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2019年12月

2019年12月18日 (水)

ストレスマネジメントによる心の健康授業(講演)案(2)高校での実践

最近、ある高校で、3学年の全生徒対象に、心のサポート講演会を行いました。
添付にあるパワーポイントをもちいて、生徒さんは、ストレスチェックリストで自分のストレスをチェックしてもらいながら、講演をすすめていきました。550人ほどの生徒さんは私語もなく、ワークに参加して、集中して参加してくれました。回収したストレスチェックの感想を読んで、生徒さんがストレスについて学びたいという欲求がつよいことを知り、日本の教育課程を見直して、心の健康授業が小学校1年からできる国にしてほしいと強く思いました。
道徳の時間も必要でしょうが、小学校1年から年に3コマ~5コマ、緊張や怒りとのつきあい方を体験的に学べる授業が求められています。
それは、「道徳」ではなく「心の健康」です。道徳教育+心の健康教育=心の教育 として、2030年の学習指導要領改訂で、実現してほしいと思います。生徒たちの感想です。「日本にいじめ・ぎゃくたい・体罰が多いのは、メンタルについてしっかり学んでこないからだと思いました」「ストレスについて考える機会はあまりないのでこういう機会があったのはすごくよいと思いました」「ストレスとうまくつきあってどう生きていくのかしっかり考えていきたい。相手のためにも自分のためにも」「初めてストレスのことについて考えて楽しかった」。
心ある政治家のみなさん、心ある官僚のみなさん、私たちも子どもたちの声を届けますので、どうぞ耳を傾けてください。お願いです。


ダウンロード - stresscheckhighschool.pdf


ダウンロード - stressmanagementlesson20highschool.pdf

2019年12月13日 (金)

元事務次官の息子殺害事件―医療・社会はなにができるのだろうか

痛ましい事件の裁判がはじまった。いくつか記事を引用するが、熊沢被告は「主治医に相談しなかった」と言っているのに対し、主治医は「暴力をふるう症状があった」と証言している点がわからない。このようなケースは、臨床心理士であれば、遭遇することであり、医療がどのようにかかわってきたのか詳細を知りたい。暴力が発生した時点で、警察に通報するように私だったら助言する。「警察沙汰になれば親子関係が悪くなるのはあきらかだった」とある記事に掲載されているが、どんなことがあっても、暴力はダメという鉄の壁の意志と、その暴力の背後にある悲しみに焦点をあてるかかわりがもとめられると思う。暴力がいつから起こり、家族がどうかかわり、医療や社会がどうかかわっていったのか詳細な家族史の情報がほしい。それが、同じような事件を防ぐ力になるのではないだろうか


 


以下記事を一部引用。


 


主治医は、英一郎さんを自閉症の一種であるアスペルガー症候群と診断していたと証言し。「栄一郎さんは思い通りにならないとパニックを起こし、暴力をふるう症状があった」と述べた。日テレNews24 20191212


 


熊沢被告は「主治医にアドバイスを求めるべきだった。息子にはつらい人生を送らせてかわいそうに思っている」と述べた。
この日は英一郎さんをアスペルガー症候群と診断した主治医も証人出廷。同症候群の成人患者への社会的支援が広がったのはここ数年のことで「熊沢さんは手掛かりのない中で(支援の)形を作り上げていったんじゃないか」と証言。熊沢被告の妻が鬱病で、長女が事件前に自殺していたことを明かし、「(熊沢被告は)1対3の介護のような状況だったので燃え尽きないようにと思っていた」と述べた。
産経20191212


 


5月25日、長男は自宅が「ごみ屋敷」となり、実家に戻ってきた。翌26日、被告が「ごみ片付けなきゃな」とつぶやくと、長男は「お前らエリートは俺をばかにしてる」と逆上し、被告の頭を壁にたたき付けるなどしたという。
 長男の主治医や警察に相談はしなかったといい、「ショックで余裕がなかった。息子を元の家の生活に戻すのが最優先と考えた」と述べた。
時事ドットコム 20191212


 


なぜ周囲に相談しなかったのか問われると、「警察沙汰になれば親子関係が悪くなるのは明らかだった。息子の主治医への相談は思いつかなかった。後悔している」と答えた。
東京新聞 20191212 


 


弁護側の質問に対し、主治医は長男を自閉症の一種であるアスペルガー症候群と診断していたとし「思い通りにならないとパニックとおこし暴力をふるう症状があった」と述べた。また「長男は通院をしなかったため、お父さんがかわりに通院をして薬を取りに来ていた。お父さんからの情報で長男の状況を判断していた」と証言。さらに「経済的支援をおこない通院も1回も欠かさなかった。ツイッターを通して長男の情報を知り知らせてくれていた。他の家族と比べても大変よく面倒を見ていて」大変敬意を持って支援のあり方を見守っていた」と述べ、被告の支援には頭が下がる思いだったと証言。
NNNストレートニュース 20191212


 


 


 

2019年12月10日 (火)

わが国のいじめ・自殺防止に欠けている政策(1)岐阜中3男子自殺事件

岐阜中3男子自殺「便座に頭突っ込み土下座」いじめを告発した女子生徒の手紙を担任教師がシュレッダーに
2019/12/ 9 12:22 特ダネ
を読むと、道徳の教科化、文部科学省の「いじめの早期発見早期対応政策」、厚労省・文科省の「SOSの出し方教育」だけでは、不十分ではないかと考えさせられる。
いじめをみていて助けなければと女子生徒は担任に「いっしょに戦ってください」と手紙を書いて訴えた。担任は、いじめ加害生徒を指導したので、ほかの教員と情報共有せずに、その手紙をシュレッターにかけた。
1.まわりの生徒がSOSをだしたのに、受けとめる大人が、SOSを軽く見ていた。→担任にいじめがトラウマストレスでありPTSDや自殺のリスクの知識があったなら。
2.いじめ加害生徒を「指導」したので、終わったと思った。→いじめ加害生徒の心の問題(家族背景、いじめ加害者のストレッサー)という認識があれば、ひとりで対応するのは無謀だとの認識があれば、同僚・上司・スクールカウンセラーに相談していただろうに。

教師やスクールカウンセラーの人材育成が重要である。そのためにも、小1から、心の健康授業を年間3~5コマを実施できるようにしてほしい。子どもも、暴力やいじめをしない・させない、いじめられたとき、いじめの事態を冷静にみて、自殺以外の対処法があることを小さいことから学ぶ授業時間を確保してほしい。

2019年12月 6日 (金)

SOSの出し方教育プログラム(2)もっとスクールカウンセラーの活用を

「SOSの出し方に関する教育」について、担任教師が知っておきたいこと

自殺総合対策推進センター・本橋豊先生の論文に、

平成28年4月に施行された改正自殺対策基本法に基づき、「SOSの出し方に関する教育」が進められることになりました。すべての児童生徒を対象に、地域を巻き込んで「自分を大切に、他人を大切に」という自尊感情の涵養と「つらい時には周囲の信頼できる大人に助けの声を出しなさい」という具体的スキルを身につけさせる50分授業を1回完結式で行うことを目指しています。また、授業の実施者は教師に限定せず、保健師などの外部講師などを活用することも推奨されています。具体的な実践モデルとしては、東京都足立区の授業実践が注目されています。

とあります。学校にはスクールカウンセラーがいます。この授業は、スクールカウンセラーと担任が共同に実施することが、その後の個別相談につなぐことができるので、そういうシステムのなか行うのがいいと思います。もちろん、地域の保健師さんがかかわることは、とても素晴らしいと思います。でも、週に1日は学校に来ているスクールカウンセラーを活用すべきです。

そして、授業案を事前に学校教師と打ち合わせ、事前に、児童生徒・保護者宛てに、授業の内容についてお便りをだし、授業終了後も、授業の内容をお便りでだすことが必要です。

そして、医療・医学の専門家には、いじめ・自殺防止に「道徳」をかかげるわが国の問題点を指摘し、道徳だけでなく、心の健康授業ができるように、学習指導要領改訂の2030年をにらみ、それまでは、道徳の時間に、内容項目に合致すれば、道徳の教科書から離れて、心の健康授業を校長・教育委員会の許可のもと実施できるように、働きかけてほしいと思います。

2019年12月 5日 (木)

SOSの出し方教育プログラムーいじめにあったときの相談行動を高めるために

厚生労働省と文部科学省は、子どもの自殺防止のための「SOSの出し方教育プログラム」を展開しているようです。

Googleで検索すると、金子・井門・馬場・本橋「児童生徒のSOSの出し方に関する教育:全国展開に向けての3つの実践モデル」の論文がネットに掲載されています。そして、東京都教育委員会の小・中・高校対応のDVDが配信されています。みると、ストレスマネジメント理論をベースに構成しているようです。

このような教育プログラムが国の政策として提案されていることを大変うれしく思っています。おそらく子どもの自殺がとまらない、増加している対策として、発信されているのでしょう。

私の研究室である学生が卒論で取り組んだデータによれば、中学生で、いじめられたとき家族に相談をする子どもは57%、担任には26%でした。

最近、小学5年生に、いじめにあったときの相談行動を高めることをねらいとした「心のサポート授業」を行いました。指導案とワークシートを添付します。

ダウンロード - bullyingdisasterpowerpoint.pdf

ダウンロード - bullyingdisasterworksheet.pdf

 

私が留意したのは、

①児童の相談希求を授業のはじめとおわりに求め、授業が児童の相談希求意識の変化をもたらしたか検討する(もちろん、アンケートの回答と実際の相談行動とは異なるが)。

②いじめが心身につよいネガティブな影響を与えることを災害ストレスを例に伝える。

③いじめられている子が相談しずらいのはア。教師に相談するとかげでいじめがもっとひどくなることを恐れているから イ。いじめられていることがはずかしい(自分にも問題があるとまちがったメッセージを抱えている)と考え、この2つを払拭することをねらいとし、いじめられている子役(スクールカウンセラー)と担任とのロールプレイをいれた。

④いじめは、いじめている人がいじめをやめれば、いじめはなくなるにもかかわらず、いじめをしている人が、どのようなストレス、どのような心理でしているかを取り扱った教材がほとんどないため、いじめをしている人の心理やストレスを考える時間をとった。

⑤いじめをしていた子がカウンセラーにいじめをみとめ、被害をうけていた子に謝罪するロールプレイをみてもらった。

いじめを中心になっているAさん(君)といじめられているBさん(君)に焦点をあてた授業とした。以前、周りのみている子がいじめの解決に力をもっているとのメッセージを送るために、周りの子どもにできることを考えてもらったが、過去にいじめていた子が「助けてあげないとあかんやろ」という声をきいて、「むかついた」といじめをされていた児童の感想があったため、AさんとBさんに焦点化した。

道徳の教科書には、いじめの教材が増えたが、残念なことに、いじめ加害をした人が被害を受けた人に心から謝罪をしたのかどうかわからないもの(卒業文集の最後の2行)があったり、いじめられている子にも問題があるような印象を与える教材まである。これでは、授業が二次被害を与えてしまう。

中国からの留学生がいいました。「中国は首飾りをつくるときまずひもを用意します。日本は玉を一つ一つみがきます」と。中国は四川大地震のあと、道徳とは別に「心理健康教育」を教科にして、小1から週1コマを必須としました。「SOSの出し方教育」がひとつの玉におわり、全国のどの学校でも実施されないうちに消えていくのではないかと危惧しています。それと、子どもにとってストレスは、試験・試合などもあり、メンタルトレーニングをどの子どもも授業で経験できる日本になってほしいです。また、自分がどのていどストレスをかかえているのか、ストレスチェックを、自分のストレスを知り良い対処法を学ぶための自分教材として提案することも、子どもが自分のストレスと真剣に向き合う機会になると思います。

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