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2017年4月

2017年4月23日 (日)

公認心理師について(27)養成システムについて

公認心理師養成は、「大学」での養成が適切で、「専修学校」での養成は適切でないことを、①各資格法の目的と定義(業)

実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議(第1回)」(平成2610月)の資料

を引用しながら述べます。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/061/gijiroku/1352719.htm

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/061/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2014/10/23/1352719_8.pdf

 

それは、学校教育法に定められているように、「大学」と「専修学校」では、人材育成の目的が異なるからです。

 

学校教育法第八十三条  大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。

第百二十四条  (略)、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として、次の各号に該当する組織的な教育を行うもの(略)は、専修学校とする。

  

わが国で、医療、保健、教育での人材育成が、「大学」、「短期大学」、「高等専門学校」、「専門学校」、「高等学校」の卒業者や在学者がどれくらいの比率にあるのかを、「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議(第1回)」(平成2610月)(参考資料4:実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する基礎資料)から一部抜粋します。

参考資料4の17ページ(スライド番号15)に、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校、高等学校卒業者の産業別就職者数が記載されています。ここでは、教育・学習支援 と 医療・福祉を抜粋して、%を計算してみました。これをみると、医療・福祉では、専門学校の占める割合が33.8%と教育・学習支援の4.8%に比べて極めて高いことがわかります。

 

     ⑮教育、学習支援 

大学  30,622 (78.0%)

短期大学   6,228 (15.9%)

高等専門学校   11 ( 0.0%)

専門学校  1,880 ( 4.8%)

高等学校  497 ( 1.3%)

  39,238 

 

⑯医療、福祉 

大学     50,063 (37.2%)

短期大学   22,191 (16.5%)

高等専門学校   11 ( 0.0%)

専門学校   45,438 (33.8%)

高等学校   16,734 (12.4%)

134,437 

 

さらに22ページ(スライド番号20)から27ページ(スライド番号25)までに、学校基本調査に基づく「大学・短期大学・高等専門学校・専門学校の各分野の具体例及び関連する資格例として」の在校者数とその資格が記載されています。ここでは、公認心理師資格と関連のある保健、教育を抜粋してみます。

 

大学 

 保健253,183 9.9

 

 医学医学、医学類49,146 1.9 医師

 歯学歯学15,789 0.6 歯科医師

 薬学薬学、薬剤学、製薬科学、漢方薬学61,747 2.4 薬剤師

 看護学看護学、衛生看護学、保健看護学53,690 2.1 看護師

 その他保健学、放射線学、理学療法学、作業療法学72,811 2.8 診療放射線技師、理学療法士、作業療法士保健師診療情報管理士、医療情報技師

 

 教育166,980 6.5

 

 教育学教育学、教育心理学、産業教育学25,988 1.0 教員免許

 小学校課程小学校教員養成課程10,237 0.4 教員免許

 中学校課程中学校教員養成課程1,143 0.04 教員免許

 程中等教育教員養成課程3,014 0.1 教員免許

 養護学校課程養護学校教員養成課程82 0.003 教員免許

 幼稚園課程幼稚園教員養成課程160 0.01 教員免許

 体育学体育学、健康学、健康教育学、武道学31,097 1.2 教員免許

 障害児教育課程障害児教育教員養成課程149 0.01 教員免許

 程特別支援教育教員養成課程1,222 0.05 教員免許

 その他幼児教育学、児童教育学、教養学科93,888 3.7 教員免許

 

短期大学 

 保健12,462 8.3

 

 看護学看護、厚生、衛生看護6,418 4.3 看護師、助産師保健師

 その他放射線、栄養、理学療法学、作業療法学、言語聴覚療法6,044 4.0 診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士栄養士

 

 教育45,475 30.4

 

 初等教育初等教育、児童教育4,967 3.3 幼稚園教諭、小学校教諭保育士

 幼稚園教育保育、幼児教育、児童福祉学37,445 25.0 幼稚園教諭保育士

 体育体育、保健体育、健康・スポーツ学1,028 0.7 中学校教諭健康運動実践者、公認スポーツ指導員

 その他子ども2,035 1.4 保育士、幼稚園教諭、小学校教諭

 

専門学校 

 医療関係194,439 34.4

 

看護看護、高等看護90,397 16.0 看護師

 准看護准看護634 0.1 准看護師

 歯科衛生歯科衛生13,234 2.3 歯科衛生士

 歯科技工歯科技工2,879 0.5 歯科技工士

 臨床検査臨床検査3,932 0.7 臨床検査技師

 診療放射線診療放射線、放射線、レントゲン2,481 0.4 診療放射線技師

  はり・きゅう・あんまはり、きゅう、鍼灸マッサージ12,515 2.2 あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師

 柔道整復柔道整復、柔整16,155 2.9 柔道整復師

 理学・作業療法理学療法、作業療法、リハビリテーション35,473 6.3 理学療法士、作業療法士

 その他医学技術、視能訓練、保健師、助産師16,739 3.0 言語聴覚士、視能訓練士、助産師保健師

  

 教育・社会福祉関係38,101 6.7

 

保育士養成保育、保育士9,343 1.7 保育士

 教員養成幼児教育、幼稚園教諭、養護教育4,248 0.8 幼稚園教諭

 介護福祉介護福祉16,217 2.9 介護福祉士

 社会福祉社会福祉4,658 0.8 社会福祉士、精神保健福祉士、訪問介護員

 その他ボランティア3,635 0.6 TOEICTOEFL

 

※区分、学生数、構成比については文部科学省「学校基本調査」より 

 

教育での専門学校に在席する学生で、教員養成に関しては取得する免許は幼稚園教諭に限られている(栄養教諭も専門学校での養成があるようですが)ことがわかります。すなわち、小中高特別支援学校の教員の養成は「大学」で行われていて、「専門学校」ではないのです。

 

ここで、学校の教員は、「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」(教育基本法9条)と定義されています。

すなわち、臨床検査技師法、理学療法・作業療法士法などは、その業は「〇〇検査、〇〇療法を行うを業とする」と記載されており、「実践的な職業教育、専門的な技術教育」(文部科学省Hpより)の機関である専修学校での養成も適している考えられるのに対し、

一方で、小中高特別支援学校の教員の養成は、人への「教育」の営みのため、技術教育、職業教育に特化する養成は適切ではないのです。

 

もし「心理検査技師」や「心理療法師」であれば、実践的な職業教育、専門的な技術教育の教育機関も適切かもしれません。しかし、公認心理師の第1条と第2条はそうではないのです。一方、社会福祉士、精神保健福祉士の業は、「相談」や「援助」であり、公認心理師法の第2条の2と3に類似しています。

しかし、公認心理師法には、第2条4「心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。」が置かれていることが異なる点です。

すなわち、公認心理師の専門性は、医療・保健、福祉に特化した資格ではなく、「国民への心の健康に関する教育」が含まれているのです。学校の教員の養成が大学で行われてきたことから、公認心理師養成はその目的と業から、大学の養成でなければならないのです。

そして、ワーキングチーム素案(2017413日開催、第3回検討会)に、大学院の科目に「心の健康教育に関する理論と実践」が置かれています。

7回ワーキングの議事録が公開されています。北村座長は「新しく追加として教育ですが、臨床心理士の方が学校現場あるいは地域の集まりとか、そういうところでクライアントではない人たちに、心の健康の重要性を教えるというような場面が多いように思いますが、その際に、教育に関する理論と実践のようなものを学んでおいたらどうかという御意見と理解しています。」と述べています。

公認心理師養成で、真に「国民の心の健康の保持増進に寄与」を実現できるよう、検討委員会の座長はじめ委員の先生方に大いなる期待をしております。

 

そして、臨床心理士資格は、さらなる展開の時代を迎えると思います。それは、心理療法の国家資格をにらんで、大学院・臨床心理士養成コースで学んだものが、修了後、2-3年で、心理療法による事例を数例とりまとめ、面接試験を受けるといった制度(仮称・専門臨床心理士)を発足させてはどうでしょう。

 

公認心理師法
 (目的)第一条 この法律は、公認心理師の資格を定めて、その業

務の適正を図り、もって国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とする。
 (定義)第二条 この法律において「公認心理師」とは、第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。
 一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
 二 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。


臨床検査技師に関する法律

(目的)第一条  この法律は、臨床検査技師の資格等を定め、もつて医療及び公衆衛生の向上に寄与することを目的とする。
(定義) 第二条  この法律で「臨床検査技師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床検査技師の名称を用いて、医師又は歯科医師の指示の下に、微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査、病理学的検査、寄生虫学的検査、生化学的検査及び厚生労働省令で定める生理学的検査を行うことを業とする者をいう。

とその目的と定義(業)が記載されている。

 

理学療法士及び作業療法士法

 (この法律の目的)

第一条  この法律は、理学療法士及び作業療法士の資格を定めるとともに、その業務が、適正に運用されるように規律し、もつて医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条  この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。

 この法律で「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。

 この法律で「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者をいう。

 この法律で「作業療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行なうことを業とする者をいう。

 

社会福祉士及び介護福祉士法

(目的)

第一条  この法律は、社会福祉士及び介護福祉士の資格を定めて、その業務の適正を図り、もつて社会福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条  この法律において「社会福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者(第四十七条において「福祉サービス関係者等」という。)との連絡及び調整その他の援助を行うこと(第七条及び第四十七条の二において「相談援助」という。)を業とする者をいう。

  この法律において「介護福祉士」とは、第四十二条第一項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であつて、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」という。)を業とする者をいう。

 

精神保健福祉士法

(目的)

第一条  この法律は、精神保健福祉士の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって精神保健の向上及び精神障害者の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条  この法律において「精神保健福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、精神保健福祉士の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 (平成十七年法律第百二十三号)第五条第十六項 に規定する地域相談支援をいう。第四十一条第一項において同じ。)の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うこと(以下「相談援助」という。)を業とする者をいう。

 

  医師法

第一条  医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

 

薬剤師法

(薬剤師の任務)

第一条  薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

 

2017年4月17日 (月)

公認心理師について(26)専修学校+実務経験?養成(2)

Τακäħjrö Ιŋøüéさんが、社会福祉士、精神保健福祉士などの法をツイートしてくれました。社会福祉士や精神保健福祉士は、専修学校での養成が含まれています。そして、その目的と定義は、公認心理師と類似する点があります。そのため、公認心理師養成も、専修学校を含むべきだ!との論理が成り立つのでは?という意味かなと推測しました。

しかし、医師法と薬剤師法を併せて読むと、公認心理師は、大学+大学院養成が、公認心理師法の第1条・第2条から、妥当であることがわかります。

どうわかるんだという声が聞こえますが、これは、みなさん、いっしょに、結論をだしていきましょう。どうぞ、ブログのコメントにご意見をお寄せください。

 

社会福祉士及び介護福祉士法

(目的)

第一条  この法律は、社会福祉士及び介護福祉士の資格を定めて、その業務の適正を図り、もつて社会福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条  この法律において「社会福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者(第四十七条において「福祉サービス関係者等」という。)との連絡及び調整その他の援助を行うこと(第七条及び第四十七条の二において「相談援助」という。)を業とする者をいう。

  この法律において「介護福祉士」とは、第四十二条第一項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であつて、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」という。)を業とする者をいう。

 

精神保健福祉士法

(目的)

第一条  この法律は、精神保健福祉士の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって精神保健の向上及び精神障害者の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条  この法律において「精神保健福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、精神保健福祉士の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 (平成十七年法律第百二十三号)第五条第十六項 に規定する地域相談支援をいう。第四十一条第一項において同じ。)の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うこと(以下「相談援助」という。)を業とする者をいう。

 

  医師法

第一条  医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

 

 

薬剤師法

(薬剤師の任務)

第一条  薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

 

公認心理師について(25)専修学校+実務経験?

2017年4月13日に第3回公認心理師カリキュラム等検討会が開催され、
資料3 公認心理師法における「その他その者に準ずるもの」(たたき台)
のなかに、「大学において必要な科 目を修めて卒業した者」が、
「○大学において法第7条第2号に規定する大学における必要な科目を修めて、 飛び入学制度により大学院への入学を認められた者
○専修学校の専門課程において法第7条第2号に規定する大学における必要な 科目を修めて卒業した者」
 
と掲げられ、「大学」だけでなく「専修学校」も公認心理師養成に参画する(たたき台)が公表され、twitterで議論騒然となっている。
 
専修学校の卒業者の方が大学の卒業者よりも就職率が良いことが報告されており、どちらが上位というのではない。大学にもっと職業教育をいれるべきという意見もあり、双方のメリットとデメリットがある。
 
 
学校教育法に定められているように、大学と専修学校では、人材育成の目的が異なることを把握して、公認心理師カリキュラム等を検討してほしい。
 
ここで、「大学」と「専修学校」の違いは「学校教育法」に記載されている。
 
学校教育法
第八十三条  大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。
第百二十四条  第一条に掲げるもの以外の教育施設で、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として次の各号に該当する組織的な教育を行うもの(当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるもの及び我が国に居住する外国人を専ら対象とするものを除く。)は、専修学校とする。
 
 
文部科学省のHp.によれば
「専修学校は、昭和51年に新しい学校制度として創設されました。学校教育法の中で専修学校は、「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図る」ことを目的とする学校であるとされ、実践的な職業教育、専門的な技術教育を行う教育機関として、多岐にわたる分野でスペシャリストを育成しています。」
と記載されている。
 
 
対人援助の国家資格としては、医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、看護師などがあるが、専修学校でも養成しているのは、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師などである。
 
例えば、臨床検査技師に関する法律によれば、
(目的)第一条  この法律は、臨床検査技師の資格等を定め、もつて医療及び公衆衛生の向上に寄与することを目的とする。
(定義) 第二条  この法律で「臨床検査技師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床検査技師の名称を用いて、医師又は歯科医師の指示の下に、微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査、病理学的検査、寄生虫学的検査、生化学的検査及び厚生労働省令で定める生理学的検査を行うことを業とする者をいう。
とその目的と定義(業)が記載されている。
 
 
一方、公認心理師法では、
 (目的)第一条 この法律は、公認心理師の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とする。
 (定義)第二条 この法律において「公認心理師」とは、第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。
 一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
 二 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。
と記載されている。
 
 
もし、「公認心理師」ではなく、「心理検査技師」であれば、「専修学校」での養成も考えられるかもしれない。しかし、公認心理師の目的と定義からして、専門的な技術教育に重きを置いた専修学校は適合しないことは明かである。
 
精神科団体の委員に、心理の多くの委員から、「公認心理師」であって「心理検査技師」ではないことをはっきり伝えてほしい。また、公認心理師カリキュラムをとりまとめている厚労省・文科省の官僚は、法の体系から、適切な養成となるようにたたき台を修正していただきたい。

2017年4月 1日 (土)

那須雪崩と心のケア(3)なぜ心のサポートチームが必要か

那須雪崩により被災した方・関係者の心のケアについて、碓井先生が、よい記事を書いてくれています。そのなかで、補足したい箇所があります。
 
心のケアというと、すぐに精神科医とか心理カウンセラーと言われることがありますが、緊急時には違います。
 これはまったく、そのとおりですが、だからといって心のケアの専門家は急性期は必要ないのではありません。
 
 まったくそのとおりとは、保護者や教職員など身近な信頼できる人こそ、癒やす力があるからです。災害事件事故から1週間は、クラスメイトは、亡くなった方の葬儀への参列、安全・安心な生活をとりもどす。そして、雪崩から救出された方が「記憶が飛んでいる」と報道されているように、心をマヒさせて、受けいれがたい出来事を受けとめようとしていると思われます。しかし、身近な人も、マヒや再体験(こわい夢をみる、蘇って日常生活がとまる)といったトラウマ反応を示す家族にどうかかわっていいかわからなくなっていくのです。
 
 この時期必要なことは、臨床心理士資格などをもった教師やスクールカウンセラーや医師らによる「心のケアチーム」を作り、以下の「心のケアプログラム」を策定して、学校関係者に提案することです。ですから、急性期に、心のケアの専門家は必要なんです。
 
 1.身近な人がどうかかわることが回復をうながし、ストレス障害のリスクを減じるかの知識と方法を伝える。メッセージやリーフレットも、時期に応じて、発信していく必要があります。急性期には活字が目にはいらないので簡潔なものが求められます。
 
 2.被災した当事者やクラスメイトは、どう自分をケアをしていいかわからなくなります。ですから、少しずつ、心身反応の意味と対応を知る必要があるのです。それには、セルフケアのためのチェックリストが有効です。でも、これは、「はい明日やりましょう」、といったことは学校ではできないのです。いつ、どんなチェックリストを実施するのか、事前に、計画を立てて、専門家間で共通理解をはかっておかなければなりません。トラウマ反応には、22項目のIES-r(Weiss&Marmar,1997)が有名ですが、それは急性期に使うことはのぞましくないと今は考えられています。
 ストレスチェックリストも、セルフケアの知識やストレスマネジメント体験をセットに1時間のコマを使うことが必要です。しかし、進学校になればなるほど、心のケアのために1時間授業を使うことがむつかしくなるのです。
 
 3.学校が再開されると、生徒たちは日常をがんばりますから、ねむれていなくても、悪夢をみていても、がまんしてがんばりつづけることがあります。それを身近な人がみて、安心してしまうのです。眠れていない、悪夢をみている、そういった反応をがまんして、身近な人にも見えにくくなるのです。
 
 4.ストレス障害のリスク要因として、出来事前の経験、出来事そのもの、出来事からの経過の3つのフェーズにわけることができます。多くの人はトラウマ反応を減衰させる自己回復力をもっています。経過におけるリスク因は、強い回避と自責感です。でも、それはみようとしなければみえないのです。そして、数ヶ月が経過したころに、学校に行けなくなる、成績ががくんと落ちる、イライラしてそれまでキレなかった子がキレる、そういったことが起こることがあるのです。
 
ですから、セルフケアの力を高めるため<心のケアチーム>が必要なんです。
 

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