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2018年7月

2018年7月31日 (火)

特別の教科 道徳ではいじめ防止にはならない

特別の教科 道徳では、いじめ・自殺の防止にはならない と精神科医の松本俊彦さんの記事を以前引用しました。
http://traumaticstress.cocolog-nifty.com/ver02/2017/02/post-25eb.html
この度は、教育新聞に教育学者が、道徳ではいじめ防止にならないばかりか、少数の苦しんでいる子どもにはむしろ心に打撃を与えることになると警告した記事を掲載しました。
「特別の教科 道徳」といじめ  教育新聞 2018年7月30日
まったく同じ考えを先日の日本ストレスマネジメント学会第17回姫路大会で講演しました。
暴力・いじめなどは命を脅かすストレッサーであり、心の健康教育で取り扱うものです。
心の健康教育は保健体育の教科に位置づけられているのですが、時数があまりに少ないのです。小学校1年から年35コマの道徳の時間に比べると、小学校5・6年でわずか3-4時間のみです。
道徳の時間も必要でしょうが、あまりにアンバランスな教育課程になっています。
また、保健体育ですから、中学では、担任ではなく、保健体育の教師が教えることになります。
変わるべきは、道徳教育と健康教育のバランスを変えること、道徳の時間の内容項目の節度節制などは、読み物教材中心を脱却して、健康教育の方法論を授業に取り入れるべきです。
教育学者から、「道徳によってはいじめは抑止できない」 と声があがったことは、画期的です。子どもたちの心の健康のために、学術団体は立ち上がらないといけないと思います。災害後の心のケアも、心の健康教育がベースです。でも授業をする時数がない。
いまから、真備の子どもたちに会いに行きます。

2018年7月27日 (金)

災害後の子どもの心のケアー平成30年7月豪雨(6)広島県こども支援チーム

広島県は広島県こども支援チームを結成し、各地で研修会を予定しているようです。

■経緯
 平成22年7月の庄原豪雨災害時に,子供の心のケアに特化した専門家チームの必要性が提唱されて結成。平成26年8月の広島市豪雨災害で2回目の活動。平成30年7月豪雨災害により3回目の活動開始。

■チーム構成
 児童精神科医,小児科医,臨床心理士,児童心理司(児相),事務職員等
■活動内容
 ・避難所等での子供等との面接及び支援方法の決定
 ・子供の支援者(保育士,教職員,保健師,スクールカウンセラー等)への研修 等
■活動期間
 PTSD(心的外傷後ストレス障害)への対応も考慮し,発災後,おおむね1年間を目途に継続的に活動
こども家庭課
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このように県のレベルで子どもの支援チームを作ることは、支援者の共通理解をはかり、統一したプログラムを展開していくうえで、とても重要だと思います。
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危機対応の教訓を日本リスク研究会(リスクミレニアムプロジェクト文部科学省ミレニアムプロジェクト )がとりまとめています。

教訓1:ウソをつかない

教訓2:スポークスマンは1人に(ワンボイスの原則)

教訓3:経営トップの参画を印象づける

教訓4:情報はできるだけ素早く,多く開示

教訓5:メッセージはわかりやすく

教訓6:マスコミを敵に回すな

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私は、これまでの災害後の心理支援の経験から、「チームの編成」が重要だと考え
危機対応の4原則として提案しています。

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1、教育長(文科大臣)・担当課長・担当課リーダーシップ

2、チーム編成(平時から) 

3、良いプログラム(時期に応じた心の授業・統一したストレスチェックリスト(健康観察チェック)・個別相談体制・重層的システム(担任-養護教諭-スクールカウンセラー-SCスーパーバイザー-チーム○○):長期支援を見据え)

4、情報公開マスコミを敵に回すな、個人情報保護との葛藤)

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長期支援が必要ですので、学校でおこなう支援プログラムの作成もチームで行うといいですね。

2018年7月24日 (火)

災害後の子どもの心のケア(5)平成30年7月豪雨:県外からの子どもサポート

広島県坂町小屋浦小学校の図書室は児童が集うことができる部屋になっていました。クーラーがきいていました。そこに、4名の児童とたのしくジェンガをしている先生がいました。子どもたちもスリルをあじわいながらジェンガのチップを抜いていました。先生たちは、福岡県教育庁・教育相談室の主任指導主事、福岡県スクールカウンセラースーパーバイザー、そして小屋浦小学校の先生でした。
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子どもたちはこの猛暑と、地域が土砂災害で壊滅的な状況なので外では遊べません。室内で少しからだを動かす遊びができたらなと思って、昨夜広島駅についたらすぐに、駅前の大型電機店で、やわらかいキャッチボールのセットや風船を購入して持参しました。ジェンカがひと段落したところで、キャッチボールセットと風船をみせたら、子どもたちは「それなに!」と喜々と遊びはじめました。
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スポンジボールのキャッチボールを指導主事の先生と大喜びではじめました。
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風船遊びをスクールカウンセラーがかくれんぼ遊びと組み合わせて、実に楽しくからだを動かしながら遊んでいました。
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クーラーは図書室しかなく、隣の部屋は英語の部屋なんですが、クーラーがありません。それで、廊下に扇風機をおいて、図書室の冷気を隣の英語の部屋おくって、英語の部屋を遊び部屋、図書室を勉強部屋にしてはという案が検討されていました。
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遊び部屋に、マットがあれば、危なくなく体が動かせるのにとスクールカウンセラーは話されていました。
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すべての被災地の子どもの居場所を作ることを急いではどうでしょうか。被災地の学校の先生もそれを求めています。岡山真備の臨時学童保育の取り組みがモデルになるのではないでしょうか。学童保育士さんには有給で、それをさまざまなボランティアが応援する。そういう仕組みができればいいですね。

災害後の子どもの心のケア(4)平成30年7月豪雨:兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科の活動

兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科は、減災防災を専門に学ぶために昨年4月に開設されました。この豪雨災害では、阪本准教授が広島坂町のボランティアセンターを応援しようと提案され、連日、大学院生、教員が坂町に通っています。

2018年7月23日650分、広島駅南口一般車両駐車場で、大学院生の立部さんのレンタカーに同乗。坂町まではふだんは20分くらいとのこと。しかし、高速道路に入った途端渋滞。坂町ボランティアセンターについたのは8時15分。兵庫県立大学は小屋浦地区担当。小屋浦小への移動も渋滞で40分ほどかかりました。ナフコがボランティアのために屋上駐車場を開放されていて、そこから10分ほど徒歩で、小屋浦小学校へ。すべての家が被災しているという状況です。

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ボランティア3名と、まずは避難所の掃除とトイレ掃除。掃除の手順がカードに印刷されていて、その手順にしたがって掃除をしていきます。例えば、仮設トイレは便器の清掃、手洗いができないので濡れティシュをドアの裏にガムテープではりそのティッシュをすてる袋をガムテープで張り付ける。便器についたうんちは被災された方やボランティアの生きている証というか、努力の結晶というか、そんなことを思いながら、自宅では掃除を全くしない自分がいろいろと学ぶことができました。よりよい掃除道具があってもいいなと思いました。私とペアになったボランティアの方は、翌日から支援にはいったそうです。もう4回目といわれていました。マツダにお勤めとか。さすが大企業ですね。有給休暇で活動をされていました。外の仮設のトイレの掃除は2基をするともう猛暑で継続不能!休憩!といった具合でした。幸い、小学校校舎のとなりに3階建てのふれあいセンターがあり、そこはクーラーが効いているので、一休みできました。

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掃除が終わるとき、避難者の方に声をかけました。避難者の方は、ボランティアの方に大変感謝されていました。その方に、<子どもたちはどうされてます?>と尋ねると、「図書館で勉強したりしているかもしれません」と。

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午後は3名のボランティアは被災した家の片づけ支援へ。私と立部さんは避難所支援を。まず避難所の図工室、体育館をまわりました。図工室はペットとすごせる部屋です。部屋をでてきた方に、<なにか困ったことありませんか?>と尋ねると、「暑いんです」と。部屋にはいり、お話をお伺いすると、私の額にも汗が・・・。冷風扇が1基はいっていましたが、とてもあつかってです。もう1基、クーラーがほしいですね。

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そして体育館へ。体育館では、大学院生の頼政さんが声をかけ、横浜から宇田川さんらが活動をはじめていました。すぐに、避難された方が次々に足湯を求めてこられていました。立部さんも足湯支援の腕をあげていました。

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足湯を待っている人がいるので<肩がこるとか・・少し体をほぐすことやってみますか?>と声をかけ、腕上げや踏みしめをやり終わると、それをみていた方が、「やってください」と。「腰が痛くて」・・・腰を動かす、背を動かす・・・背胸がなかなか動かせない、・・<荷物をもつときも腰だけに力をいれていません?背も股も膝も全身に力をいれるといいですよ>少し背胸を動かせるようになり、「起き上がるとき腰が痛いので今度はほかのところもつかって起きてみます」と。阪神淡路大震災以来、被災地では「リラックス動作法」のチームが避難所で被災された方の心とからだのサポートをしてきました。

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心理士は医療とのコラボも必要ですが、ボラ団体とのコラボが必須です。そうすればもっとはやく被災地で活動できます。そこに人がいれば心理の仕事はかならずあります。でも、直後は「心理」を前面にださない支援が必要です。まずは安全な生活が送れるように、といった視点での支援です。

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子どもたちのことが気になったので、図書館へ。それは、つぎのページで。

   

2018年7月23日 (月)

災害後の子どもの心のケア(3)平成30年7月豪雨:子どもの居場所ーNHKあさイチ

23日(月)のNHKあさイチで、西日本豪雨後の子どもの心のケアがとりあげられました。
岡山県倉敷市真備町の子どもたちの学童保育が放映されました。実は、この取材の日たまたま、この学童保育の活動に一日ごいっしょしていました。
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「あさ8時から夕方6時まで利用しています。この学童クラブの運営を担うのは地元のボランティアの人たちです。子どもと遊ぶのは大学生。」
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「 」は、NHKのナレーター、テロップです。
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くらしき作陽大学には、私と30年来の友人の特別支援教育のH教授がいます。若いころからの動作法仲間です。6月末には、兵庫リハビリテイション心理研究大会でもご一緒していました。まさか7月に豪雨災害があるとは・・・。それで、いちど、学童保育の活動をみてほしいと電話がありかけつけました。
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「片づけにおわれる保護者に代わって昼ご飯も用意しています。」
(子どもの母)「避難所はストレスがたまって子どももキーキー言い始めて、ここに通い始めたらつかれたら帰ってねるといういつものパターンで休めるんですごく助かっています」
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昼ご飯のソーメンを食べている映像
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(実は、片隅にちらっと私も写っていました。もちろん、弁当を買って持って行ったのですが、ソーメンも食べてくださいと。おいしかったですよ。)
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学童クラブ所長:若井暁さん「9月から小学校も児童クラブも再開すると思いますので、災害前の姿に戻るまではサポートしていけたらと思います」
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この若井所長の子どもへのかかわりがすばらしかった!だだをこねる子どもに、しっかりその子の気持ちを受けとめながらも、ほかの子の意見を聴き、子どもたちが自分たちで過ごしやすいルールをつくっていくことをサポートしていました。これは、保育のすごい専門性だなと感心してみていました。
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このあと、子どもは怖い夢をみるなど心のケアについて、セーブザチルドレンの取り組みで、「講師として招かれたのは精神科医の河嶌譲さん、小学校低学年の子どもの
遊びが紹介された」火葬場ごっこ。「災害をテーマとした遊びはよくみられるということです」
「だいじな遊びなんですね」・・・
と放映されました。
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子どもの居場所、すべての被災地で、子どもの居場所ー遊び場と学習の場を確保してほしい。その場に、子どもとかかわる大学生、保育者、心理専門家、重層的に子どもをサポートしたい。

2018年7月19日 (木)

災害後の子どもの心のケア―平成30年7月豪雨(2)心身反応のあらわれかた

被害が甚大なほど、子どもの心身反応は見えにくい期間が長くなります。
それは、心をマヒさせて心が壊れないようにする心の仕組みがあることと、周囲のおとなをみながらガマンし続けてがんばり続けるからです。
2004年10月台風23号で兵庫は淡路から豊岡まで広域の水害が起きました。たまたま、私のゼミの学生が1か月前に、教育実習でお世話になった小学校の地域も被災しました。3分の1ほどの家庭が床上浸水の被害を受けました。1週間後、校長先生に、「子どもたちのサポートに行きましょうか?」と電話をしたところ、「いやー、子どもたちはとても落ち着いています」とのお返事でした。そのとき、それはひとつの反応だろうと思いました。
当時、臨床心理士の高橋哲スクールカウンセラー・スーパーバイザーは、災害直後に各市教委をまわり、今後の心のケアを打ち合わせました。そして、発災から1か月にならないころに、ストレスチェックとハイリスクの児童生徒への派遣スクールカウンセラーによる個別相談をセットで行う計画を立てました。
発災から2週間目の終わりのころ、もう一度校長先生にお電話すると、「子どもが落ち着かない、保健室にいく児童も増えてきたんですと」。やっと反応をだせるようになったんだと思いました。
3週間目に、ボランティアとして、その小学校を訪問しました。小4のクラスがとても落ち着かない。授業をしていても、教室を飛び出す子がいて落ち着かない。それで、ストレスマネジメントの授業をすることにしました。ボランティアの学部生がパペットをつかって、「なんだかこわいんだ!」と演じたところ、子どもたちから「たいふう!」との発言があり、眠りのためのリラックスや落ち着くためのリラックスを体験しました。実は、児童たちは被災体験がそれぞれ異なり、「台風」について話題にすることはなかったそうです。強い雨がふると「こわい」と思っても、それを口にすると、「弱い子だ!」といわれたり、思われたりするので、台風・雨の話題は子どもの間でも避けていたのです。
「こわい気持ちは、命を守る大切な気持ちだと!」と授業のなかで伝えました。
その授業をきっかけに、「昼休みなど、子どもが担任の先生に自分の思いを素直に言うようになった、それからだんだん落ち着いていきました」とフォローアップにいったときに担任先生から、その後の子どもたちの変化を教えてもらいました。
この経験が、ストレスチェックとストレスマネジメントをセットで授業として行うという方法論のきっかけになったのです。その後、2005年のインドネシア・アチェでの経験、2008年の四川大地震での経験、2011年東日本大震災と、子どもたちをサポートするシステムをつくっていきました。
そして、「時期に応じた子どもの心のケア:3段階心理支援モデル」を構築していきました。
岩手県教育委員会は、小学生には19項目版、中高生には31項目版を、ストレスマネジメント授業と個別相談をセットで展開してきました。
熊本地震では、熊本県教育委員会・熊本市教育委員会が、小学生版10項目、中高生版15項目を活用して今日に至っています。強い余震が続いたので、小学生版1項目、中高生版2項目は、オリジナルな項目を採用しましたが、ほかは、岩手で活用した項目と同じです。それらのストレスチェックは、自分のストレスを知り効果的な対処法を学ぶツールとして位置づけています。一方、地域ごとに集計すると、それぞれの特徴が浮かび上がってきて、効果的な対応を考える貴重な子どもたちの声ともなります。
被災地では、ぜひ、統一したストレスチェックを活用し、スクールカウンセラーと担任が協働で行うストレスマネジメント授業を展開してほしいです。

2018年7月17日 (火)

災害後の子どもの心のケア-平成30年7月豪雨(1)

7月豪雨災害からもうすぐ2週間になります。猛暑のなか地域が一変した環境での生活(避難所生活、家が損壊してなくても不自由な生活)を強いられているみなさんの健康について、今必要なことを推測してお書きします。
 多くの学校が夏休みをはやめる措置をとっておられます。学校再開まで、子どもさんの健康について、担任教師と共有することが大切だと思います。避難所や家庭でみせる子どもさんのようす、健康について、教師が知ることは、今後のサポートにとても重要になります。
それで、5項目の健康チェックと、保護者さんからみた心配な点、困っている点をメモをする欄のある「保護者さんからみた子どもの健康アンケート」を作ってみました。
幼稚園保育園児、小学生、特別支援学校の児童生徒さんのサポートに、活用いただければ幸いです。

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