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2018年9月

2018年9月20日 (木)

公認心理師試験 問118学習成果を高めるための効果的な学習者の解釈

118 今後の学習成果を高めるために効果的な学習者の解釈として、最も適切なものを一つ選べ。

試験の点数が悪かったのは苦手な科目であるからだ。

試験の点数が悪かったのは問題がむつかしかったからだ。

試験の点数が悪かったのは努力が足りなかったからだ。

試験の点数が悪かったのは学習方法に問題があったからだ。

 

この問いの正解もわかれている。一昨日公表されたコム二タスはを正解としているが、ヒカリは異議をとなえている。

 

ワイナーの原因帰属理論にもとづき、「公認心理師・臨床心理士の勉強会」のブログは詳細な解説を試みているので一読してほしい。

 

成績、帰属理論などのキーワードで文献検索してみると

相川充・三島勝正・松本卓三(1985)原因帰属が学業試験の成績に及ぼす影響 教育心理学研究 33,195-204

がヒットする。

国語の場合,失敗の原因が試験期間中の努力不足にあると思うほど,また,失敗の原因は試験問題の困難度とは関係がないと思うほど,2回目の試験に対する期待が高まり,この期待が高いほど2回目の試験での得点も高いという結果であった。18p

数学の場合,失敗の原因は能力や試験の困難度とは関係がないと思うほど期待が上昇し,これに伴って2回目の試験結果も上昇していた。18p

 

しかし、この論文では、「学習の仕方」の要因は検討されていない。

そこで、キーワードに「学習方略」を追加して検索すると

吉田典史・戸田弘(2004) 小学生の学習方略と原因帰属及び学習意欲との関連 北海道教育大学紀要 教育科学編542):15-31

がヒットした。

失敗の努力帰属が児童の学習意欲を高めることにはならないというこれまでの報告を再確認するものであった。これに関して桜井(1989)は、失敗事態において努力しなかったという帰属が、努力すればできるという帰属につながっておらず、努力しても無駄であると思っているのではないか、また失敗事態を能力に帰属することが抑うつや絶望感につながるために、努力に帰属することで自己を防衛しているのではないかと考察している。ここから、失敗した児童に対する指導の在り方について、次の考察を行うことができる。失敗事態での努力帰属は失敗の能力帰属を防ぐためにも必要な帰属様式であるが、それだけでは学習意欲を低下させないという消極的な意味しかもたない。失敗事態を努力帰属させるとともに、具体的な努力の仕方(つまり、学習方略の使用方法)を教えることにより、「やればできる」という効力期待(杉浦,1996Bandura,1977)を高める必要がある。Pp.28-29

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2018年9月20日午後5時50分追記:

アンダーラインは筆者がひいてます。

吉田・戸田(2004)の考察を引用したが、前の文章から引用したい。

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本研究で最も注目したいのは失敗の努力帰属の効果であった。というのも、Weiner(1979) の原因帰属理論によれば、失敗事態での努力帰属は感情を介して達成行動をうながすとれさており、失敗した児童の学習意欲を高めるための指導方法に関する示唆を与えてくれると期待されたからである。結果は、失敗の努力帰属は学習方略の使用とも、いずれの学習意欲とも関連していなかった。この結果は、多くの先行研究(樋口・鎌原・大塚、1983;桜井,1995;伊藤,1996など)と一致したものであり、失敗の努力帰属が児童の学習意欲をたかめることにはならないというこれまでの報告を再確認するものであった

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もっと文献をしらべてみないといけないが、コム二タスさんのではなくヒカリさんのが正解で、おそらくヒカリさんに軍配があがるのではないでしょうか。

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筆者は、試験ストレスをさわやかに乗り越えるイメージトレーニングを中学校・高等学校で実践している。失敗をどう受けとめるか(心のつぶやき)は次の試験に向けての重要なコンポーネントである。だから、この問は非常に重要である。

2018年9月17日 (月)

公認心理師試験 問95ストレスコーピング(2)コーピングのコスト

Cohen, Evans, Stokols,et al.(1986)を入手したので,コーピングのコストについて記載されている箇所を下記に転記してみた。

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「コーピングが失敗したとき」という節のタイトルの中に記載されていた。嫌悪的出来事への対処の試みが失敗したときにおこる2次的効果があり、ストレッサーへの積極的なコーピングのコスト(a cost of actively coping with the stressor)として起こるか、コントロールできないという知覚か失敗それ自体のために起こるものである。

さらに、積極的コーピングのコスト(Costs of Active Coping)というサブタイトルの下に、蓄積疲労効果の記載がある。ただ、要約として、コーピングのコスト(Cost of Coping)が記載されている。

 

コーピングを続けているうちに疲労が蓄積することを、コーピングのコストという。

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を正解とするなら、ストレッサーに対し積極的コーピングを続けているうちに疲労が蓄積することを、コーピングのコストという。 という記載にしてほしかった。

 

追記:2018920

もっと正確には、

ストレッサーへの積極的コーピングを続けているうちに蓄積疲労、覚醒レベル上昇による副次的影響、方略使用の過度の一般化が生じることを、コーピングのコストいう。

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コーピングの結果は、二次的評価というプロセスによって、それ以降の状況の評価に影響を与える。

 

出題者が、を正解と考えたなら、なぜが不正解なのか解説がほしい。

 

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追記:2018920

正しくは、コーピングの結果は、一次的評価と二次的評価とストレス反応へのコーピングというプロセスによって、それ以降の状況の評価(一次的評価・二次的評価)に影響を与える。

ではないだろうか。

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京都コム二タスの正解は③のようですね。巷で、これで正解が確定した雰囲気になるのは好ましいことではないと思います。もちろん、コム二タスさんも「現時点での・・」と前置きをいれての正解の公表で、この問95の正解もずいぶん悩まれたのではとお察しいたします。受験者のデータ蓄積は、関連学会ではなしえないことですから、敬意を表したいと思います。受験産業にネガティブでしたが、国家資格の質の向上に寄与するかもしれないですね。

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関連学会は、この問題についての見解を日本心理研修センターに申し入れてはどうだろうか。このことは、決して問題作成委員を批判する行為ではなく、心理学が学問として、より発展していくために必要な活動だと思う。コム二タスの5000人以上のデータをみると、よくできた問題だったということがわかりますよね。問題作成の苦労の跡がしのばれます。

  .

When Coping Fails

There are also secondary effects that occur when one's attempts to cope with an aversive event fail. These effects occur either as a cost of actively coping with the stressor or because of one's perception of uncontrollability and failure per se. They are separate from any primary effects that may occur as a result of being unable to cope with the demands of a specific stressor.

 

Costs of Active Coping. The cumulative fatigue effects and coping side effects discussed before in the context of the costs of successful coping are also potential effects of failure to cope. These effects would occur to the extent that there is a prolonged active and effortful attempt to cope. Clearly, cognitive fatigue, pathogenic effects of active coping, and the interference of coping processes with health maintenance should occur when one engages in prolonged effortful coping irrespective of whether the coping behavior is successful or not. In cases where the ineffectiveness

of coping attempts becomes immediately apparent and active coping is terminated, these mechanisms would not come into play. A form of overgeneralization may also be operative in situations where coping fails. Instead of overgeneralizing successful coping strategies, it is also possible to overgeneralize the expectation that coping is ineffective. This perspective has been developed in learned helplessness theory and is discussed in that context next.

 

Cost of Coping: Summary

As outlined here, it is clear that the process of active coping, whether successful or unsuccessful, can have a severe impact on one's health and behavior. Table 2 provides an outline of the secondary effects of coping discussed previously. In some cases this impact is initially mediated by physiological processes, whereas in other cases it is mediated by behavioral ones. Deleterious effects may occur when (a) one engages in effortful coping; (b) one persists in using a coping response in situations where the strategy is not adaptive; (c) coping responses have deleterious side effects; and (d) one perceives that his or her efforts to cope are fruitless. Data and theory on passivity in the face of a stressor allow only tentative

conclusions at this time.

2018年9月16日 (日)

公認心理師試験 問52 教育現場における開発的カウンセリング

教育現場における開発的カウンセリングで用いられる技法として、適切なものを2つ選べ。
①ピアサポート
②ソシオメトリー
③チームティーチング
④アサーショントレーニング
⑤ソーシャルスキルトレーニング
.
この問もなやましい。正解が3つあるのではと考えられるからだ。
者は①④⑤のどれを2つ選ぶか迷ったが、④と⑤を選んだ。
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コム二タス 肢別解答率表④⑤ 52-1 ①26.7 ②5.7 ③10.3 ④57.0 ⑤0.4
                             52-2    ①0.2 ②1.8 ③10.9 ④19.1 ⑤67.9
イプサIPSA心理学大学院予備校 ④と⑤
ヒカリ  ①と④?⑤?
和光   ①と⑤
プロロゴス ④⑤ 理由:【912追記】文部科学省ホームページの「スクールカウンセリング」より開発的カウンセリングの項目で「将来、児童生徒が自立して豊かな社会生活が送られるように、児童生徒の心身の発達を促進し、社会生活で必要なライフスキルを育てるなどの人間教育活動を行う。全ての児童生徒を対象とし、教科学習や特別活動、総合的な学習など、学級、学校全体の教育活動を通して、児童生徒の成長を促進する。」と記載あり。
下線部から④と⑤を正答と判断した。
.
文部科学省のHp スクールカウンセリングとは 
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/010/009.htm
(2)開発的・予防的・問題解決的援助
スクールカウンセリングは、開発的カウンセリング・予防的カウンセリング・問題解決的カウンセリングの援助段階に分けて考えることができる。
   開発的カウンセリング
 将来、児童生徒が自立して豊かな社会生活が送られるように、児童生徒の心身の発達を促進し、社会生活で必要なライフスキルを育てるなどの人間教育活動を行う。全ての児童生徒を対象とし、教科学習や特別活動、総合的な学習など、学級、学校全体の教育活動を通して、児童生徒の成長を促進する。
  予防的カウンセリング
 児童生徒一人ひとりについて、性格、現在の状況、ストレス、悩み、問題などを把握し、問題が発生しそうな児童生徒に予防的に働きかけ、本人が主体的に自らの力で解決できるよう支援する活動を行う。
  問題解決的カウンセリング
 問題の発生は、開発的、予防的カウンセリングを行うことで低減されることになるが、人生を生きていく上では、様々な問題に直面する。このような問題については、カウンセリング的アプローチにより問題の解決や不適応状態からの回復を援助する。
これは、在外教育施設安全対策資料(心のケア編)に記載されており、小澤康司先生執筆によるものと思われる。
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さらに、
  「エッセンス学校教育相談」石川正一郎編 2010北大路書房 の開発的カウンセリングの章には、アサーション・トレーニングとソーシャル・スキルトレーニングが記載されている。
第3章 開発的カウンセリング
 1 開発的カウンセリングとは
 2 構成的グループ・エンカウンター
 3 アサーション・トレーニング
 4 ソーシャル・スキル・トレーニング
 5 偏愛マップ
だから、④と⑤は正解であろう。
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では、ピアサポートは開発的カウンセリングの技法ではないのかというと、2005年の教育心理学年報には、開発的カウンセリングのシンポジウムで、アサーショントレーニングとピアサポートが話題提供されており、指定討論は石隈利紀である。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/arepj1962/44/0/44_11/_pdf/-char/ja
小林真ら(2005)学校現場における開発的カウンセリングの実際 準備委員会企画シンポジウム2 教育心理学年報
小学校におけるアサーション・トレーニングの効果(福光隆)
中学校におけるピアサポートプログラム(島田みどり)
また、栗原慎二(2003)開発的カウンセリングを実践する9つの方法 ほんの森出版 にも ピアサポートがはいっている。
第3章 進路指導に生かす開発的カウンセリング
 1 体系的進路指導--職業インタビューを中心に 橋本武弥
 2 ピア・サポート(サポート・トレーニング)  栗原慎二
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ここで、ピアサポートの実践例を紹介したい。日本ピアサポート学会10周年記念に発刊した「やってみよう!ピア・サポート」(2011)企画・日本ピアサポート学会、ほんの森出版には、小中高などの実践が紹介されている。
小学校の実践(三田恵子)では、総合の時間に実施、4クラスを混合クラスにする、5年のプログラムは、「ピアサポートってなに? 私ってどんな人(エゴグラム)、プラスとマイナスのストローク、話の聞き方、話の伝え方、対立の解消、私のストレス対処法、上手な誘いの断り方など」であった。6年生も同様のプログラムであり、さらに「ちょこっとサポート隊」を発足させ、学校中にピアサポート活動を広めていった。
高校の実践(萬田久美子)では、1年生全員と希望者(1年から3年、課外で30時間)での取り組みであった。プログラムの内容は、さきに紹介した小学校の内容とほぼ同じのようだ
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このように、クラス全員への活動とともに少人数のピアサポーター養成を行い、全校に広げていく手法のようだ。であるから、ピアサポートが、一部の児童生徒のみを対象にしているから、この設問に該当しないというのは間違いのようだ。
ちなみに、日本ピアサポート学会・森川澄男会長は、刊行に寄せてのなかで、「学校教育相談の予防・開発的な観点から、日本の学校教育に合うように改良を重ね、・・・ピア・サポートプログラムの普及に乗り出しました。」と記載している。
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実はこの本は、ピアサポート学会大会で講演をさせていただいたことを契機に、森川先生からいただいていた。この本を十分に読み込んでいたら、迷いはさらに深まっていただろう。
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これを不適切問題として、すべての受験者に得点を与えるのは公正性に欠ける。①④⑤のなかから2つ選んだものを正解とするようにすべき、と考えるがみなさんはどう思われますか?
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大学入試の試験問題の作成でミスがあれば、謝罪・補償が求められる時代である。問題作成委員と問題点検委員を置いて、問題が適正かどうかを何度もチェックを繰り返す。受験産業の出版社からミスを指摘されることもあるようだ。公認心理師試験は第1回であり、試験委員の方は受験されたのであろうか。自分の作成した問題以外を見ていなければ、受験し、自分の問題を除外するという方法は考えられるかもしれない。
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第1回だから、不適切な問題がでるヒューマンエラーは仕方ない。試験機関は、不適切問題か否かを至急吟味し、公正な判断をすることが、今求められている。
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さらに、そのキーワードの論文・著書を検索し、根拠資料を添える、点検委員を設けるなど、第2回はさらなる充実がはかられるであろう。根拠資料を添えるなどは第1回でも行われているかもしれないが。

(2018年9月16日一部加筆修正)

2018年9月13日 (木)

公認心理師試験 問95ストレスコーピング 

95 ストレスコーピングについて、正しいものを1つ選べ。

各社の正解を列挙しましたが、③と④にわれています。

コム二タス肢別解答率表 1.8 2.1 10.6 80.0 5.5

イプサIPSA心理学大学院予備校 

ヒカリ 

和光  

プロロゴス :理由:③と④で悩んだ。④の文章は文意がよく分からない。二次的評価がラザルスのストレス評価説のことを指しているのならば、二次的評価は「ストレッサーに対して対処できるかどうか」の評価である。二次的評価によってその後コーピングを行うというのがストレス評価説の考えと思われるが、④では二次的評価の前にコーピングの結果が来るので、とにかく文章がよく分からないけど誤りではないかと判断した。消去法で③を正解とした。なお、コーピングのコストはネットで調べると、「積極的なコーピング(問題焦点型コーピングなど)を使っていると、その行為によって返って疲れる」ということらしい。それが③の文章と同意であるのかもよく分からない。かなり自信なし。

 

プロロゴスは、理由を記載していますね。『ストレス心理学』小杉正太郎編著 川島書店 と『ストレスの心理学』R.S.ラザルス&S.フォルクマン(1984/1991)実務教育出版から引用してみます。

 

コーピングを続けているうちに疲労が蓄積することを、コーピングのコストという。

 

コーエンら(CohenEvans,Stokols,et al.,1986)は1986年に「コーピングのコスト(costs of coping)」という概念を提唱し、それまで問題解決の促進やストレス反応の低減に有効であると考えられていた積極的なコーピング方略の短所について指摘した。彼らは、積極的な対処努力によって状況の改善に成功し、対処努力に伴う以下の3種類のコストが個人の健康や行動に有害な影響を及ぼすと主張した。

 1番目のコストは、蓄積疲労であり、ストレスフルな状況に長期間、積極的に対処することによって、生理的・心理的エネルギー量が低下した状態をいう。2目のコストは、コーピングによる副次的影響である。これは積極的なコーピング方略自体が本来、覚醒レベル生理的反応を上昇させること、直面している状況への対処努力の集中が、健康維持活動などに振り向ける努力を相対的に低下させること、などをいう。3番目のコストは、方略使用に過度の一般化である。これはある状況で対処に成功したコーピング方略を、その後に体験するいかなる状況でも一貫して用いることであり、その方略が状況に不適切な場合、ストレス反応が上昇する。 島津明人(2002) pp.51-52 『ストレス心理学』小杉正太郎編著 3章 川島書店

 

「コーピングのコスト」のコーピングとは「積極的コーピング、すなわち問題焦点型コーピング」をさしている。例えば、「寝ないで試験勉強をする」といったコーピングは、疲労を蓄積させるのは当然のことである。「積極的(問題焦点型)コーピングを続けているうちに・・・」であれば、正解であろうか。ただ、コストには3つあり、蓄積疲労、覚醒レベル上昇による副次的影響、方略使用の過度の一般化である。

また、コーピングには大別して、問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングがある。

 

評価は、対処行動が情動調整する傾向をもつものか(情動中心の対処)あるいは、その問題を軽減するためのものか(問題中心の対処)区別できるものであることがわかった。R.S.ラザルス&S.フォルクマン(1984/199144p

 

「コーピング」が「情動焦点型コーピング」を含めたものであれば、は正解といいきれるだろうか。また、「コーピングのコストとは、積極的コーピングを続けているうちに疲労が蓄積することなどをいう」であれば、正解だろうが。概念の包含関係が吟味されているのだろうか。ただし、Cohen,Evans,Stokols,et al.,1986の原著を読んでないので、正解とも不正解とも判断しかねる。

 

コーピングの結果は、二次的評価というプロセスによって、それ以降の状況の評価に影響を与える。

 

以下、『ストレスの心理学』R.S.ラザルス&S.フォルクマン(1984/1991)実務教育出版から抜粋してみる。

 

一次的評価は、無関係、無害―肯定的、ストレスフルの3種類に区別される。33p

 

我々が危険に陥っている場合、それが脅威であろうと挑戦であろうと、何とかしてその状況を切り抜けなければならないのであるが、この場合、評価のもう一つの形態である、二次的評価が顕著となる。…それ(二次的評価)は複雑な評価プロセスであり、どのような対処方法が可能か、その対処方法で思ったとおりに成し遂げられそうか、そして、特定の手段を適用できそうかなどを考慮している。

対処選択の二次的評価と、何が危ういかという判断となる一次評価とは、ストレスの程度や、情動反応の強度や質(または内容)を定める際に、相互に影響を及ぼしている。(36p

 

対処とは「能力や技能を使い果たしてしまうと判断され自分の力だけではどうすることもできないとみなされるような、特定の環境からの強制と自分自身の内部からの強制の双方を、あるいはいずれか一方を、適切に処理し統制していこうとなされる、絶えず変化していく認知的努力と行動による努力」である。我々の定義は、伝統的な定義に対して次のような点を明確にしている。対処はプロセスであり、特性とは明確に区別される。プロセスは絶えず変化していくもので、特定の圧力や強制に対して起こるものであり、その結果、様々な葛藤を伴うことになる。対処のプロセスは単なる自動的な適応行動とは異なり、自らの評価に基づいて起こるものであり、このような評価によって自分のもつ能力や技能を著しく使い果たしてしまうと判断されるような、また自分の力ではもはやどうすることもできないと見なされるような、自分自身の内部や外部からの強制的な圧力に対して起こるものである。・・・・pp.143-144 

 

コーピングの結果は、二次的評価というプロセスによって、それ以降の状況の評価に影響を与える。

 

あるコーピングの結果が、二次的評価により(例えば、つぎはその対処方法で成し遂げられそうだ)との対処選択(coping options)を行い,それ以降の状況の評価(一次的評価と二次的評価)に影響を与える。

と考えれば、R.S.ラザルス&S.フォルクマン(1984/1991)により、これは正解ではないだろうか。

ちなみに、プロロゴスさんの理由

>二次的評価は「ストレッサーに対して対処できるかどうか」の評価である。二次的評価によってその後コーピングを行うというのがストレス評価説の考えと思われるが、④では二次的評価の前にコーピングの結果が来るので、とにかく文章がよく分からないけど誤りではないかと判断した。

についてR.S.ラザルス&S.フォルクマン(1984/1991)のトランスアクション・モデルを引用しておきたい。

図10-3(トランスアクションモデル)は、....我々の理論の中心的な概念を浮き彫りにするものであり、.....。我々のトランスアクションモデルでは、同一個人内の現象の移り変わりを様々な段階においてとらえていくと同時に、様々な個人の間での現象の起こり方の相違や類似点について明らかにしていくことが、1つの研究計画の中で可能となるのである。

図10-3は矢印は記載されてないが、島津(2002)には、図3.1 心理学的ストレスモデルの概要に、「コーピング」から「認知的評定(一次的・二次的)」への矢印がひかれている。すなわち、コーピングの結果が評価で判断されて、コーピングが成功し刺激や情動が適切に処理されると、健康上の問題は生起しないか、あっても程度が低い、ストレスフルなら、情動反応が起こりそれに新たなコーピングがなされるというプロセスが展開される。


あいまいな正解が2つある問で、これは適切問題だろうか。筆者は、迷ったあげくに、を選択した。しかし、③も正解かもしれない。しかし、文献検索をしてみるとコーピングのコスト研究が世界的に活性化しているともいえない。

自分がストレスコーピングについて問題を作るとすれば、どのような選択肢が教育的なのか考えてみたい。

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