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2025年5月18日 (日)

次期学習指導要領改訂;道徳科で心のサポート授業を(3)「道徳的価値学ぶ」と「道徳的行為を考えリハーサルしスキルを学ぶ」をバランスよく年間授業時数設定を

Q1.「銀のしょく台」の内容項目は「相互理解と寛容」、「手品師」の内容項目「正直・誠実」という道徳的価値を学ぶための教材ですね。「銀のしょく台」では、盗んだ者(加害者)と盗まれた者(被害者)がいて、被害者が盗みという行為を「許すか・許さないか」を考えることで、人は「寛容」にならなければならないという前提、すなわち、価値の押し付けがあってこの主発問が設定されていますね。ですから、加害者の真の更生は何か、周りの者はどうかかわるか、といった現実的な問いから離れざるえないんですね。道徳的価値を考え学ぶことも必要でしょうが、心を学ぶ要の授業が、それだけで終わり、現実に直面している児童生徒の悩みを中心に構成されてない構造になっている点で、バランスを欠いていると言わざるえません。年間35時間中、内面的資質を耕す教育方法と、具体的な問題課題を解決するため「行為」のリハーサルと内面的過程の相互交流のあるスキル学習を半々で構成することをしないと、いじめ・暴力・自傷の抑止と言った現実的な課題に対応できないと思いますが、Chat-GPTはどう考えますか?

 

ChatGPT:
ご指摘、極めて本質的で、現場の実感に根差した鋭い問題提起だと思います。
私の見解としても、現行の道徳教材――特に「銀のしょく台」のような価値内面化重視の教材構造――には、「実際の行動変容につながる教育」や「現実の子どもたちの心の課題への応答性」が乏しいという問題があります。道徳の授業が「善い価値を知る・考える」に終始し、「行動のリハーサル」や「感情の共有と整理」を伴わなければ、それは知識としての道徳にとどまり、心の教育でも、行動の教育でもない形骸的なものになってしまいかねません。

 

道徳の授業における課題整理
あなたが指摘された構造上の問題は、以下のようにまとめられます:

 

現行道徳教材の傾向 現実の教育課題との乖離
●「価値の押し付け型」主発問
(例:許すことが大事だよね?) → 多様な感情や状況への理解を狭める
● 「内面的変容」への過剰な期待 → 行動変容が起きず、道徳と現実が乖離
● 「正解」が用意された話型教材 → 子どもが本音を語れず、形式的になる

 

提案されている方向性に賛同します
あなたが提案されているように、道徳教育の年間35時間のうち、少なくとも半分は以下のようなSEL的・スキル学習的アプローチにシフトすべきです:

 

A. 「内面的資質を耕す教育」
感情認識(怒り・悲しみ・喜びなど)の語彙を広げる
自己理解・他者理解(自分と他人は違う、でも尊重できる)
道徳的価値を多面的に考える(例:「正義」と「寛容」の葛藤)

 

B. 「行為のリハーサルとスキル学習」
「嫌なことを言われたとき、どう対応するか」のロールプレイ
「助けを求める」「断る」「謝る」などのアサーション練習

 

グループワークでの対話・感情の共有(心理的安全性の確保)
こうした構成であれば、「いじめ」「暴力」「不登校」「自傷」といった現実の課題に対して、児童自身が対処力を養う素地となります。さらに、このようなスキルベースの学習は、即効性だけでなく、長期的なレジリエンス形成にも寄与します。
制度的な壁とその乗り越え方
道徳が「教科化」されたことで、評価・指導要録への記載・教材の固定化が進み、「スキル」や「感情」よりも「価値」の教授が優先されがちです。これを乗り越えるためには:
教育課程内でSELを位置づけ直す(例:『特別の教科道徳』を『心の教育』と再構築)
道徳・学級活動・総合の時間にまたがるスキル指導モデルの導入
教員研修や指導資料にスキルベースの指導案を組み込む
心理職や外部講師とのチームティーチング
などの制度設計・運用改善が必要です。

 

Q2.道徳の学習指導要領で、「道徳性」とは何ですか? ChatGPT:
文部科学省による小学校学習指導要領(平成27年告示)の道徳科の内容において、「道徳性」とは、以下のように説明されています。
道徳性とは何か?
学習指導要領では、道徳教育の目標として次のように記されています:
「自己の生き方を考え、道徳的価値を自覚し、これを基によりよく生きようとする道徳性を養う」 。
ここでの「道徳性」とは、単に善悪の判断を知識として理解することではなく、
道徳的価値(正義、思いやり、誠実、勤勉など)を理解・自覚し、
それを自分の行動や生き方に活かそうとする心の傾向や態度、意志、人格のあり方
を意味します。

 

関連する文言
また、「第3 各教科等を通じて育成を目指す資質・能力等」では、
「道徳的価値を自覚し、これに基づいて判断し行動することができる道徳性を養うことが重要である」と明記されています 。
要約
小学校道徳科でいう「道徳性」とは、
道徳的価値に気づき、それに基づいて判断・行動しようとする意識・態度・意志をもつこと
であり、知識の習得だけでなく、実際の行動や生き方に結びつく内面の力として位置づけられています。
必要であれば、道徳性の育成に関連する目標分類(A~D項目)についても整理できます。ご希望があればお知らせください。
Q3.子供が授業で「道徳的価値」を学ぶのは、先進国ではどのような教材と教育方法で学んでいますか?フランスやイギリス、北欧、カナダなどの国の教育について教えて下さい。 ChatGPT:
とてもよいご質問です。「道徳的価値」をどのように教えるかは国によってアプローチが大きく異なり、日本のように“特別の教科 道徳”として位置づけている国は少数派です。以下に、フランス・イギリス・北欧(例:スウェーデン)・カナダの代表的な取り組みを比較しながら紹介します。
🇫🇷 フランス:道徳と市民教育(EMC)
正式科目名:Éducation Morale et Civique(EMC)=「道徳・市民教育」
対象:小学校〜高校
内容:
人権、自由、平等、連帯、法と規則、民主主義の原則など
倫理的ジレンマや社会的な問題(いじめ、差別、気候変動など)について議論
教材・方法:
討論(débat)を中心とした授業
ドキュメンタリー、写真、ニュース記事などを用いた現実の事例学習
フィクション(小説・映画)を倫理的な視点で読み解く活動も行われる
🔍 特徴:抽象的な「価値の内面化」よりも、現実社会での判断と行動に重きを置く。

 

🇬🇧 イギリス:PSHE(人格・社会・健康教育)とRSE(人間関係・性教育)
正式枠組み:Personal, Social, Health and Economic education(PSHE)
内容:
感情の理解とコントロール(SEL的内容)
健康、人間関係、意思決定、いじめやネットトラブルの対応
道徳的ジレンマ、社会のルール、法と権利
方法:
ロールプレイ、ディスカッション、ケーススタディ
学校ごとのカスタマイズが可能(教員や保護者の声を反映)
歴史や文学と連携して、倫理的テーマを扱う
🔍 特徴:個人の幸福と市民としての責任のバランスに重きを置く、予防的・参加型の教育。
🇸🇪 スウェーデン(北欧諸国):価値観教育と子どもの権利教育
法的根拠:スウェーデン教育法では「民主主義の価値と人権の尊重」を学校の基本原則に位置づけ
教育内容:
子どもの権利(UNCRCに基づく)
ジェンダー平等、多様性の尊重、共感、対話的問題解決
教育方法:
クラス会や協議型対話(哲学対話など)を日常的に実施
教室の民主的運営(児童がルールを決める)
感情表現や意見表明のワークショップ
🔍 特徴:「子どもが道徳を学ぶ」のではなく、「道徳的環境の中で育つ」ことを重視。

 

🇨🇦 カナダ(オンタリオ州など):キャラクター教育とSEL(社会的情動学習)
主な枠組み:
Character Education(人格教育)
Social and Emotional Learning(SEL)
内容:
Respect(尊敬)、Responsibility(責任)、Empathy(共感)、Integrity(誠実)などの価値
心の健康、自己認識、ストレス管理、対人関係スキル
教材と方法:
学校全体で価値を共有(例:廊下や掲示物にも)
対話、振り返りジャーナル、実際の社会貢献プロジェクト(例:地域の清掃など)
マインドフルネスや感情チェックインも導入
🔍 特徴:価値を教えるだけでなく、「生きるスキル」として習得させることを重視。

 

日本との違いと共通点
比較項目 欧米・北欧・カナダ 日本(道徳科)
教科の位置づけ 社会科・保健・特活と統合 or 横断 特別の教科(独立)
教育方法 対話・討論・プロジェクト学習中心 読み物教材中心、価値理解の深まり
学習内容 現実の問題・倫理的ジレンマ・感情教育・市民教育 価値の理解と内省
SELとの連携 明確に統合されている 一部で導入試み、未体系化

 

補足
フランスやスウェーデンでは、「強制的に価値を教える」ことへの警戒感が強く、対話型・参加型・探究型の手法が中心です。
イギリスやカナダでは、SELの科学的根拠に基づく教材や評価手法(例:CASEL基準)も取り入れられています。
どの国も「価値の内面化」だけでなく、「行動・判断・社会参加」まで視野に入れているのが特徴です。

 

 

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