那須雪崩と心のケア
7名の高校生と1名の教員が亡くなり、40名がけがをしていると報道されています。今後、当事者・関係者のストレス関連障害が危惧されます。
この時期には、心のケアの専門家による個別のカウンセリングではなく、家族や身近な人によるサポートこそ必要です。しかし、治療を受けている医療機関では、体の医療支援とともに、心のケア支援も必要でしょう。この時期に大切なことは、長期支援を視野にいれた心のケアの支援体制を整えることです。
しばらくは睡眠・食欲・体調といった日常の健康観察をベースにサポートしてほしいです。そしてトラウマ・ストレスについて学ぶ機会を3週間(この時期の特定は現場での支援を続けている専門家とも協議して)後には設けてほしいです。ストレス障害のリスク要因は強い回避と自責感です。時が経つにつれ、そのことにはふれたくない、思いだしたくないといった反応が強くなることがあります。それが回避ですが、この回避は当事者だけでなく、関係者にも起こります。ですから、このことに関連すること全てを避けたくなり、心のケアの企画もやりたくないといった動きが起こることがあります。
しかし、思いだしてつらくなった(再体験)ときどうしたらいいか、怖い夢をみた(再体験)ときどうしたらいいか、それらを学んでおくことが必要です。再体験とマヒが対の反応で、再体験が起こるきっかけ(トリガー)にふれないように避けるのが回避です。回避は反応であるとともに対処です。急性期の回避は必要ですが、少しずつ向き合う対処をとりいれていく方が、ストレス障害のリスクを減じます。そして、亡くなった人を心のなかに生かしていく喪の作業をすすめていくことが必要です。
今必要なことは、教育関係者・臨床心理士・医師らで、長期サポートチームを作ることです。そのチームが長期的な支援計画を立て、サポートしていきます。また、地元の医療機関に、トラウマフォーカスト認知行動療法などが実践できるストレス関連障害の治療の専門家を配置することも必要です。
一方で、安全教育の一環として行われていた中で起きた事故(ご遺族は”事故”ではなく”事件”といわれるかもしれません)です。雪崩といった自然現象をどのように学んでいたのか、教師の提案に生徒が意見をいえる体制ができていたのか、この悲しい出来事を二度と繰り返さない体制づくりを構築する必要があります。
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