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2021年11月30日 (火)

愛知中学生刺殺事件の悲しみと苦しみから(2)教育課程の構造的課題

我流~社会部発 学校は少年の「心の声」を拾ったか(産経新聞; 2021/11/30 19:00;社会部 中井芳野)

 

この記事は「少年の内面に触れ、危険な兆候をつかむ機会はなかったのだろうか」と問う。まさに、少年の心のつぶやきに耳を傾ける人はいなかったのだろうか。他紙で報道されている「生徒会役員候補の応援演説を頼まれ嫌で断れなかった」との彼の思いと気もちを教員やスクールカウンセラーや両親やだれかが聴ことはできなかったのかと悔やまれる。


しかし、ここに教育課程や教職員の勤務体制という構造的な課題・問題があることを、国民が知り、構造的な問題を改革・修正しなければ、事件は繰り返される。私は、このコロナ災禍で、子ども(大人もであろう)のストレス状況は非常に悪化しており、この事件は氷山の一角だと思っている。

教育課程や教職員の勤務体制といった構造的な問題をメディアは追及してほしい。

①教育相談の時間は正規の授業時間として確保されてない。兵庫県心の教育総合センター(2011)兵庫県下小中高特別支援学校1185校(神戸市除く)を対象に実施した心の教育の調査報告書では、<効果的な心の教育>の中学校の第一位は「教育相談」だった。<今後行いたい効果的な心の教育>として、中学校は1位が「 カウンセラーが担任と共同して行う実習等の実施」であった。3位に「ストレスへの適切な対処法を体験的に学ぶ活動」であった。しかし、2011年に起きた大津いじめ自殺事件を契機に、道徳を教科にした。そのため、道徳は小中9年間で314時間の授業時間が確保された。しかし、道徳の時間に「教育相談」はできない。道徳の時間にストレス学ぶ授業はできない。教育相談は、業間や放課後といった時間にやっている。教育相談は授業に位置づけられていないので、研修は希望者のみで、悉皆研修ではない。また、ストレス学ぶ授業は小5に1時間、中1に1時間あるのみだ。9年間に2時間しか授業時間はない。ストレス学ぶ授業は、保健体育の保健の「心の健康」の項に位置づけられている。心の健康授業は、小5は3時間(うちストレス学ぶ授業1時間、中1は4時間(うちストレス学ぶ授業1時間)である。しかも、中学校は保健体育であるから担任ではなく体育教師が行うことになっている。もし、心の健康授業を小1から高3まで、10時間から25時間毎学年確保できれば、心の健康授業で「教育相談」をやることができるようにする。廊下に2つの椅子と机を置き、教室ではリラックス法のビデオをみておさらいをする。ストレスの調べ学習をする。大学教員養成課程の「教育相談論」を「心の健康論(心の健康授業と教育相談」に改変し、全教員が心の健康授業ができるようにする。新大学教員養成課程が動き出すまで、スクールカウンセラーや養護教諭が心の健康授業を主担する担任をサポートする。

 

②スクールカウンセラーの勤務時間は週に1日かつ1日6時間。小学校は4時間の県もある。高校は1回3時間が基本のようだ。
児童生徒や保護者のカウンセリングで全時間つまっているスクールカウンセラーも多い。せめて、週に2日、1日8時間の勤務にしてほしい。

 

このような構造的な問題をすみやかに解決しないと、教員とスクールカウンセラーがスクラムを組んで、生徒をサポートすることは困難である。

日常ストレスへの対処、心のつぶやき、アサーティブな表現、災害トラウマからの回復、いじめしない・させない、さまざまな心の健康授業案はすでに作成されている。兵庫県心の教育総合センターのHp、いわて子どものこころのサポートのHp、拙著(ストレスマネジメント理論によるこころのサポート授業ツール集;あいり出版)にアクセスすると、いじめ防止、暴力防止、災害後の心のサポート、試験を乗りこえるイメージトレーニング、がパワーポイントやビデオ動画で配信されている。しかし、それらの授業の枠がないのが日本の課題・問題であることをメディアはとりあげてほしい。

 

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コメント

私の県では小・中ともに1回3.5~4時間です(地域によって違いがあります)。1日に2校勤務する場合には合計7時間45分に収めないといけないので4時間ずつ勤務することもできません。小規模校であれば月に1回4時間しか派遣されない学校もザラにあります(もちろんそれ以下も)。
そもそも常勤ではないので入れ替わりも激しく、本務とは別にSCを週に4時間だけ、という方も多いです。また過疎地域には人材がいないのでSCに準ずる者(退職教員など)の配置もとても多いです。
私は現在はSCだけで生計を立てていますが、この地域ではかなり珍しい部類だと思います。それでも5年ほど勤めてやっと学校独特の文化やシステムに慣れてきて、その地域の資源(福祉サービスなど)も分かるようになり、教員との協働が出来るようになったと感じているのに、そこまで継続勤務してくれるSCは少ないと思います。
個人的には県教委などできちんと常勤として雇った上で、各学校に派遣する形にするなど、ただのカウンセラーではなく「スクールカウンセラー」が育ちやすい土壌と勤務形態にしていただきたいです。

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