災害後の子どもの心のケア(4)平成30年7月豪雨:兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科の活動
兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科は、減災防災を専門に学ぶために昨年4月に開設されました。この豪雨災害では、阪本准教授が広島坂町のボランティアセンターを応援しようと提案され、連日、大学院生、教員が坂町に通っています。
2018年7月23日6時50分、広島駅南口一般車両駐車場で、大学院生の立部さんのレンタカーに同乗。坂町まではふだんは20分くらいとのこと。しかし、高速道路に入った途端渋滞。坂町ボランティアセンターについたのは8時15分。兵庫県立大学は小屋浦地区担当。小屋浦小への移動も渋滞で40分ほどかかりました。ナフコがボランティアのために屋上駐車場を開放されていて、そこから10分ほど徒歩で、小屋浦小学校へ。すべての家が被災しているという状況です。
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ボランティア3名と、まずは避難所の掃除とトイレ掃除。掃除の手順がカードに印刷されていて、その手順にしたがって掃除をしていきます。例えば、仮設トイレは便器の清掃、手洗いができないので濡れティシュをドアの裏にガムテープではりそのティッシュをすてる袋をガムテープで張り付ける。便器についたうんちは被災された方やボランティアの生きている証というか、努力の結晶というか、そんなことを思いながら、自宅では掃除を全くしない自分がいろいろと学ぶことができました。よりよい掃除道具があってもいいなと思いました。私とペアになったボランティアの方は、翌日から支援にはいったそうです。もう4回目といわれていました。マツダにお勤めとか。さすが大企業ですね。有給休暇で活動をされていました。外の仮設のトイレの掃除は2基をするともう猛暑で継続不能!休憩!といった具合でした。幸い、小学校校舎のとなりに3階建てのふれあいセンターがあり、そこはクーラーが効いているので、一休みできました。
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掃除が終わるとき、避難者の方に声をかけました。避難者の方は、ボランティアの方に大変感謝されていました。その方に、<子どもたちはどうされてます?>と尋ねると、「図書館で勉強したりしているかもしれません」と。
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午後は3名のボランティアは被災した家の片づけ支援へ。私と立部さんは避難所支援を。まず避難所の図工室、体育館をまわりました。図工室はペットとすごせる部屋です。部屋をでてきた方に、<なにか困ったことありませんか?>と尋ねると、「暑いんです」と。部屋にはいり、お話をお伺いすると、私の額にも汗が・・・。冷風扇が1基はいっていましたが、とてもあつかってです。もう1基、クーラーがほしいですね。
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そして体育館へ。体育館では、大学院生の頼政さんが声をかけ、横浜から宇田川さんらが活動をはじめていました。すぐに、避難された方が次々に足湯を求めてこられていました。立部さんも足湯支援の腕をあげていました。
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足湯を待っている人がいるので<肩がこるとか・・少し体をほぐすことやってみますか?>と声をかけ、腕上げや踏みしめをやり終わると、それをみていた方が、「やってください」と。「腰が痛くて」・・・腰を動かす、背を動かす・・・背胸がなかなか動かせない、・・<荷物をもつときも腰だけに力をいれていません?背も股も膝も全身に力をいれるといいですよ>少し背胸を動かせるようになり、「起き上がるとき腰が痛いので今度はほかのところもつかって起きてみます」と。阪神淡路大震災以来、被災地では「リラックス動作法」のチームが避難所で被災された方の心とからだのサポートをしてきました。
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心理士は医療とのコラボも必要ですが、ボラ団体とのコラボが必須です。そうすればもっとはやく被災地で活動できます。そこに人がいれば心理の仕事はかならずあります。でも、直後は「心理」を前面にださない支援が必要です。まずは安全な生活が送れるように、といった視点での支援です。
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子どもたちのことが気になったので、図書館へ。それは、つぎのページで。
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