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2017年4月 1日 (土)

那須雪崩と心のケア(3)なぜ心のサポートチームが必要か

那須雪崩により被災した方・関係者の心のケアについて、碓井先生が、よい記事を書いてくれています。そのなかで、補足したい箇所があります。
 
心のケアというと、すぐに精神科医とか心理カウンセラーと言われることがありますが、緊急時には違います。
 これはまったく、そのとおりですが、だからといって心のケアの専門家は急性期は必要ないのではありません。
 
 まったくそのとおりとは、保護者や教職員など身近な信頼できる人こそ、癒やす力があるからです。災害事件事故から1週間は、クラスメイトは、亡くなった方の葬儀への参列、安全・安心な生活をとりもどす。そして、雪崩から救出された方が「記憶が飛んでいる」と報道されているように、心をマヒさせて、受けいれがたい出来事を受けとめようとしていると思われます。しかし、身近な人も、マヒや再体験(こわい夢をみる、蘇って日常生活がとまる)といったトラウマ反応を示す家族にどうかかわっていいかわからなくなっていくのです。
 
 この時期必要なことは、臨床心理士資格などをもった教師やスクールカウンセラーや医師らによる「心のケアチーム」を作り、以下の「心のケアプログラム」を策定して、学校関係者に提案することです。ですから、急性期に、心のケアの専門家は必要なんです。
 
 1.身近な人がどうかかわることが回復をうながし、ストレス障害のリスクを減じるかの知識と方法を伝える。メッセージやリーフレットも、時期に応じて、発信していく必要があります。急性期には活字が目にはいらないので簡潔なものが求められます。
 
 2.被災した当事者やクラスメイトは、どう自分をケアをしていいかわからなくなります。ですから、少しずつ、心身反応の意味と対応を知る必要があるのです。それには、セルフケアのためのチェックリストが有効です。でも、これは、「はい明日やりましょう」、といったことは学校ではできないのです。いつ、どんなチェックリストを実施するのか、事前に、計画を立てて、専門家間で共通理解をはかっておかなければなりません。トラウマ反応には、22項目のIES-r(Weiss&Marmar,1997)が有名ですが、それは急性期に使うことはのぞましくないと今は考えられています。
 ストレスチェックリストも、セルフケアの知識やストレスマネジメント体験をセットに1時間のコマを使うことが必要です。しかし、進学校になればなるほど、心のケアのために1時間授業を使うことがむつかしくなるのです。
 
 3.学校が再開されると、生徒たちは日常をがんばりますから、ねむれていなくても、悪夢をみていても、がまんしてがんばりつづけることがあります。それを身近な人がみて、安心してしまうのです。眠れていない、悪夢をみている、そういった反応をがまんして、身近な人にも見えにくくなるのです。
 
 4.ストレス障害のリスク要因として、出来事前の経験、出来事そのもの、出来事からの経過の3つのフェーズにわけることができます。多くの人はトラウマ反応を減衰させる自己回復力をもっています。経過におけるリスク因は、強い回避と自責感です。でも、それはみようとしなければみえないのです。そして、数ヶ月が経過したころに、学校に行けなくなる、成績ががくんと落ちる、イライラしてそれまでキレなかった子がキレる、そういったことが起こることがあるのです。
 
ですから、セルフケアの力を高めるため<心のケアチーム>が必要なんです。
 

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