2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 2017年2月 | トップページ | 2017年4月 »

2017年3月

2017年3月30日 (木)

那須雪崩と心のケア(2)心のサポートチームの結成を!

NHKニュースによると、高校で全校集会が開かれ
また、スクールカウンセラーの男性が
▽事故のことを考えすぎないようにすることや
▽ストレスや不安を感じたらすぐに担任の教員に相談することなどを
呼びかけたということです。
(NHK2017・2・29 12:03)
 
と報道されています。記者さんが直接集会に立ち会ったのではなく、参加した生徒さんらからの取材での記事ですから、このメッセージが実際どうであったかはわかりません。
もし、私がこの立場であったら、なんとメッセージを送るか考えてみました。
 
□ねむれない、ずっと考えてしまう、心が(マヒして)何も感じられない、など心とからだにさまざまな変化があらわれます。それは、この出来事を心とからだが懸命に受けとめようとしている証であり、だれにでも起こる反応です。
 
□この出来事に向き合うときと、日常の生活(勉強・部活など)を送ることを、きりわけていきます。
 
向き合うこととして、
・突然、亡くなった友に、今まで出会って感じてきたこと思ったことのメッセージを手向けるのもいいでしょう。(ことばにするには、時が必要な人もいるかもしれません)。
 
わが子を亡くしたお父様が、お子さんの携帯のLINEにたくさんの書き込みがされているのをみて、「あーこんなにたくさんの友だちがいたんだ・・・」と涙ぐんでおられたのが放映されていました。ご家族が知らなかった子どもさんのこと、たくさん伝えてあげてください。
 
日常生活をしっかり送るために、
・水分をとる、糖分をとる、食欲がなくても、からだに栄養を送ってあげてください。ねむれなくても、よこになってからだを休めてあげてください。少しずつ、日常生活を取り戻していきます。
 
ストレス障害のリスク要因は、強い回避と自責感です。
「考えないようにしよう」と努力しても、考えてしまう出来事なのです。もし、夜眠ろうとしたとき、いろんなことが頭に浮かんで考えてしまうことがあれば、「『考えないようにしよう』ではなく、『そのことはとても大切なこと、しっかり考えよう。でも、今は、からだを休めて眠りにつこう』、額に力をいれてふわーっとぬこう」と。
 
また、ある報道では、4時間後に救出された生徒さんもおられたようです。まずは体の治療でしょうが、これは過酷なトラウマ体験です。マヒして思い出せないかもしれません。そして、悪夢やなにかのきっかけ(トリガー)で、その体験がありありと思いだされて苦しくなることがあります。でも、そのときは、やっと、あの記憶を受けとめる心の準備ができてきたんだ、それは回復の道のりなのだ、と思うのもいいでしょう。経験したことを思いだして、いずれ、書き綴ることは、雪崩に巻き込まれたときどうすればいいかを学ぶ大切な手がかりになるでしょう。しかし、それは、とても苦しく長い道のりかもしれません。立ち会う人の応援が必要になります。
 
大切なお子さまを亡くされたご家族、そして、友だち・教職員、全ての方に、強い悲嘆反応とトラウマ反応がみられるでしょう。
 
 
県教委は、原因究明と再発防止のための第三者検証委員会を設置すると報道されています。
 
県教育委員会は29日、原因究明と再発防止のための第三者検証委員会を設置することを明らかにした。学識経験者ら約15人で構成し、4月上旬にも第1回会合を開く。(日本経済新聞、2017年3月30日0:30)
 
ラッセル訓練を指揮した教師の会見が報道されています。
 
登山を中止しながら、雪をかき分けて進む「ラッセル」訓練を実施した責任を問われると「委員長は私」としつつ、ベテラン教諭2人と電話で相談して決めたことを強調。数年前にも同じ場所でラッセル訓練をしたことがあったといい「とにかく生徒たちに雪に触れさせたかった」と話した。(産経ニュース、2017年3月30日 0:13発)
 
 当事者が、時系列で、行動・考えをあきらかにすること、その作業はつらく苦しいでしょう。二度とこのような悲しいことが起きないようにするための大切な情報になります。ですから、第三者検証委員会の設置は必要でしょう。
 
 そして、もう一つ必要なことがあります。それは、<心のサポートチーム(心のケアチーム)>の設置です。教育関係者(臨床心理士資格などをもった指導主事)、スクールカウンセラー、精神科医などでチームを作る必要があります。学校で生徒や保護者にどのようなメッセージを送り、どのように心のケアをしていくのか、チームをつくり、今考えられるベストのサポートプログラムを作り、支援していきます。
 
スクールカウンセラー派遣がニュースで流れています。
 
4校にスクールカウンセラー派遣(毎日新聞
スクールカウンセラーが応援・支援するにしても、必ず、チームを結成しておく必要があります。それも、長期的に支援するチームです。

2017年3月28日 (火)

那須雪崩と心のケア

7名の高校生と1名の教員が亡くなり、40名がけがをしていると報道されています。今後、当事者・関係者のストレス関連障害が危惧されます。

この時期には、心のケアの専門家による個別のカウンセリングではなく、家族や身近な人によるサポートこそ必要です。しかし、治療を受けている医療機関では、体の医療支援とともに、心のケア支援も必要でしょう。この時期に大切なことは、長期支援を視野にいれた心のケアの支援体制を整えることです。

 しばらくは睡眠・食欲・体調といった日常の健康観察をベースにサポートしてほしいです。そしてトラウマ・ストレスについて学ぶ機会を3週間(この時期の特定は現場での支援を続けている専門家とも協議して)後には設けてほしいです。ストレス障害のリスク要因は強い回避と自責感です。時が経つにつれ、そのことにはふれたくない、思いだしたくないといった反応が強くなることがあります。それが回避ですが、この回避は当事者だけでなく、関係者にも起こります。ですから、このことに関連すること全てを避けたくなり、心のケアの企画もやりたくないといった動きが起こることがあります。

しかし、思いだしてつらくなった(再体験)ときどうしたらいいか、怖い夢をみた(再体験)ときどうしたらいいか、それらを学んでおくことが必要です。再体験とマヒが対の反応で、再体験が起こるきっかけ(トリガー)にふれないように避けるのが回避です。回避は反応であるとともに対処です。急性期の回避は必要ですが、少しずつ向き合う対処をとりいれていく方が、ストレス障害のリスクを減じます。そして、亡くなった人を心のなかに生かしていく喪の作業をすすめていくことが必要です。

今必要なことは、教育関係者・臨床心理士・医師らで、長期サポートチームを作ることです。そのチームが長期的な支援計画を立て、サポートしていきます。また、地元の医療機関に、トラウマフォーカスト認知行動療法などが実践できるストレス関連障害の治療の専門家を配置することも必要です。

一方で、安全教育の一環として行われていた中で起きた事故(ご遺族は事故ではなく事件といわれるかもしれません)です。雪崩といった自然現象をどのように学んでいたのか、教師の提案に生徒が意見をいえる体制ができていたのか、この悲しい出来事を二度と繰り返さない体制づくりを構築する必要があります。

2017年3月10日 (金)

公認心理師について(24)医療委員による研修プログラム

公認心理師カリキュラム試案が第7回ワーキング会議資料として掲載されています。
そのなかで、中嶋委員による学部卒+実務経験コースの研修プログラム案が提示されています。それをみると、公認心理師資格取得後の医療機関での勤務スケジュールのように思えてなりません。
 例示の1週間のスケジュールをみると、リエゾン(身体疾患のある人への心理支援活動)ミーティング、個別相談、ものわすれ外来、緩和ケアと一日のスケジュールがびっしり書かれています。
 
①それらの活動についてのSVの時間が記載されていません。夕方以降、指導者によるSVがあるのでしょうか。
 
②大学院9科目に対応する履修はいつするのでしょうか?やはり担当の指導者がするのでしょうか?大学院担当教員には業績審査があります。それに対応する指導者の業績審査はあるのでしょうか?
 
③教育分野の学外実習はだれが手配するのでしょうか?学外実習の指導はやはり指導者がするのでしょうか?
 
④指導者には手当がでるのでしょうか?手当がでなければとてもではないですが、それを引き受ける人はいるでしょうか?病院管理者の命令であれば引き受けざる得ないのでしょうか?その手当は税金から支出されるのでしょうか?
 
⑤本学大学院では、1学期に修士1年は学部生にcl役を協力してもらい試行カウンセリングを経験してもらい逐語を起こしSVを受けます。それにパスすれば、相談室でのケースを担当できます。それはclを守る手順でもあります。相談料はとりますが大学におさめられ、学生は授業料を支払います。clには、相談を受理するときに、そういったインフォームドコンセントをします。有給の実務経験者(心理士との名称?)は個別相談等で患者さんにどのようなインフォームドコンセントをするのでしょうか?
 
こういった疑問がわいてきます。それなら、香川大学のように、医学部に学部・大学院を設置すれば、いいのではないでしょうか。

« 2017年2月 | トップページ | 2017年4月 »