神戸 教員・いじめ・暴力 子どもの心のケア
サンテレビの取材を受け、配信されています。
http://sun-tv.co.jp/suntvnews/news/2019/10/24/17165/
サンテレビは、ローカルテレビ局です。阪神淡路大震災後にも大変、息の長い取材をされてきました。また、犯罪被害者ご遺族の声を発信してきました。犯罪被害者遺族の会でであったサンテレのスタッフより取材依頼があり対応しました。
このニュースで流れなかったことは、子どもの心のケアの具体的な手順です。
カレーを食べられない、家庭科室に行くのが嫌だと、言える子どもは、周りの大人も心を配りますよね。この子たちのサポートはもちろん、声をあげることができずに、「こわい」思いをしている子どもたちに個別にどうかかわるかが大切です。
私は、神戸の学校には今かかわりがありませんので、どのような心のケア・心のサポートが展開されているか情報をもっていません。
私は、災害後の子どもの心のケアだけでなく、事件などの子どもの心のケアに携わってきました。
この事件は、信頼していた大人によるいじめ・暴力であり、その衝撃は計り知れないと思います。そこで、私が対応チームリーダーであったら、つぎのような心のケアを展開してはと教師らに提案するでしょう。
①心のサポート授業(心のケア授業)⇒②担任教師による個別教育相談⇒③スクールカウンセラーによるカウンセリング
を展開します。
①心のサポート授業
担任教師とスクールカウンセラー協働で行います。
この心のサポート授業で
a. 健康チェック(ストレスチェック)は何を使うか?
b. どのような時期に行うのか?
c. 危機的出来事にふれるか、ふれないか?
d. 事前にどのような配慮が必要か?
ここに添付したものは、小学4年生以上を対象にしています。
危機的出来事(おとなのいじめ)にふれています。
2つの健康チェック(ストレスチェック)を添付しています。一つは10項目です。健康チェック(ストレスチェック)は、私たちが東日本大震災後の被災地での子どもの心のサポート授業で活用している「心とからだの健康観察・19項目版(岩手県教育委員会)から9項目、熊本地震後に余震の恐怖に対応して熊本の学校心理士スーパーバイザーらと検討して作成した1項目(「こわくて、おちつかない」)から構成しています。もう一つは、5項目です。平時に、5項目のような健康アンケートをやって、眠りのためのリラックス法やイライラへの落ち着くためのリラックス法を学んでいれば、10項目版も負担なくやれて、より強いストレスへの対処法を学べるのですが、日本の学習指導要領では、小学校1年生から、そのような授業をやっている学校は皆無でしょう。
事前に、保護者に、この授業案やストレスチェックの内容を通知し、受けさせたくない場合は、担任に申し出てもらいます。
ダウンロード - kokoronocaretrauma10.pdf
回避がつよい(もう、聞きたくない、その話はいやだ)児童が多いときは、5項目の健康チェックがいいかもしれません。
ポイントは、スライド7、いかに、先生たちが、「学校を安全な安心できる場」にするかのメッセージです。
それと、残念なことに、わが国では、平時に、眠れないとき、イライラしたとき、どう対処したらいいかを学ぶ授業時間がないことです。このような指導案は、道徳の教科書には、一切載っていません。平時から、心の健康授業を、小学校1年生からできる日本にしなければならないと思います。教師がストレスマネジメント授業を、スクールカウンセラーと年間、3コマでも全クラスでできるようになると、教師自身が自分のストレスとどう向き合い望ましい対処法を学ぶ機会にもなるでしょう。そして、いじめ・暴力トラウマが、災害トラウマと匹敵するか、それ以上に、心身に打撃を与えるかを学ぶことになるでしょう。 1997年の神戸児童連続殺傷事件のあと、兵庫県教育委員会と神戸市教育委員会は合同で「心の教育緊急会議」を設置し、その会議によって提言された一つが、中学2年生の1週間の社会体験学習「トライやるウィーク」でした。それは、中学生と地域を結ぶ貴重な学習となり、20年を経てもなお事業が継続されているばかりか、全国に展開していきました。 もう一つ提言されたのが、予防的開発的な心の授業の開発でした。それを実現するために、兵庫県心の教育総合センターが設置され、さまざまな心の健康授業案(いじめ防止、暴力防止含む)が現場教師と大学研究者の共同で開発され、今日に至っています。しかし、残念なことに、それらの授業案が教育現場で実践されることは、ほんのわずかです。 一方、文科省は、心の教育の充実のために「心のノート」を作成しました。「心のノート」という名称だから、心の健康に関するページがあるかと思いきや、皆無でした。それは道徳の副読本を再編集した「道徳ノート」でした。 そして、2011年に起きた大津でのいじめを苦にした自殺事件を受けて、いじめ防止・自殺防止を標ぼうして、道徳を教科にしたのです。文科省は、道徳的行為に関わる体験的な学習、問題解決的な学習を取り入れてよいとしたのですが、8社から発行されている道徳の教科書は、読み物教材中心です。もちろん、内容項目によっては、ねらいを深めるために読み物教材が適しているものもたくさんあります。 22の内容項目の4つの視点(A主として自分自身に関すること、B主として人とのかかわりに関すること、C主として集団や社会とのかかわりに関すること、D主として生命や自然、崇高なるものとのかかわりに関すること)のうち、心の健康教育の方法論の方がねらいを達成できると考えられるものは、Aの「個性の伸長」「節度節制」「希望勇気困難を乗り越える」です。また、いじめ防止には、Bの「友情、信頼」「親切、思いやり」なども心の健康教育の方法論が活用できます。しかし、それらは、まず、道徳の内容項目ありきで、いじめ防止はどれにあてはまるかなとの論理で、いじめ防止のため子どもFirstの発想ではないのです。Cには法学の知恵をいれる必要があるでしょう。「道徳」という冠だから、道徳学者によって道徳の教科書が作成されるのは至極当然です。 しかし、いじめ防止・自殺防止を標ぼうするのなら、2030年の学習指導要領の改訂では、冠を「心の教育」とし、「心の教育」の下に「道徳教育」と「心の健康教育」を置き、年間20~25コマを道徳教育(法教育をいれる方がいいかもしれない)に、5~10コマを心の健康教育ができるように、次の学習指導要領改訂のときに実現してほしい。それまでは、道徳の22の内容項目のうち、心の健康教育の方法論が適用できる授業を各教育委員会は承認してほしい。


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