Googleフォームでつくる学校版「健康アンケート&連絡ノート」試作
#2020.5.19 感染者数が減ってきて、緊急事態宣言発令中の8都道府県も登校再開がまじかになってきました。オンライン教育の設備が整わない地域は、分散登校から開始するようです。この4か月半、登校せずに、自宅で過ごす中で、からだの健康だけでなくストレスや心の健康が心配されます。登校時間も少ないなか、児童生徒の健康状態を担任・養護教諭・スクールカウンセラー・管理職が把握して、電話相談などで、個別にサポートする体制を整える必要があります。そのためには、保護者さまとの連携が不可欠です。健康チェックをする際も、必ず、事前に保護者さまにお知らせして、保護者さまからの声をお聴きする体制をしっかりとることが大切です。この保護者さまへのお便り(案)は、昨年度まで小学校校長を務められ、今年度から熊本大学で教鞭をとっている大塚芳生先生が原案を作られました。健康チェックの実施方法は各学校で異なるかもしれませんので、各学校にあった文言に修正してお使いください。
#2020.5.11 「健康チェック&れんらくノート」のお願い文に、「テストではないこと」「やりたくなければやらなくていいよ」という記載を落としていました。
「この健康チェックは担任と保健の先生とスクールカウンセラーがみて、あなたの健康のサポートにつかいます。」
⇒「この健康チェックは、心とからだの健康について考えるためのものです。テストではないので、答えたくないときは、答えなくてもいいです。質問をみて、やるのは「いやだな」と思った人はやらなくてもいいですよ。担任・保健の先生・スクールカウンセラーがみて、あなたの健康のサポート(相談)につかいます。」
に変更しました。ほかのチェックリストは、任意であることを明記していましたのに、まったく申し訳ありません。「やらなければならない」といやな思いをされたお子さんや保護者さんがおられましたら、お詫びいたします。
ダウンロード - healthcheck20200511.pdf
ダウンロード - healthcheck20200511.xlsx
#2020.5.10 教育現場から、「生徒と学校の双方向メールはできない」「双方向のオンライン授業がいつからできるのかわからない」「生徒の健康・ストレスが心配」「5月中に分散登校日もうけるけど、授業する時間はない」という声を聴きます。「心とからだのチェックリストを登校日にやってもらうとして、どうすればいいんですか」「項目は変えていいですか?」という声も聴きます。
1.【ものさしは変えないで!】<ストレスチェック5項目は、東日本大震災後の被災県で5項目中4項目は毎年実施してきた19項目版、31項目版にはいっています。熊本地震後でのデータの蓄積があります。統一したチェックリストは、第1には個別支援のために活用しますが、第2には地域によるストレス状況の違いを検討できます。東日本大震災被災県の沿岸と内陸の結果をみると、あきらかに、当時0才だった児童が小1になったデータをみると内陸より沿岸の方がストレスがとても高いのです。長期の支援が必要だということがわかりました。これがばらばらの物差し(ストレスチェック)だと比較のしようがないのです。ストレスチェックは、ストレスを測るものさしですから、表現を変えてみようと変えてしまうと、比較ができなくなります。回答の仕方を変えるとちがうものさしになります。4件法を2件法にしてしまうと、もう比較ができなくなります。感染者の多い地域とそうでない地域でストレス得点は違うのだろうか?これを物差しがちがえば比べようがなくなってしまいます。なんとなく、感染者の多い地域の方がストレス高いよね、では教育政策もうてないわけです。(吉村大阪府知事見える化がんばってますよね。ものさし作ろうとしているからです)><ただ、項目を追加することは場合によってはいいかもしれません。でも先行の論文を確認したうえで、追加してください。このストレス反応5項目のベースになったのは、大塚芳生・藤野亮・木山邦博・竹永真也・種子永香織・馬場康弘・干川隆・永浦拡・冨永良喜(2019)熊本地震後の被災地の中学生を対象とした「心理教育のためのトラウマ・ストレス反応尺度12 項目版」の信頼性と妥当性の検討.ストレスマネジメント研究,15(2),46-52. 、「ストレスマネジメント理論による心とからだの健康観察ツール集」(2014、冨永良喜編、あいり出版)、「災害・事件後の子どもの心理支援ーシステムの構築と実践の指針」(2014年、冨永良喜、創元社)を確認してほしいと思います。
2.【生徒の回答はエクセルファイルに】児童生徒と学校の双方向メールがあればGoogleフォームが使えますが、学校はセキュリティを高めるために、一方向のメールシステムしか作ってません。双方向オンライン授業ができるようになればGoogleフォームを使えば、データを入力する手間がはぶけます。Googleフォームのスプレッドシートはエクセルファイルにダウンロードできるので、SPSSなど統計解析ソフトで、いろいろな検討ができます。例えば、せきエチケット(項目2)とストレス合計得点、勉強をする時間を決めている(項目5)とストレス合計得点はそれぞれ負の相関があるよ、と。でも、「せきエチケットしっかりやっているから、ストレスが低い」といった原因と結果、すなわち、因果までは言えないよね。どうすれば、因果がいえるんだろうね。と、中学生、高校生に科学的思考法を考えるきっかけにしてもいいですよね。(それにつけても、日本は健康教育の授業時間が少なすぎる!中国は道徳教師を訓練して、心理健康教師を養成してきた。道徳だけではだめでしょ。)<データ入力お手伝いしますよ>と申し出ても、「個人情報が・・・・」と。それで、学校でストレスチェックの回答を入力するとすれば、添付のように入力します。基本、列が変数、行が人(児童生徒)です。
ダウンロード - kokorokaradacheckdata.xlsx
#2020.5.2 教育現場から特に養護教諭の先生から子どものストレスや健康が心配との声が寄せられています。家庭学習を担任の先生が1週間分家庭訪問してドアにぶら下げて帰る、ないし、家庭学習課題を保護者さんに学校にとりに来てもらうなど、直接の対面をさけて、家庭学習をチェックして返すということをくりかえしている学校が多いようです。諸外国のようにオンライン教育をすぐに整備できればよかったのですがまだまだ日数がかかるようです。せめて5月中には全国どの学校もオンライン教育ができるようになってほしいです。NYは10日間でオンライン授業整備、中国もすぐにオンライン教育整備したそうです。でも日本の今の現実を受けとめるしかありません。これはこの10年間の教育システムの問題点がふきだしているといってもいいとおもいます。家庭学習でまず教えなければならないことは「新型コロナウイルスを知って対処を学ぼう」という健康学習です。なぜ、石けんで手を洗うとコロナウイルスがこわれるのか(流されるのではなく壊れる、不活性化する)小1にもわかるように教えなければなりません。
でも日本の学習指導要領では「健康授業」が全ての学年にしっかり時数が確保されていません。文科省は中3の保健に新型コロナウイルス対応の授業案を公開していますが小学生版は発見できません。文科省が小学生版を発信していればだれか教えてください。
いじめ自殺対応に道徳だけを教科化した誤りが、この危機に子どもの健康や命をおびやかしています。心の教育35コマ=「道徳25+心の健康10」の改革を!阪神淡路大震災・神戸児童連続殺傷事件を受けて心の教育が提案された結果、道徳の「心のノート」ができた歴史が今の「道徳の教科化」です。バランスを欠いた教育政策です。12年前四川大地震後に心のケアを中国に伝えにいって、中国は心理健康教師を養成し、心理健康授業を必須にしました。心理健康教師が「新型ウイルス対策と心理援助」WEB授業とWEBカウンセリングをやってきました。この10年、日本は健康教育もオンライン教育も世界の後進国になってしまいました。という歴史の一コマに今みなが立ち会っているのです。
その歴史の一コマを考えながら、目の前の子どもたちの健康をサポートしなければなりません。中国は心理健康教師を養成しましたが、養護教諭の制度はありません。日本は養護教諭とスクールカウンセラーがスクラムを組んで、子どもをサポートすることができます。日本には宝のような人材があるのです。ないのはその人材を活かすシステムです。だから、国民すべてが政治に関心をもたなければなりません。政党ではなく政治家個人をしっかりみましょう。それでもいなければ次の選挙で心ある人を推薦しましょう。
これまで発信してきた健康アンケート、一番目の項目が「眠れなくて・・・」だとあまりにつらいとスクールカウンセラーの新林智子さんがオリジナルで2項目を作成しました。この2項目は「毎日の楽しみをみつけている」「ごはんがおいしいなと感じる」です。この2項目はデータの蓄積がありません。ほかの項目は東日本大震災、熊本地震でのデータの蓄積があります。東日本大震災後の岩手子どもの心と健康観察チェックリストにもポジティブ項目をいれました。(「学校では楽しいことがいっぱいある」「友だちと遊んだり話したりすることが楽しい」ですから、この危機には使えませんよね)
家庭学習の教材の一番上に、このアンケートを添えて、子どもたちの健康をサポートしてほしいです。
#2020.4.29 メール交換ができず、一方的に休校延長通知が届く学校が多いようです。ZOOMやMicrosoftTeamsなどのオンラインコミュニケーションができてない学校が多いなか、せめて、電話以外の双方向性コミュニケーションツールを確保したいですよね。Googleフォームは、Gmailを学校スタッフが新規に登録すれば、その登録者のGoogleドライブのスプレッドシートに通信結果が保存され、それを担任や養教やスクールカウンセラーとシェアして、学級の児童生徒に担任の先生がお便りだすこともでき、時間差はあるけど、双方向コミュニケーションができますよね。はじめて、このシステムができた学校では、いきなり、ストレスチェックを送るのではなく、「こんななかでも楽しいなと思える活動はなんですか?」とか、何回か、担任・学校スタッフがやりとりして、眠れてるかな、イライラすることないかな・・などのストレスチェックを入れていった方がいいなーと思います。すでにやっているところの実践あればコメント欄に書き込んでください。みんなで工夫をシェアしましょう。
オンライン教育や学校と保護者がメールでやりとりできる学校は「健康アンケート&連絡ノート」をGoogleフォームで作って、
教師と保護者・児童生徒とのコミュニケ―ションをはかるといいと思います。
こういうソフトを購入しようとすると1校、30万円くらいするそうです。
Googleフォームの作成の仕方は、Youtubeで発信されていますので、簡単に作成できます。しかし、個人情報を扱うことになりますので、
名前のかわりにIDを配布して、それを名前欄に入力してもらうといいかもしれません。
試しに「健康アンケート&連絡ノート」をクリックして、入力されると、私だけが閲覧できるスプレッドシートでみれますので、子どもさんか保護者さんの連絡ノートに使用の感想などお寄せいただければうれしいです。Googleフォームはセキュリティに配慮して、コピーできないようになってますので、これを参考に各学校や教育委員会で作成することになります。
Googleフォームは無料で、Googleはセキュリティがしっかりしています。スプレッドシート(エクセルファイルにダウンロードできる)に児童生徒・保護者の声を集積でき、ストレス反応の高いお子さんには、スクールカウンセラーと養護教諭と教育相談担当と管理職で相談チームを立ち上げて、個別サポートをされるといいですね。
私学はオンライン教育をいち早く導入している学校が多いようです。公立学校もはやくオンライン教育を整備してほしいですね。
それと、「新型コロナウイルスを知って対処を学ぼう」は、オンライン授業でやってほしいですね。残念ながら、日本は健康教育の授業のコマがどの学年にもしっかり位置づけられてません。文部科学省は「道徳をはじめあらゆる教科で、新型コロナウイルスへの対処を学ぶ授業を実施してほしい」と通知してほしいですね。中国は心理健康授業が必須として中国全土で広がっていて、心理健康教師(スクールカウンセラー)による新型コロナウイルス対処の心理健康WEB授業とWEBカウンセリングをやってきました。
日本は、オンライン教育・健康教育の世界の後進国になってしまいましたが、教師やスクールカウンセラーの力量は高いです。
ないのは、すぐやれるシステムがないだけです。
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