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2020年11月

2020年11月 5日 (木)

学術会議改革とともに教育再生実行会議などの委員選出方法の改革を

 学術会議の委員は確かに諸学会の学会推薦ではない。政府の有識者会議の委員も学術団体の推薦ではない。
例えば、道徳の教科化、いじめ対策、体罰禁止などを検討している教育再生実行会議の委員をみると、いじめ防止に取り組んできた心理学者は委員になっていない。
 阪神淡路大震災、神戸児童連続殺傷事件、東日本大震災、大津いじめ自殺事件を契機に、いじめ自殺防止を目的に、道徳を教科にしたが、なぜ、自殺防止に精神科医や心理学者が委員としてはいってないのだろうか。菅総理が学術会議の委員の選考の在り方を問題提議しているが、政府の有識者会議の委員の選定方法を同時に検討するべきではなかろうか。
 このコロナ禍で、コロナウイルスを学ぶ授業は、中3の保健しかない。コロナストレス禍でストレス学ぶ授業は、小5で1時間、中1で1時間しかない。いじめ、自殺は、ストレスと深く関係するのに、そういう学習指導要領になっている。10月17日に文部科学省は3つの感染症を参考に、コロナ誹謗中傷防止の動画教材を発信したが、それをどの授業で教えるかについての通知がない。一方現場教師は、子どものストレス、コロナへの不安に精いっぱい対応しようとしている。
 このコロナ禍で変えるべきは、有識者会議の委員の選定方法であろう。学会推薦枠、政府推薦枠、その両輪で構成し、真に、いじめ、自殺防止に寄与する有識者会議を設けてほしい。
 これは感染症対策の有識者会議の委員の選定にも言えることである。コロナ陽性者への誹謗中傷を止めるため、陽性経験者のストレス障害のリスクを下げる心のケアをシステム化するためにも、精神科医や心理学者の委員が必要ではないか。それも、関連学会推薦としてほしい。ほかに政府枠も作って一本釣りで委員を推薦することも必要だと思っている。
 日本には人材も方法(技術・科学力)もある。脆弱なのはそれらを活用するシステムである。
 菅総理が学術会議の委員の選出の再考を提案しているこの機会に、有識者会議の委員の選出方法を検討してほしい。

2020年11月 2日 (月)

アジア災害トラウマ学会第12回大会;WEB唐山大会参加体験記

2020年10月31日・11月1日、アジア災害トラウマ学会が1976年唐山地震の唐山市で開催されました。会場に参集した参加者とアジア各地からのWEB参加者により運営されました。
初日午前中は、创伤后应激障碍的临床表型与应用 王力(中国科学院心理研究所)、唐山大地震、汶川大地震后的心理问题及干预 沈振明(唐山市精神卫生中心、唐山市第五医院院长)などの講演がありました。王力先生は、四川大地震の経験者から記述データを集積し、それに基づいて、中国オリジナルなPTSD尺度作成されました。マヒと回避が別の因子になること、身体症状の因子がDSMとの違いであると述べました。私たちがトラウマ性記憶の特徴が「マヒと再体験」であり、トラウマ記憶と関連するトリガー(それ自体安全な刺激;例えば「津波」「地震」「レイプ」といった言葉)を避けること(回避)で再体験反応が生じないようにする機制があると提案してきたことと一致します。また、アジアの人々は身体症状としてトラウマ反応を表現するという臨床実感とも一致していました。
沈振明先生は、唐山地震後に生まれた人に精神障害の有病率が高いことを大規模な調査研究の結果を発表しました。これは、東日本大震災から10年が経過しようとしているわが国にとって大変貴重な調査結果です。
私は初日午後、新型コロナ禍における子どものストレスと心理健康教育のシンポジウムで発表しました。兵庫県教育委員会小中高約4万人のストレスチェックの結果とコロナ陽性者への誹謗中傷防止授業の小学5年のクラスでの実践例を発表しました。そして、中国では陽性者への誹謗中傷があるのか、心理健康授業は年間どれくらい行われているのかを李先生に質問しました。
李春江先生が担当している学校は、中小学校学生(児童生徒)3500人、教職員328人、国家心理カウンセラー2級資格取得教員10人、3級資格取得教員52人がいるそうです。ネット上にデマ情報。心理健康教育は道徳の一環として取り組まれています。オンライン授業を展開してきたようです。政府の書類をもとに、マスクの正しい使い方、コロナを防ぐとともに、肥満、インターネット依存を防ぐ。コロナ感染者への手紙をテーマ。ある中学生が手紙を書きました。医療従事者をめざす学生が増えた。私も医療従事者になろうとネット上で発信。コロナウイルスを防ごう。不安も蔓延。緊張が高まっている状態では映像はむずかしい。書くのは慣れている。学校の先生がオンライン授業している風景。先生も知恵をだしている。父親のカメラをかりてオンライン。体育教師、家でもやれる体育ネットで披露。大学生ボランティアも参加。学生ボラは大活躍。6月1日学校復帰。コロナ期間中の学生ボラを表彰。正しくコロナを発信優秀賞。家にいても正しくコロナを防ぐ方法を取り組むことができる。6月以降、ポストコロナの心理援助、不安の対処方法を、学校復帰後の心理健康調査、1400人のうち、0.72%が周囲に感染者がいたようです。家族や自分が感染したらどうするという心配。コロナ前に心理援助12% コロナ期間後のフォロー10%してほしい。9月1日から学校正常化。唐山市での新型コロナ感染者はほとんど確認されてこなかったが、WEB授業での休校が続いたようです。コロナに向き合う授業をしっかりやってきたようです。
唐山市心理健康教育授業は、年間18コマ、心理健康教師がWEB授業を実施してきました。学生(児童生徒)に心理健康委員。サポートの必要な学生をピアサポートシステムです。道徳のもとで心理健康授業を実施。道徳と心理健康の授業時間年間で半々なのでしょうか。確認できずに残念です。日本は心の健康小中9年間で7時間です。道徳314時間。溜息がでます。

2日目は、刘正奎先生、四川大地震以来の友人です。中国科学院心理研究所での取り組みを発表されました。Wechatによるメンタルヘルス調査研究、中国におけるコロナ禍での中国全土の心理援助システムと武漢での心理援助の実践を発表されました。メンタルヘルス調査研究も次々に発表しているようです。FangfangShangguana1XiaoQuana1WeiQianbc1ChenhaoZhouaChenZhangaXiang YangZhangbcZhengkuiLiubc Prevalence and correlates of somatization in anxious individuals in a Chinese online crisis intervention during COVID-19 epidemic. Journal of Affective Disorders Volume 277, 1 December 2020, Pages 436-442.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0165032720326409

武漢現場心理援助では、金銀譚医院に駆け付け、2種類の患者に心理援助と危機介入をしたそうです。長陽患者(症状ないがウイルスをもっている、どうして症状ないのに),快復患者(今の生活は?)の2種類の患者に心理援助を行ったそうです。また、医療スタッフのストレスは甚大で、12月29日からずっと病院で寝泊まりして今年の5月に家に戻ったそうです。半年間病院で働くことは、大きなストレスをもたらしていました。医療の従事者への介入と心理健康研修を15日間隔離されて家に戻れる、その15日の間に講座を行ったそうです。冬に疫情(新型コロナ)発生する可能性高いので心理状態が崩れないように今準備しなければならないといわれました。

郁之虹先生(武漢大学社会学院;社会福祉専門家)の発表は、インターネットを駆使して、WEB支援システムを構築、現地のコーディネーターと協働支援の実際を報告されました。1月20日武漢閉鎖、外出できず、多くの人はWechat使っていました。医療資源限られていました。せき込む人が病院に殺到し、医療崩壊が起きました。お年寄りはオンラインは無理で、支援者も武漢に入れませんでした。助けを求める声が多かったです。快復した患者さんたちのグループや支援の実際が紹介されました。
郁先生の講演を聴きながら、日本の新型コロナで闘病された方、回復された方たちへの心のケアサポートシステムを私たちは構築してきてないのではと思いました。語りがたいトラウマ体験はストレス障害のリスクです。後遺症が報告されるなか、政府レベルの心のケア支援システムの構築が急がれると思いました。

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