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2019年7月

2019年7月31日 (水)

自殺予防のために必要な教育は道徳教育ではなく健康教育です(2)自殺の中1男子生徒「先生から高校行けなくなる」

自殺予防のために必要な教育は道徳教育ではなく健康教育です

今朝、<自殺の中1男子生徒「先生から高校行けなくなる」>埼玉・所沢市の中1自殺 2018年7月中1男子が飛び降り自殺した問題、第三者委員会では、いじめはなかった、家庭の問題もない、「提出物が遅れた際に先生から高校に行けなくなると言われた」と周囲に話していたことがわかりました。友人らによると、男子生徒はひどく落ち込んでいたと。(テレ朝ニュース、2019年7月30日)

痛ましいニュースです。
これは、小1の道徳の教材「かぼちゃのつる」のルールを守らなかったら、痛い目にあうよという脅しの教育の延長線上にある教師のせりふです。この教師のひとことが適切でないことはあきらかです。しかし、脅しの教育を道徳の教科書に編纂している文部科学省、教科書編集委員、教科書検定審議会、それらに携わってきた人たちの責任でもあります。脅して人を動かそうとすることは誤りであるという認識をもたなければなりません。

ほかのニュースソースでは、この中学校では、一昨年、昨年に自殺が、そして今年の7月同級生殺害事件が起きているという。第三者委員会を立ち上げて、原因を究明すると報道されているが、まずやるべきことは、いじめ防止・自殺防止のプログラムを、小1から中3まで、作成し、児童生徒や保護者に概要を通知して、意見をもとめ、実施することである。

もし、小学生や中学1の1学期に、「心のつぶやきをキャッチしよう」という心の健康授業を受けていたら、と思う。とめることができなかったかもしれないが、ほんの少しでも、とめる力になったかもしれない。

私は、小6や中1の1学期に、こころのサポート授業(心の健康授業)の依頼があったとき、ワークシートに、心のつぶやきチェックリストをいれることにしている。

心のつぶやきを考えよう

1.「おはよう」とあいさつしたのに、友だちから返事がなかったら、あなたの心のつぶやきは?あてはまる数字に○をしましょう。
0まったくそう思わない 1ほとんどそう思わない 2あまりそう思わない 3少しそう思う 4かなりそう思う 5すごくそう思う
a.無視したな! 0 1 2 3 4 5
b.私、なにか、きらわれることしたかな?   0 1 2 3 4 5
c.聞こえなかったのかな?考え事してるのかな? 0 1 2 3 4 5

2.もしあなたが、「期末テストで良い成績がとれなかった」としたら、心のつぶやきは?あてはまる数字に○をしましょう。 0まったくそう思わない 1ほとんどそう思わない 2あまりそう思わない 3少しそう思う 4かなりそう思う 5すごくそう思う
a.先生の問題の作り方がわるかったと思う。 0 1 2 3 4 5
b.自分はどんなにがんばってもダメだと思う。 0 1 2 3 4 5
c.勉強の仕方のどこがよくなかったのだろうと思う。 0 1 2 3 4 5

これに、教師から叱責されたときの質問も加えるといい。

aは怒り、bは悲しみ、cは落ち着き

これは、出来事(ストレッサー)が感情や行動を引き起こしているというより、出来事を受けて、心のなかでつぶやいているつぶやきが感情や行動を引き起こしていることを学ぶ授業である。理論背景は、うつの認知療法をベースにしている。さまざまな出来事を受けて、「自分はなにをやってもだめ」「自分が悪かったから」「生きている価値がない」といった悲観的なつぶやきをする傾向があるかどうか、冷静に考える時間である。そして、ほかの考え方があることを学ぶ。

ストレスマネジメントをベースにした心の健康プログラムは心のサポート授業と自分を知るストレスチェック(調査ではなく)それを受けての個別面談体制から構成されている。東日本大震災被災地で、その一部が実施されて今日に至っている。ストレスの仕組みを学ぼう(ストレス対処)、心のつぶやきをキャッチしよう(受けとめ方・思考)、3つの言い方(非主張、攻撃、アサーティブ)、上手な話の聴き方(真剣・えらそう;ソーシャルサポート)をベースに、試験を乗り越えるイメージトレーニング、災害後の心のケアを学ぶ(トラウマ反応の意味と対処;いじめもトラウマ反応を示すので、即、いじめの対処を学ぶことになる)、いじめとストレス、親子ストレス、心が悲しみでいっぱいになったとき(相談希求を高める)などから構成されている。

それらは、「ストレスマネジメント理論によるこころのサポート授業ツール集」(冨永良喜編、あいり出版)に収録している。パワーポイントで授業案を構成しており、DVDにおさめている。DVDには眠りのためのリラクセーションや落ち着くためのリラクセーションなどのストレスマネジメント技法の動画も収録している。

わが国の学習指導要領では、保健体育に位置づけられており、小56の保健体育と中学の保健体育に心の健康の単元がある。残念なことに、
小学6年間でわずか3コマ、中学3年間で3コマしか正規にない。それらの縛りを乗り越える工夫を市教育委員会、県教育委員会が動かしていく必要がある。

いじめ防止も暴力防止も自殺防止も「道徳」にゆだねているのがわが国の教育政策の限界である。
政治家、文部官僚、研究者は心の健康授業が小1から年間5コマでいいので、正規にできるように学習指導要領を改訂してほしい。

特別の教科 道徳 道徳ではいじめ防止にならない(6)もうひとつの「かぼちゃのつる」

もうひとつの「かぼちゃのつる」のおはなし
()は、原作(大蔵宏之)での記載、ここでは削除を意味します。
【】は改変のせりふ。<>は改変の挿入。
ねらい:ふんずける(暴力)でない表現の仕方があることに気づく。
著作権の問題があり、改変は許されないかもしれません。しかし、道徳の教科書で、暴力を容認する教材になっているため、いじめ・暴力の防止を標ぼうする道徳にはふさわしくないと考え、あえて、改変編を発信します。

 

発問:先週の道徳では、「かぼちゃのつる」を勉強しました。『みつばちさんやこいぬさんはかぼちゃさんにもっとこんなふうにこえをかけてあげたらいいのに?』と思った人いませんか? 今日は、みんなでもうひとつの「かぼちゃのつる」のお話を考えましょう。
【】ははじめ空白とし、児童に、考えてもらい発表してもらう。発言がでつくしたところで、【】のせいふをはる。

 

おひさまが、まぶしいあさです。
かぼちゃばたけの かぼちゃのつるは、ぐんぐんぐんぐんはたけのそとへのびていきました。
「かぼちゃさん、かぼちゃさん。」みつばちがとんできて、こえをかけました。
【どうして、そとへのびたいの?】
(「そっちへのびてはだめですよ。そこはみんながとおるみちですよ。」)
(「そんなことかまうものか。」)
【ぼくの はたけは せまくて、きゅうくつなんだ!】
(かぼちゃはそういって、ききません。)
「かぼちゃさん、かぼちゃさん。」こんどはちょうちょがとんできて、いいました。
「あなたのはたけは、まだまだすいていますよ。そちらへのびたほうがいいですよ。」
「いやだい。ぼく、こっちへのびたいんだい。」
かぼちゃのつるはみちをこえて、すいかばたけにのびていきました。
「かぼちゃさん、かぼちゃさん。」すいかが、よびとめました。
「ここはわたしのはたけだから、はいってこないでくださいよ。」              
「ちょっとくらい、いいじゃないか。」かぼちゃのつるは、ぐんぐんすいかのつるのうえを、のびていきました。
「かぼちゃくん、かぼちゃくん。」こいぬがとおりかかって、はなしかけました。
(「ここはみんなのとおるみちだよ。」)
【このみちは、トラックもとおるみちだよ。けがしたらたいへんだよ】
(「またいでとおれば、いいじゃないか。」こいぬはおこってつるをふみつけました。)
(「ふまれたってへいきだい。」)
【え、ほんと?】<かぼちゃはつるをじぶんのはたけのほうにむきをかえました> そこへトラックが、ブルンブルンとやってきました。
<みつばちさんとちょうちょさんも、【あぶなかったね。ひかれなくてよかったね】とこえをかけました。> (そして、あっというまに、かぼちゃのつるをぷつりときってしまいました。)
(「いたいよう、いたいよう、ああん、ああん。」)
かぼちゃは、ぽろぽろぽろぽろなみだをこぼしてなきました。

 

※相手の気持ちや考えを知ろうとすることの大切さに気づく。
※なみだは、とてもたいせつなきもちの表現。小1では、うれしくてなみだができることを経験したことはないかもしれないが、おとなになるとうれしくてなみだすることもあることを伝える。

※高くつるをのばす方法(立体栽培)をみつばちさんやちょうちょさんが、ほかのかぼちゃばたけをみた経験を話し提案する。
※すいかさんの畑には、すいかさんの気持ちを考えた方がいいよとアドバイスし、かぼちゃさんが迷惑をかけてごめんね(謝るスキル)の大切さを学ぶ。
※ふんずけたり、トラックにひかれないで、かぼちゃの弦を伸ばしたい気持ちや考えを聞いて、望ましい行動があることをみんなで考えて提案するというストーリーを子どもたちが作っていくのを教師が応援する。

 

商品も欠陥がわかればリコールする時代でしょ。いつまで、こんな時代錯誤の指導案をまきちらかしているのでしょうか。
この教材を撤去するのが第一だが、掲載してしまった罪を道徳学者や出版社はわびて、子どもたちが望ましい体験ができるような教材に作り替えるのが、せめての企業倫理・研究者倫理ではないでしょうか。

 

 

2019年7月28日 (日)

いじめ・暴力防止とストレスマネジメント(1)こころのサポート映像集から 小学低学年教材

「特別の教科 道徳ではいじめ防止にならない」シリーズを発信していますが、では、どんな教材があるんですかと問われたら、
みんながアクセスできる教材に、東日本大震災後に文部科学省の助成で、社会応援ネットワーク制作・日本ストレスマネジメント学会監修の
こころのサポート映像集」があります。インターネットに掲載されてますので、ごらんください。
小学校低学年向け教材として、
 紙芝居「イライラしたときどうする?」作:坂上頼子先生
 紙芝居「ぞうのアリス」作:前田啓実先生
です。これらの教材も、道徳が教科化になったので、道徳の時間にできなくなったんでしょうね。

特別の教科 道徳 道徳ではいじめ防止にならない(5)かぼちゃのつる

小1の道徳の教材に、「かぼちゃのつる」がある。この教材、不思議なことに、どの出版社にもおさめられている?東京書籍、教育出版、あの光村図書にも?ネットに、文科省が「道徳の教科書会社にこの教材をいれるように指導した」と書き込みがありましたが、本当ですか?
ストーリーを、要約すると、「のびたいつるが、道に、隣のすいか畑に、伸びていく。こいぬが、ここはみんながとおるみちだよと、つるをふみつける。しまいに、トラックにひかれて大けがをして泣く。」
学習指導要領では、節度「健康や安全に気をつけ、物や金銭を大切にし、身の回りをととのえ、わがままをしないで、規則正しい生活をする」という価値をねらいとしています。しかし、<人に迷惑をかけたら、暴力(ふみつけられる)をふるわれても、大けが(トラックにはねられる)をさせられても仕方がない>というメッセージを送っていますよね。
これは、<人に迷惑をかえるといじめられても仕方がない>という誤ったいじめ正当化意識を醸成しませんか。
 心の健康授業で、「のびたいかぼちゃ」を扱おうとすると、伸びたい衝動・気もち・考えをまず聞くよね。そして、決して、暴力やいじめでない対応の仕方があるというストーリーに展開していく。もともと、かぼちゃの栽培には、広い土地が必要なようですね。どうして、伸びたいのか、犬さんもみつばちさんもかぼちゃの考えや気もちを聞くことが第一歩。みつばちさんが「そんなに伸びたいのは、かぼちゃさんの畑がせまいと思っているのかな?」と声をかけてあげる。上に伸びること(立体栽培)を提案するのもいいかもしれません。暴力やいじめではなく、アサーティブな表現の方法が必ずあることをねらいますね。
 道徳では、怒りや悲しみの感情とどう向き合ったらいいかということをとりあつかわない。「節度節制」(自己コントロール)は心の健康教育で扱ってほしい。しかし、日本の学習指導要領では、心の健康教育は、小学校5年生から。低学年では、心の健康の授業のコマがありません。高学年でも、小5・6の2年間で、わずか3-4コマですよ。いじめ・暴力への防止を考えるのなら、心の健康授業が小1から年間5コマでいいのでできるようにしてほしい。

2019年7月27日 (土)

特別の教科 道徳 心の健康教育とタッグを組める良い教材もある(1)大谷選手の目標達成シート

8社の道徳の教科書を、時間をみつけては、読んでいる。「これは、危ない!」と思う教材について発信してきましたが、

このシリーズでは、心の健康教育とタッグを組める良い教材を紹介していきたいと思います。

第一弾は、「小学校道徳5年 1夢を実現するためには(光村図書)」です。この教材では、現在大リーグで活躍している大谷翔平投手が高校時代に書いていた目標達成シートを紹介しています。これは、メンタルトレーニングの一手法で、ポジティブ心理学を活用しています。

私は、最近、ある中学校の3年生のクラスで、道徳の時間に、試験を乗り越えるメンタルトレーニングの授業を「希望と勇気、努力と強い意志」の内容項目に位置づけて行いました。まず、最近の勉強への集中度や試験当日の試験不安などの項目から構成された試験ストレスチェックリストを生徒に提案し、自分の試験不安やゲームへの誘惑のコントロール、勉強の達成度、勉強への計画設計などをセルフチェックし、同年代の生徒のデータを参照して自分をみつめてもらいます。つぎに、イメージを浮かべる練習をして、試験までに自分のベストを尽くすために、3つのイメージー将来の夢、最高に集中している自分、最高に集中している自分に近づくための3つの行動のリストアップーを浮かべてもらい、ワークシートに絵や文字で、それらのイメージを描いていきます。ーそして試験前日の夜の眠りのためにリラクセーション、試験当日の落ち着くためのリラクセーションを練習し試験不安への対処力を高めるといった授業です。

光村図書のこの教材にも目標達成シートの書き方が紹介され、自分で取り組めるようになっています。

心の健康授業を小1から学習指導要領に位置づける教育改革が達成できるまでは、例えば、目標達成シートの目標を描くために、リラックスしイメージを浮かべる練習をしたのちに、目標達成シートに取り組むといった授業展開を提案していくなど、道徳の教科書でも良書とタッグを組んで、子どものためになる道徳の時間を提案してくことも大切ではないかと、この教材をみつけて思っています。

この光村図書の編集委員には、息子たちが小学校のときにお世話になった淀ちゃんこと淀澤勝治先生がいます。このような教材の選定について、いろいろな議論があったのでしょうね。

2019年7月20日 (土)

特別の教科 道徳ではいじめ防止にならない(4)小6道徳「ひきょうだよ」

道徳は読み物教材を中心に、道徳的行為を考えさせることを目的にしています。いじめに関しては、道徳の教科化の前には、ほとんどまったく教材として掲載されていませんでした。
道徳の教科化になって、どの出版社も、なんらかのいじめの教材を取り入れています。
すべての教材が不適切ではありません。よいなという教材もあります。このシリーズ(特別の教科 道徳ではいじめ防止にならない)ではまず、これはどうかなと疑問に思う教材をとり上げていきます。というのは、これらの教材で、いじめ防止どころか二次被害が起こる可能性があるからです。
今回とりあげるのは、小6道徳「ひきょうだよ」(教育出版pp.78-81)です。
文章を抜粋してみます。

 

たかひろさんがゆうすけさんたちにちょっかいをだされていた。
本を読んでいるたかひろさんの机にわざとぶつかってじゃまをしている。
ゆうすけさんは勉強も運動もでき、クラスのリーダー的存在だ。
ちょっかいだけでなく、プロレスのわざをかけたり、いやがるようなことをいったり、係のときに大変な仕事をやらせたりしている。たかひろさんはいつもにこにこ笑いながら、ゆうすけさんたちといっしょに遊んでいた。
ぼくはなんとかしてあげたいと思っていた。しかし、何もできずにいた。
・・ゆみさんが、真けんな顔でゆうすけさんたちに近づいていった。
「たかひろさんにそういうことするのはやめなよ。」
・・・・ゆみさんは、たかひろさんの目を見て力強い声でいった。
「たかひろさん。いやなことはいやだっていわないとだめだよ。」
しかし、たかひろさんは何もいわず、いつものようににこにこ笑っているだけだった。
・・・・・(たかひろさんの父の転勤で、たかひろさんは転校することになった。たかひろさんとの最後の日に)
一人で家に帰るたかひろさんを追いかけた。
「たかひろ、いままで何もできなくてごめん。助けてあげたかったけど、勇気がでなかったんだ。ゆうすけたちに、何かされるかもと思ったらこわくて。本当にごめん。」
・・・・・「いいたいのはそれだけかい。何もしてくれなかったのに、最後にそんなことをいうなんて、ひきょうだよ。」

 

ストーリーを要約すると
ゆうすけさん(勉強も運動もできるクラスのリーダー)たち⇒たかひろさん
 ⇒いやがらせ、プロレスの技をかける、係の仕事をやらせる などを繰り返す
たかひろさんは、にこにこ笑っている。
ゆみさん:「いやなことはやめなさい」という。
みていていやだなと思っているぼく。
最後に、ぼくは「ごめんなさい」と謝るが、たかひろさんは「ひきょうだ」という。

 

1.なぜ、この教科書の編集者は、ぼくが「本当にごめん」といったところで、おわらなかったのだろうか。これでは、たかひろさんが強いものには自己主張できず、謝っているものには強く自己主張できるんだ、といじめ被害にあっている者に焦点があたってしまう。これでは、「いじめられる子がちゃんと主張しないからいじめられるんだ」といじめはいじめられる子に問題があると、誤った考えの結論に導いてしまい、いじめられている子どもにとって大変つらい時間になる危険性をはらんでいる。

 

2.いじめ加害をするものがいなくなればいじめはなくなる。勉強も運動もできリーダー的存在のゆうすけさんが、なぜ友だちをいじめてしまうのか、その背景が読み取れるストーリーをなぜかんがえられないのだろうか?ストレスマネジメントの理論に基づいたいじめ防止授業で、「中心になっていじめをしているAさん(くん)は、どうしていじめをしてしまうのだろうか?」と設問すると、子どもたちは、「親から虐待を受けている、期待をかけすぎられている、過去だれかにいじめられていた」などの発言がみられる。もっと、いじめ加害をする子どもがどうすればいじめをしないようにできるかを焦点あてる方がいい。

 

追伸;いじめをテーマにした物語に登場する子どもには名前が付けられている。もし、「たかひろ」「ゆうすけ」という名前の児童がクラスにいたらと作者は考えないのだろうか。私は、いじめ防止の授業をするときは、いじめを中心にしているAさん(くん)、加担するCさん(くん)、とめようとするDさん(くん)、みているCさん(くん)がいます。と仮想の名前はつかわない。道徳学者は、そういった配慮もしてほしい。

2019年7月18日 (木)

特別の教科 道徳ではいじめ防止にならない(3)小6道徳の教科書より

以下は、小6道徳の教科書(日本文教出版)の28ページの抜粋です。発問はいいのですが、その説明が腑に落ちません。

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いじめられる人にも問題がある?

どんな理由、問題があったとしても、
それで「人をいじめてよい」ことになりません。
だれにでも、人とちがうところ、苦手なこと、人にめいわくをかけてしまうことなどがあります。しかし、それを「いじめる」理由にしてよいのでしょうか?

「苦手だな」「短所かも」と思うことでも、人によってとらえ方はちがいます。
おせっかい⇒世話好き がんこ⇒意志が強い 声が大きい⇒自分のことをしっかり表現できる
(子どもの男女のイラストからのふきだし)
男の子:あの子は、いつも、ぐずぐずしているからイライラするんだ・・・・。
女の子:えっ、じっくり考えていて、私は好きだよ。イライラしているから、そうみえちゃうんじゃないかな。

 

どんなに努力しても、ある人と仲よくなれなかったり、その人を好きになれなかったりすることがあるかもしれません。それでも、同じ社会で、協力して生きていくには、どんなことをたいせつにすればよいでしょうか。考えてみましょう。

 

小学6道徳 日本文教出版 28p
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここからが、私の意見です。

 

「いじめられる人にも問題がある?」・・いじめ正当化意識で、これは誤りであり、この意識を変えることがいじめ防止のひとつの大事なテーマです。だから、この問いかけはいいです。しかし、これが間違っているということを、受けとめ方(思考、心のつぶやき、認知的評価)を主要な概念としてもってきても、子どもは腑に落ちるでしょうか?

 

例えば、「A君が、机の周りを散らかして周りの子に迷惑をかけている」としましょう。
そういうことがあったら、「活発な子やな」と受けとめればいいじゃないという話をしているわけですよ。そうじゃないでしょ。そんな「A君をみんなで無視する」「叩いたりけったりする」のが間違いで、「A君、ごみはゴミ箱に捨てようよ。消しゴムは大切なものでしょ。片づけが苦手なのかな?」など、自分の思いを落ち着いて伝え、A君の立場も考える言い方がかならずある。認知ではなく、望ましい行動・かかわりが必ずあると伝えないと子どもはわからないのではないでしょうか。

 

男の子、女の子の会話もなにを伝えたいのでしょうか? 
男の子「ぐずぐずしているからイライラするんだ」(男の子のイラストの表情は、あれっていう表情であり、イライラの表情ではないですね)
女の子「じっくり考えていて、私は好きだよ」

 

ぐずぐずする、というのは、ぐずぐずして集合時間を守らない という例が浮かんできますね。だから、みんなから無視されていい?殴られたり蹴られていい? そうじゃないよね。「集合時間を守ってくれないとみんなが困るんだよ。だけど、どうして遅れたの?」と落ち着いて言葉をかけることができるんだよ。ということで、「ぐずぐず」を「じっくり考える」というのはピントがずれてますよ。

 

男の子の「イライラ」の発言は、男の子が「イライラしている」ということ?
女性「イライラしているから、そうみえちゃうんじゃない」という発言があるので、男の子の「イライラ」が、友だちの態度を「ぐずぐずしている」と解釈してしまっているということ?

 

ストレスマネジメント理論では、ストレッサー(友だちがぐずぐずして集合時間を守らない)
⇒受けとめ方⇒ストレス反応⇒ストレス対処(不適切な対処;いじめ・暴力、適切な対処;アサーティブな言動)という一連のプロセスを学んでいれば、このような教材はできないはずです。教科書は、税金が投入されています。教科書を執筆した人は、いじめ防止にこれまで取り組んできたのか?そうでなければ、やはり他の学問の専門家に尋ねるべきではないでしょうか。

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