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2018年9月16日 (日)

公認心理師試験 問52 教育現場における開発的カウンセリング

教育現場における開発的カウンセリングで用いられる技法として、適切なものを2つ選べ。
①ピアサポート
②ソシオメトリー
③チームティーチング
④アサーショントレーニング
⑤ソーシャルスキルトレーニング
.
この問もなやましい。正解が3つあるのではと考えられるからだ。
者は①④⑤のどれを2つ選ぶか迷ったが、④と⑤を選んだ。
.
コム二タス 肢別解答率表④⑤ 52-1 ①26.7 ②5.7 ③10.3 ④57.0 ⑤0.4
                             52-2    ①0.2 ②1.8 ③10.9 ④19.1 ⑤67.9
イプサIPSA心理学大学院予備校 ④と⑤
ヒカリ  ①と④?⑤?
和光   ①と⑤
プロロゴス ④⑤ 理由:【912追記】文部科学省ホームページの「スクールカウンセリング」より開発的カウンセリングの項目で「将来、児童生徒が自立して豊かな社会生活が送られるように、児童生徒の心身の発達を促進し、社会生活で必要なライフスキルを育てるなどの人間教育活動を行う。全ての児童生徒を対象とし、教科学習や特別活動、総合的な学習など、学級、学校全体の教育活動を通して、児童生徒の成長を促進する。」と記載あり。
下線部から④と⑤を正答と判断した。
.
文部科学省のHp スクールカウンセリングとは 
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/010/009.htm
(2)開発的・予防的・問題解決的援助
スクールカウンセリングは、開発的カウンセリング・予防的カウンセリング・問題解決的カウンセリングの援助段階に分けて考えることができる。
   開発的カウンセリング
 将来、児童生徒が自立して豊かな社会生活が送られるように、児童生徒の心身の発達を促進し、社会生活で必要なライフスキルを育てるなどの人間教育活動を行う。全ての児童生徒を対象とし、教科学習や特別活動、総合的な学習など、学級、学校全体の教育活動を通して、児童生徒の成長を促進する。
  予防的カウンセリング
 児童生徒一人ひとりについて、性格、現在の状況、ストレス、悩み、問題などを把握し、問題が発生しそうな児童生徒に予防的に働きかけ、本人が主体的に自らの力で解決できるよう支援する活動を行う。
  問題解決的カウンセリング
 問題の発生は、開発的、予防的カウンセリングを行うことで低減されることになるが、人生を生きていく上では、様々な問題に直面する。このような問題については、カウンセリング的アプローチにより問題の解決や不適応状態からの回復を援助する。
これは、在外教育施設安全対策資料(心のケア編)に記載されており、小澤康司先生執筆によるものと思われる。
.
さらに、
  「エッセンス学校教育相談」石川正一郎編 2010北大路書房 の開発的カウンセリングの章には、アサーション・トレーニングとソーシャル・スキルトレーニングが記載されている。
第3章 開発的カウンセリング
 1 開発的カウンセリングとは
 2 構成的グループ・エンカウンター
 3 アサーション・トレーニング
 4 ソーシャル・スキル・トレーニング
 5 偏愛マップ
だから、④と⑤は正解であろう。
.
では、ピアサポートは開発的カウンセリングの技法ではないのかというと、2005年の教育心理学年報には、開発的カウンセリングのシンポジウムで、アサーショントレーニングとピアサポートが話題提供されており、指定討論は石隈利紀である。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/arepj1962/44/0/44_11/_pdf/-char/ja
小林真ら(2005)学校現場における開発的カウンセリングの実際 準備委員会企画シンポジウム2 教育心理学年報
小学校におけるアサーション・トレーニングの効果(福光隆)
中学校におけるピアサポートプログラム(島田みどり)
また、栗原慎二(2003)開発的カウンセリングを実践する9つの方法 ほんの森出版 にも ピアサポートがはいっている。
第3章 進路指導に生かす開発的カウンセリング
 1 体系的進路指導--職業インタビューを中心に 橋本武弥
 2 ピア・サポート(サポート・トレーニング)  栗原慎二
.
ここで、ピアサポートの実践例を紹介したい。日本ピアサポート学会10周年記念に発刊した「やってみよう!ピア・サポート」(2011)企画・日本ピアサポート学会、ほんの森出版には、小中高などの実践が紹介されている。
小学校の実践(三田恵子)では、総合の時間に実施、4クラスを混合クラスにする、5年のプログラムは、「ピアサポートってなに? 私ってどんな人(エゴグラム)、プラスとマイナスのストローク、話の聞き方、話の伝え方、対立の解消、私のストレス対処法、上手な誘いの断り方など」であった。6年生も同様のプログラムであり、さらに「ちょこっとサポート隊」を発足させ、学校中にピアサポート活動を広めていった。
高校の実践(萬田久美子)では、1年生全員と希望者(1年から3年、課外で30時間)での取り組みであった。プログラムの内容は、さきに紹介した小学校の内容とほぼ同じのようだ
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このように、クラス全員への活動とともに少人数のピアサポーター養成を行い、全校に広げていく手法のようだ。であるから、ピアサポートが、一部の児童生徒のみを対象にしているから、この設問に該当しないというのは間違いのようだ。
ちなみに、日本ピアサポート学会・森川澄男会長は、刊行に寄せてのなかで、「学校教育相談の予防・開発的な観点から、日本の学校教育に合うように改良を重ね、・・・ピア・サポートプログラムの普及に乗り出しました。」と記載している。
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実はこの本は、ピアサポート学会大会で講演をさせていただいたことを契機に、森川先生からいただいていた。この本を十分に読み込んでいたら、迷いはさらに深まっていただろう。
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これを不適切問題として、すべての受験者に得点を与えるのは公正性に欠ける。①④⑤のなかから2つ選んだものを正解とするようにすべき、と考えるがみなさんはどう思われますか?
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大学入試の試験問題の作成でミスがあれば、謝罪・補償が求められる時代である。問題作成委員と問題点検委員を置いて、問題が適正かどうかを何度もチェックを繰り返す。受験産業の出版社からミスを指摘されることもあるようだ。公認心理師試験は第1回であり、試験委員の方は受験されたのであろうか。自分の作成した問題以外を見ていなければ、受験し、自分の問題を除外するという方法は考えられるかもしれない。
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第1回だから、不適切な問題がでるヒューマンエラーは仕方ない。試験機関は、不適切問題か否かを至急吟味し、公正な判断をすることが、今求められている。
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さらに、そのキーワードの論文・著書を検索し、根拠資料を添える、点検委員を設けるなど、第2回はさらなる充実がはかられるであろう。根拠資料を添えるなどは第1回でも行われているかもしれないが。

(2018年9月16日一部加筆修正)

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