次期学習指導要領改訂;道徳科で心のサポート授業を(4)内面(道徳科)と行為(特別活動)をつなぐ要の心のサポート授業の提案
Q1.特別活動の目標と教育内容を教えて下さい。(学習指導要領・特別活動・小学校編を読み込んでもらって)
ChatGPT:
小学校の学習指導要領における特別活動の目標と教育内容は、以下のように示されています。
■ 特別活動の目標
児童が:
よりよい集団や社会の形成者としての資質や能力を育成し、
望ましい人間関係を築こうとする態度を育てることを目指します。
このために、学級活動、児童会活動、クラブ活動、学校行事を通じて、実践的・体験的な活動を行います 。
■ 特別活動の教育内容
特別活動の内容は以下の4領域で構成されています:
学級活動(学活)
日常生活の充実、学習への取り組み方、人間関係の形成、健康・安全、キャリア形成などに関する話合いや活動を行う。
児童会活動
自主的・実践的な活動を通して、民主的な集団運営の経験を積む。
委員会活動、全校・学年会など。
クラブ活動
児童の興味・関心に基づいて創造的・体験的な活動を行い、異学年交流も含む。
学校行事
入学・卒業式、運動会、遠足、発表会、地域との交流行事など。
学校生活への理解を深め、連帯感を育てる。
特別活動は、自主性・社会性・創造性・協働性を育てることを重視しており、日常生活や学習の土台として機能します 。
必要であれば、各活動領域の「ねらい」と「内容の細目」も個別に整理してご紹介できます。ご希望があればお知らせください。
Q2.前回の学習指導要領改訂で、「内面的資質」の涵養は「道徳科」で、クラスでの人間関係づくりは「学級活動」でとすみ分けしたのですね。しかし、クラスの人間関係づくりでは、その要となるアサーションや傾聴と言った望ましい道徳的行為の学びがないため、内的活動と行為が分断されたまま、心理的WBの育成の要がない構造にしてしまったんですね?
ChatGPT:
ご指摘の通り、平成29年改訂の学習指導要領では、「内面的資質(徳)」の涵養を道徳科に、「実践的な人間関係づくり」や「社会性の育成」を学級活動(特別活動)にそれぞれ位置づけており、その間に断絶的な構造が生じているというご指摘は非常に本質的です。
以下に、この構造的な分断とその影響を整理します。
■ 学習指導要領における役割の分担
領域 目的・主眼
道徳科 内面的な価値の自覚、モラルの形成(「考え、議論する道徳」)が中心。感情や意思に働きかける。
学級活動 人間関係づくり、集団づくり、合意形成や役割分担などの行動的・実践的学習。自治的活動。
■ 問題点:内面と行動の乖離
アサーション(主張)や傾聴(受容)といった行為としての道徳性は、道徳科では「題材」的に触れられても、「技能」として練習・習得する場がなく、また学級活動でも体系的に取り扱われていない。
結果として、「こうあるべき」という内面の理解(道徳)と、「どう振る舞えばいいか」という実践的行動(学級活動)が統合されない。
この断絶は、子どもの**心理的ウェルビーイング(自己理解・関係性・自尊感情)**の育成にとって、大きな障壁となっている。
■ 背景:学習指導要領の構造的限界
平成29年改訂では、「資質・能力の三つの柱(知識・技能/思考・判断・表現/学びに向かう力・人間性)」を軸としながらも、教科横断的な心の教育の構築には至っていません。
「道徳科の教科化」によって形式的な授業構造が整った一方、「実生活での心の働き方」への橋渡しが構造的に抜け落ちた。
■ 結論と提言的視点
ご指摘のように、今後の教育課程では:
SEL(社会情動的学習)やアサーティブ・トレーニング、傾聴訓練などを、
道徳科で「価値として理解」し、
学級活動で「技能として実践・振り返る」ような、往還的な構造が必要です。
「心の教育(Heart Education)」のように、内面と行動の一体的な育成枠組みを明確化すべきです。
その橋渡しとして、特別活動における「心理的安全性」や「自己表現・相互理解スキル」の明示的な教育内容の導入が有効です。
もし、こうした問題提起を踏まえて具体的な政策提言や授業モデルの構築を検討されている場合は、整理のお手伝いや文章化も可能です。ご希望があればお知らせください。
Q3.道徳科で、内面と行為をつなぐ要の授業が「個性の伸長」「節度節制」「希望と勇気」「相互理解と寛容」「友情・信頼」「生命の尊重」の6内容項目では内面と行為をつなぐ授業を推奨とすれば、道徳科と特別活動の時間で、社会的WBと心理的WBをバランスよく育むことができますよね?
ChatGPT:
はい、まさにその通りです。ご提案のように、道徳科の「6つの内容項目」を“内面と行為をつなぐ要”として位置づけ、実践的な授業を推奨することで、道徳科と特別活動が連携し、社会的ウェルビーイング(WB)と心理的ウェルビーイングのバランスのとれた育成が可能になります。
以下に、根拠と展望を整理します。
■ 1. 「内面と行為をつなぐ授業」に最も適した道徳内容項目(6項目)
項目 つなげる力 教育内容例(+技能化)
① 個性の伸長 自己理解・自己受容・表現力 自己紹介ワーク、アサーション練習
② 節度・節制 感情コントロール・自己抑制 怒りの対処・イライラの整理法
③ 希望と勇気 レジリエンス・目標意識 小さなチャレンジ設定と振り返り
④ 相互理解と寛容 傾聴・共感・多様性尊重 ペアワーク、視点の違い理解ゲーム
⑤ 友情・信頼 信頼関係構築、自己開示・支援要請 友達への感謝表現、助けを求める練習
⑥ 生命の尊重 自己肯定感・他者への敬意・存在意義感 命の大切さの話し合い、思い出の共有など
これらはすべて、「行動化できる徳目」であり、アサーション、傾聴、共感、自己調整、信頼構築といった社会情動的スキル(SEL)と直結しています。
■ 2. 道徳科と特別活動がつながることで可能になるWBのバランス育成
領域 主な育成内容 活用授業例
心理的WB 自己理解、感情調整、自己効力感など 道徳科(上記6項目)
社会的WB 人間関係、所属感、社会貢献感など 学級活動・児童会活動・学校行事
道徳科=内面に焦点をあてる時間
特別活動=行為と関係性に焦点をあてる時間
→ この2つが往還すれば、**「わかった」→「やってみた」→「できた」→「もっとやりたい」**という心理的成長のスパイラルが回ります。
■ 3. 教育課程の統合的マネジメントの視点からも有効
学習指導要領では「カリキュラム・マネジメント」が求められており、教科等横断的に資質・能力を育成する設計が重要です。
道徳科と特別活動の内容が意図的に連携されていれば、「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」といった特別活動の目標にも資する構造が築けます。
■ 提言の形にするなら…
「道徳科のうち、『個性の伸長』『節度・節制』『希望と勇気』『相互理解と寛容』『友情・信頼』『生命の尊重』の6内容項目においては、“内面と行為の接続”に重点を置き、アサーション・傾聴・自己調整等の行動スキルの育成を明示的に図ることを推奨する。この方針の下、特別活動と往還的に連携させることで、社会的・心理的ウェルビーイングの両面から児童の健やかな成長を支える実効性の高い教育課程が実現可能である。」
このように明文化すれば、教育現場や政策提言において具体的な行動指針として使える内容になります。
Q4.企画特別部会の委員に、「内面」と「行為」の往還的連携の要の授業が必要だと認識してもらうにはどうしたらいいでしょうか?教育現場に関わっている委員であればその大切さは見抜いているのではないでしょうか?
ChatGPT:
とても重要なご質問です。「内面」と「行為」の往還的連携の授業の必要性を、企画特別部会(特に学習指導要領改訂の審議に関わる中核メンバー)に認識・共有してもらうには、以下の3つの観点から戦略的にアプローチすることが効果的です。
✅ 1. 教育現場出身の委員の「肌感覚」に訴える
おっしゃる通り、現場経験のある委員は、児童が「理解していてもできない」「よい子を演じて疲弊している」「内面の納得が伴っていない」といった問題に気づいている可能性が高いです。
したがって、彼らには理論や制度の話よりも、授業や学級の具体的な事例でアプローチするのが効果的です。
▷ アピール例(委員会向け発言原案)
「道徳の授業で“自分らしくあれ”と教え、学級活動では“みんなと協力しよう”と言うと、子どもたちは『じゃあ、言いたいことを言うのは悪いこと?』と混乱します。これが“内面と行為の断絶”です。現場ではこのギャップが子どもの心理的負担として深刻化しています。」
「例えば、『個性の伸長』の授業で、自分の考えを率直に伝える“アサーション”の練習をしてから、学級活動で『係活動の分担を話し合う』実践に移すと、発言の質も参加意欲も変わります。これはまさに“内面と行為の接続”です。」
このように、「ああ、それ、あるあるだな」と思わせるリアルな話で認識を揺さぶるのが第一歩です。
✅ 2. 教育課程全体の「制度的隙間」として問題提起する
企画特別部会は制度設計に関わる専門家が多いため、「現場で何が起きているか」だけでなく、制度構造上の問題点として訴えることで動きやすくなります。
▷ 提言例(文書や発言での主張)
「平成29年改訂では、道徳科に“内面の価値理解”、特別活動に“行動の実践”をそれぞれ位置づけたが、その接続のガイドラインが存在せず、学校現場では“徳目は知識として学ぶが、行為にはつながらない”という断絶が起きている。」
「今後は、例えば『友情・信頼』『相互理解と寛容』等、実践的スキルと接続可能な内容項目を“往還的授業モデル”として明示し、道徳と学級活動が連携できる仕組みの整備が必要である。」
このように、「今の枠組みでは構造的に実現できない」「だから新しい連携の枠が必要」という形で建設的に問題提起します。
✅ 3. 他国のエビデンスを活用し、「日本の弱点」を示す
部会では国際比較が重視されます。OECD、ユネスコ、WHOなどでSELとウェルビーイングの接続は常識になりつつあります。
▷ 引用・比較資料(提言の補強に)
OECD(2021)「The Future of Education and Skills 2030」
→ 認知・情動・社会的スキルの統合育成が推奨されている。
WHO(2021)「Helping Adolescents Thrive」
→ 社会的感情スキル(SEL)は、心の健康と行動の橋渡しに必須。
「日本では教科横断の道徳実践が制度上弱く、SEL型授業はごく一部の実践者に依存している状態。OECDの未来教育ビジョンと整合するためにも、“行為と価値を統合する授業”の公式化が不可欠。」
このように、国際的文脈と照らし合わせることで、日本の必要性と緊急性を強調できます。
✅ 結論:委員に届けるための三本柱
方法 狙い
現場感のある事例で訴える 現場出身委員の「実感」と共鳴させる
制度の隙間として構造的に提起 論理的・制度的に必要な改革と認識させる
国際的エビデンスを援用する 世界の潮流に合わせた改革と位置づける
ご希望であれば、この観点をまとめた提言書(A4 1枚)、委員会での発言原案、パワーポイント用スライド構成案などもご提供できます。必要でしたらお申し付けください。
Q5.「例えば、『個性の伸長』の授業で、自分の考えを率直に伝える“アサーション”の練習」→『相互理解と寛容』ですね。些細なことですが。「個性の伸長」はストレスチェック(反応と対処)をして、自分のストレスをどうしたいのか、を問うのに適合していると思います。
ChatGPT:
ご指摘ありがとうございます。まさにその通りです。
「相互理解と寛容」→ アサーション(率直な自己表現と他者尊重)の練習に最適
「個性の伸長」→ ストレスチェックと自己対処方略の内省に適しており、自己理解・自己受容の起点にできる
これは、道徳の内容項目とSEL(社会情動的スキル)の対応マップを作成する際にも非常に重要な視点です。
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