 心理学的ストレスモデルの概要に、「コーピング」から「認知的評定(一次的・二次的)」への矢印がひかれている。すなわち、コーピングの結果が評価で判断されて、コーピングが成功し刺激や情動が適切に処理されると、健康上の問題は生起しないか、あっても程度が低い、ストレスフルなら、情動反応が起こりそれに新たなコーピングがなされるというプロセスが展開される。


あいまいな正解が2つある問で、これは適切問題だろうか。筆者は、迷ったあげくに、を選択した。しかし、③も正解かもしれない。しかし、文献検索をしてみるとコーピングのコスト研究が世界的に活性化しているともいえない。

自分がストレスコーピングについて問題を作るとすれば、どのような選択肢が教育的なのか考えてみたい。

2018年6月26日 (火)

日本公認心理師協会と日本公認心理師会

国家資格の精神保健福祉士、言語聴覚士、栄養士など、それぞれに職能団体があります。
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日本言語聴覚士協会では、
正会員 :「言語聴覚士法(平成9年法律第132号)第2条の規定による言語聴覚士の免許を有する者であって、 当法人の目的に賛同し入会した個人 資格保持者」
準会員「言語聴覚士の免許を有しない者で当法人の目的に賛同する個人」
としています。
「代議員を選出するため、正会員による代議員選挙を行う」とありますので、準会員には、代議員を選出できないようです。
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日本栄養士会の会員は、
「本会の会員とは、栄養士法(昭和22年12月29日法律第245号) 第2条第1項又は同条第3項に定める管理栄養士、栄養士の免許を有し、第 3条の目的に賛同して第9条の手続により入会し、かつ、都道府県栄養士会 の会員である者をいう。 」
とされていて、資格を保持してないものは会員にはなれないようです。
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本年11月30日に誕生する公認心理師資格保持者の職能団体は、どのような会員構成が望ましいのでしょうか。
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心理職の場合、臨床心理士、臨床発達心理士、学校心理士、特別教育支援士、健康心理士など学会連合や学会レベルの国家資格でない資格が現存するわけです。
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公認心理師の試験機関として 日本心理研修センターが指定されましたが、設立時の理事は、上記にあげた民間資格団体の代表の方々が名を連ねています。
もし、日本公認心理師協会として公認心理師の職能団体として発足するのであれば、公認心理師法制定に尽力したすべての心理職の団体が結集すべきです。
仮に、会員を、公認心理師資格取得者と「○○心理士」(上記にあげた民間資格のなかから一つだけ)とすると、それは、他の心理職の民間資格団体となんらかの事前協議があってしかるべきです。しかし、その発想自体が、多職種連携を標ぼうする公認心理師の理念と大きくかけはなれたものです。もし私が〇〇心理士の役員であれば、「他の団体と協働して作りましょう」と提案します。
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私は、日本ストレスマネジメント学会の理事長を務めていました。その学会は臨床心理士、学校心理士、健康心理士、教員、医師、さまざまな立場の方が会員でした。また、熊本地震後の子どもの心のケアでは、学校心理士スーパーバイザーと協働でさまざまな心のサポート授業を作り提案してきました。
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もし、一資格だけの民間資格の「〇〇心理士」を会員に加えるということを構想しているのなら、他の資格保持者と真の協働作業をされてきたのかと疑問に思います。ただ、国家資格公認心理師をつくりたいばかりに、他の職能団体を巻き込んだだけ、と思われても仕方がないです。国家資格・公認心理師の設立を推進してきた一人として、万が一、そんなことがあってはならないと思います。
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私の情報収集の限りでは、定款変更して、会員を公認心理師と「〇〇心理士」とする 日本公認心理師協会には、関連民間団体の理事や役員の方は、強い反発をしています。
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私は、このような同業者の信頼をえられない 日本公認心理師協会の設立に強く反対します。
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日本言語聴覚士協会の準会員は、一つの民間資格に限定してないようです。
私は、日本栄養士会のように、国家資格取得者を会員とする日本公認心理師会の設立を強く願います。
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認知行動療法の専門家も、日本心理臨床学会より日本心理学会で活動している方が多いわけです。
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公認心理師の職能団体は、国家資格・公認心理師法の制定に努力した学会・団体が結集して立ち上げることこそ、ユーザーである国民の利益になるものだと確信しています。
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各都道府県の臨床心理士会での総会で、この問題の議決が進むころでしょう。他団体の意向について情報を収集して、誤った判断をされないようにお願いしたいです。

2018年6月19日 (火)

公認心理師法44条

(名称の使用制限)
第四十四条 公認心理師でない者は、公認心理師という名称を使用してはならない。2 前項に規定するもののほか、公認心理師でない者は、その名称中に心理師という文字を用いてはならない。
もし、「日本公認心理師協会」と称する団体の会員を、「公認心理師」及び「〇〇心理士(民間資格)」とすると、国家資格公認心理師を取得していない「〇〇心理士」が、名刺に、「日本公認心理師協会会員」 と記載し、クライエントに提示すると、これは、第44条に抵触することになるのではないでしょうか。
私は、法にふれるおそれのある団体の設立には反対です。
心理職の関連団体が結束して、公認心理師資格取得者を会員とする「日本公認心理師会」を設立することを切に願います。

2017年4月23日 (日)

公認心理師について(27)養成システムについて

公認心理師養成は、「大学」での養成が適切で、「専修学校」での養成は適切でないことを、①各資格法の目的と定義(業)

実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議(第1回)」(平成2610月)の資料

を引用しながら述べます。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/061/gijiroku/1352719.htm

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/061/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2014/10/23/1352719_8.pdf

 

それは、学校教育法に定められているように、「大学」と「専修学校」では、人材育成の目的が異なるからです。

 

学校教育法第八十三条  大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。

第百二十四条  (略)、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として、次の各号に該当する組織的な教育を行うもの(略)は、専修学校とする。

  

わが国で、医療、保健、教育での人材育成が、「大学」、「短期大学」、「高等専門学校」、「専門学校」、「高等学校」の卒業者や在学者がどれくらいの比率にあるのかを、「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議(第1回)」(平成2610月)(参考資料4:実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する基礎資料)から一部抜粋します。

参考資料4の17ページ(スライド番号15)に、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校、高等学校卒業者の産業別就職者数が記載されています。ここでは、教育・学習支援 と 医療・福祉を抜粋して、%を計算してみました。これをみると、医療・福祉では、専門学校の占める割合が33.8%と教育・学習支援の4.8%に比べて極めて高いことがわかります。

 

     ⑮教育、学習支援 

大学  30,622 (78.0%)

短期大学   6,228 (15.9%)

高等専門学校   11 ( 0.0%)

専門学校  1,880 ( 4.8%)

高等学校  497 ( 1.3%)

  39,238 

 

⑯医療、福祉 

大学     50,063 (37.2%)

短期大学   22,191 (16.5%)

高等専門学校   11 ( 0.0%)

専門学校   45,438 (33.8%)

高等学校   16,734 (12.4%)

134,437 

 

さらに22ページ(スライド番号20)から27ページ(スライド番号25)までに、学校基本調査に基づく「大学・短期大学・高等専門学校・専門学校の各分野の具体例及び関連する資格例として」の在校者数とその資格が記載されています。ここでは、公認心理師資格と関連のある保健、教育を抜粋してみます。

 

大学 

 保健253,183 9.9

 

 医学医学、医学類49,146 1.9 医師

 歯学歯学15,789 0.6 歯科医師

 薬学薬学、薬剤学、製薬科学、漢方薬学61,747 2.4 薬剤師

 看護学看護学、衛生看護学、保健看護学53,690 2.1 看護師

 その他保健学、放射線学、理学療法学、作業療法学72,811 2.8 診療放射線技師、理学療法士、作業療法士保健師診療情報管理士、医療情報技師

 

 教育166,980 6.5

 

 教育学教育学、教育心理学、産業教育学25,988 1.0 教員免許

 小学校課程小学校教員養成課程10,237 0.4 教員免許

 中学校課程中学校教員養成課程1,143 0.04 教員免許

 程中等教育教員養成課程3,014 0.1 教員免許

 養護学校課程養護学校教員養成課程82 0.003 教員免許

 幼稚園課程幼稚園教員養成課程160 0.01 教員免許

 体育学体育学、健康学、健康教育学、武道学31,097 1.2 教員免許

 障害児教育課程障害児教育教員養成課程149 0.01 教員免許

 程特別支援教育教員養成課程1,222 0.05 教員免許

 その他幼児教育学、児童教育学、教養学科93,888 3.7 教員免許

 

短期大学 

 保健12,462 8.3

 

 看護学看護、厚生、衛生看護6,418 4.3 看護師、助産師保健師

 その他放射線、栄養、理学療法学、作業療法学、言語聴覚療法6,044 4.0 診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士栄養士

 

 教育45,475 30.4

 

 初等教育初等教育、児童教育4,967 3.3 幼稚園教諭、小学校教諭保育士

 幼稚園教育保育、幼児教育、児童福祉学37,445 25.0 幼稚園教諭保育士

 体育体育、保健体育、健康・スポーツ学1,028 0.7 中学校教諭健康運動実践者、公認スポーツ指導員

 その他子ども2,035 1.4 保育士、幼稚園教諭、小学校教諭

 

専門学校 

 医療関係194,439 34.4

 

看護看護、高等看護90,397 16.0 看護師

 准看護准看護634 0.1 准看護師

 歯科衛生歯科衛生13,234 2.3 歯科衛生士

 歯科技工歯科技工2,879 0.5 歯科技工士

 臨床検査臨床検査3,932 0.7 臨床検査技師

 診療放射線診療放射線、放射線、レントゲン2,481 0.4 診療放射線技師

  はり・きゅう・あんまはり、きゅう、鍼灸マッサージ12,515 2.2 あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師

 柔道整復柔道整復、柔整16,155 2.9 柔道整復師

 理学・作業療法理学療法、作業療法、リハビリテーション35,473 6.3 理学療法士、作業療法士

 その他医学技術、視能訓練、保健師、助産師16,739 3.0 言語聴覚士、視能訓練士、助産師保健師

  

 教育・社会福祉関係38,101 6.7

 

保育士養成保育、保育士9,343 1.7 保育士

 教員養成幼児教育、幼稚園教諭、養護教育4,248 0.8 幼稚園教諭

 介護福祉介護福祉16,217 2.9 介護福祉士

 社会福祉社会福祉4,658 0.8 社会福祉士、精神保健福祉士、訪問介護員

 その他ボランティア3,635 0.6 TOEICTOEFL

 

※区分、学生数、構成比については文部科学省「学校基本調査」より 

 

教育での専門学校に在席する学生で、教員養成に関しては取得する免許は幼稚園教諭に限られている(栄養教諭も専門学校での養成があるようですが)ことがわかります。すなわち、小中高特別支援学校の教員の養成は「大学」で行われていて、「専門学校」ではないのです。

 

ここで、学校の教員は、「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」(教育基本法9条)と定義されています。

すなわち、臨床検査技師法、理学療法・作業療法士法などは、その業は「〇〇検査、〇〇療法を行うを業とする」と記載されており、「実践的な職業教育、専門的な技術教育」(文部科学省Hpより)の機関である専修学校での養成も適している考えられるのに対し、

一方で、小中高特別支援学校の教員の養成は、人への「教育」の営みのため、技術教育、職業教育に特化する養成は適切ではないのです。

 

もし「心理検査技師」や「心理療法師」であれば、実践的な職業教育、専門的な技術教育の教育機関も適切かもしれません。しかし、公認心理師の第1条と第2条はそうではないのです。一方、社会福祉士、精神保健福祉士の業は、「相談」や「援助」であり、公認心理師法の第2条の2と3に類似しています。

しかし、公認心理師法には、第2条4「心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。」が置かれていることが異なる点です。

すなわち、公認心理師の専門性は、医療・保健、福祉に特化した資格ではなく、「国民への心の健康に関する教育」が含まれているのです。学校の教員の養成が大学で行われてきたことから、公認心理師養成はその目的と業から、大学の養成でなければならないのです。

そして、ワーキングチーム素案(2017413日開催、第3回検討会)に、大学院の科目に「心の健康教育に関する理論と実践」が置かれています。

7回ワーキングの議事録が公開されています。北村座長は「新しく追加として教育ですが、臨床心理士の方が学校現場あるいは地域の集まりとか、そういうところでクライアントではない人たちに、心の健康の重要性を教えるというような場面が多いように思いますが、その際に、教育に関する理論と実践のようなものを学んでおいたらどうかという御意見と理解しています。」と述べています。

公認心理師養成で、真に「国民の心の健康の保持増進に寄与」を実現できるよう、検討委員会の座長はじめ委員の先生方に大いなる期待をしております。

 

そして、臨床心理士資格は、さらなる展開の時代を迎えると思います。それは、心理療法の国家資格をにらんで、大学院・臨床心理士養成コースで学んだものが、修了後、2-3年で、心理療法による事例を数例とりまとめ、面接試験を受けるといった制度(仮称・専門臨床心理士)を発足させてはどうでしょう。

 

公認心理師法
 (目的)第一条 この法律は、公認心理師の資格を定めて、その業

務の適正を図り、もって国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とする。
 (定義)第二条 この法律において「公認心理師」とは、第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。
 一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
 二 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。


臨床検査技師に関する法律

(目的)第一条  この法律は、臨床検査技師の資格等を定め、もつて医療及び公衆衛生の向上に寄与することを目的とする。
(定義) 第二条  この法律で「臨床検査技師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床検査技師の名称を用いて、医師又は歯科医師の指示の下に、微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査、病理学的検査、寄生虫学的検査、生化学的検査及び厚生労働省令で定める生理学的検査を行うことを業とする者をいう。

とその目的と定義(業)が記載されている。

 

理学療法士及び作業療法士法

 (この法律の目的)

第一条  この法律は、理学療法士及び作業療法士の資格を定めるとともに、その業務が、適正に運用されるように規律し、もつて医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条  この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。

 この法律で「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。

 この法律で「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者をいう。

 この法律で「作業療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行なうことを業とする者をいう。

 

社会福祉士及び介護福祉士法

(目的)

第一条  この法律は、社会福祉士及び介護福祉士の資格を定めて、その業務の適正を図り、もつて社会福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条  この法律において「社会福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者(第四十七条において「福祉サービス関係者等」という。)との連絡及び調整その他の援助を行うこと(第七条及び第四十七条の二において「相談援助」という。)を業とする者をいう。

  この法律において「介護福祉士」とは、第四十二条第一項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であつて、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」という。)を業とする者をいう。

 

精神保健福祉士法

(目的)

第一条  この法律は、精神保健福祉士の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって精神保健の向上及び精神障害者の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条  この法律において「精神保健福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、精神保健福祉士の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 (平成十七年法律第百二十三号)第五条第十六項 に規定する地域相談支援をいう。第四十一条第一項において同じ。)の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うこと(以下「相談援助」という。)を業とする者をいう。

 

  医師法

第一条  医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

 

薬剤師法

(薬剤師の任務)

第一条  薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

 

2017年4月17日 (月)

公認心理師について(26)専修学校+実務経験?養成(2)

Τακäħjrö Ιŋøüéさんが、社会福祉士、精神保健福祉士などの法をツイートしてくれました。社会福祉士や精神保健福祉士は、専修学校での養成が含まれています。そして、その目的と定義は、公認心理師と類似する点があります。そのため、公認心理師養成も、専修学校を含むべきだ!との論理が成り立つのでは?という意味かなと推測しました。

しかし、医師法と薬剤師法を併せて読むと、公認心理師は、大学+大学院養成が、公認心理師法の第1条・第2条から、妥当であることがわかります。

どうわかるんだという声が聞こえますが、これは、みなさん、いっしょに、結論をだしていきましょう。どうぞ、ブログのコメントにご意見をお寄せください。

 

社会福祉士及び介護福祉士法

(目的)

第一条  この法律は、社会福祉士及び介護福祉士の資格を定めて、その業務の適正を図り、もつて社会福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条  この法律において「社会福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者(第四十七条において「福祉サービス関係者等」という。)との連絡及び調整その他の援助を行うこと(第七条及び第四十七条の二において「相談援助」という。)を業とする者をいう。

  この法律において「介護福祉士」とは、第四十二条第一項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であつて、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」という。)を業とする者をいう。

 

精神保健福祉士法

(目的)

第一条  この法律は、精神保健福祉士の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって精神保健の向上及び精神障害者の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条  この法律において「精神保健福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、精神保健福祉士の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 (平成十七年法律第百二十三号)第五条第十六項 に規定する地域相談支援をいう。第四十一条第一項において同じ。)の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うこと(以下「相談援助」という。)を業とする者をいう。

 

  医師法

第一条  医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

 

 

薬剤師法

(薬剤師の任務)

第一条  薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

 

公認心理師について(25)専修学校+実務経験?

2017年4月13日に第3回公認心理師カリキュラム等検討会が開催され、
資料3 公認心理師法における「その他その者に準ずるもの」(たたき台)
のなかに、「大学において必要な科 目を修めて卒業した者」が、
「○大学において法第7条第2号に規定する大学における必要な科目を修めて、 飛び入学制度により大学院への入学を認められた者
○専修学校の専門課程において法第7条第2号に規定する大学における必要な 科目を修めて卒業した者」
 
と掲げられ、「大学」だけでなく「専修学校」も公認心理師養成に参画する(たたき台)が公表され、twitterで議論騒然となっている。
 
専修学校の卒業者の方が大学の卒業者よりも就職率が良いことが報告されており、どちらが上位というのではない。大学にもっと職業教育をいれるべきという意見もあり、双方のメリットとデメリットがある。
 
 
学校教育法に定められているように、大学と専修学校では、人材育成の目的が異なることを把握して、公認心理師カリキュラム等を検討してほしい。
 
ここで、「大学」と「専修学校」の違いは「学校教育法」に記載されている。
 
学校教育法
第八十三条  大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。
第百二十四条  第一条に掲げるもの以外の教育施設で、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として次の各号に該当する組織的な教育を行うもの(当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるもの及び我が国に居住する外国人を専ら対象とするものを除く。)は、専修学校とする。
 
 
文部科学省のHp.によれば
「専修学校は、昭和51年に新しい学校制度として創設されました。学校教育法の中で専修学校は、「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図る」ことを目的とする学校であるとされ、実践的な職業教育、専門的な技術教育を行う教育機関として、多岐にわたる分野でスペシャリストを育成しています。」
と記載されている。
 
 
対人援助の国家資格としては、医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、看護師などがあるが、専修学校でも養成しているのは、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師などである。
 
例えば、臨床検査技師に関する法律によれば、
(目的)第一条  この法律は、臨床検査技師の資格等を定め、もつて医療及び公衆衛生の向上に寄与することを目的とする。
(定義) 第二条  この法律で「臨床検査技師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床検査技師の名称を用いて、医師又は歯科医師の指示の下に、微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査、病理学的検査、寄生虫学的検査、生化学的検査及び厚生労働省令で定める生理学的検査を行うことを業とする者をいう。
とその目的と定義(業)が記載されている。
 
 
一方、公認心理師法では、
 (目的)第一条 この法律は、公認心理師の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とする。
 (定義)第二条 この法律において「公認心理師」とは、第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。
 一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
 二 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。
と記載されている。
 
 
もし、「公認心理師」ではなく、「心理検査技師」であれば、「専修学校」での養成も考えられるかもしれない。しかし、公認心理師の目的と定義からして、専門的な技術教育に重きを置いた専修学校は適合しないことは明かである。
 
精神科団体の委員に、心理の多くの委員から、「公認心理師」であって「心理検査技師」ではないことをはっきり伝えてほしい。また、公認心理師カリキュラムをとりまとめている厚労省・文科省の官僚は、法の体系から、適切な養成となるようにたたき台を修正していただきたい。

2017年3月10日 (金)

公認心理師について(24)医療委員による研修プログラム

公認心理師カリキュラム試案が第7回ワーキング会議資料として掲載されています。
そのなかで、中嶋委員による学部卒+実務経験コースの研修プログラム案が提示されています。それをみると、公認心理師資格取得後の医療機関での勤務スケジュールのように思えてなりません。
 例示の1週間のスケジュールをみると、リエゾン(身体疾患のある人への心理支援活動)ミーティング、個別相談、ものわすれ外来、緩和ケアと一日のスケジュールがびっしり書かれています。
 
①それらの活動についてのSVの時間が記載されていません。夕方以降、指導者によるSVがあるのでしょうか。
 
②大学院9科目に対応する履修はいつするのでしょうか?やはり担当の指導者がするのでしょうか?大学院担当教員には業績審査があります。それに対応する指導者の業績審査はあるのでしょうか?
 
③教育分野の学外実習はだれが手配するのでしょうか?学外実習の指導はやはり指導者がするのでしょうか?
 
④指導者には手当がでるのでしょうか?手当がでなければとてもではないですが、それを引き受ける人はいるでしょうか?病院管理者の命令であれば引き受けざる得ないのでしょうか?その手当は税金から支出されるのでしょうか?
 
⑤本学大学院では、1学期に修士1年は学部生にcl役を協力してもらい試行カウンセリングを経験してもらい逐語を起こしSVを受けます。それにパスすれば、相談室でのケースを担当できます。それはclを守る手順でもあります。相談料はとりますが大学におさめられ、学生は授業料を支払います。clには、相談を受理するときに、そういったインフォームドコンセントをします。有給の実務経験者(心理士との名称?)は個別相談等で患者さんにどのようなインフォームドコンセントをするのでしょうか?
 
こういった疑問がわいてきます。それなら、香川大学のように、医学部に学部・大学院を設置すれば、いいのではないでしょうか。

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