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2016年11月22日 (火)

公認心理師法について(14)第2回ワーキング

公認心理師カリキュラム等委員会のワーキングの第2回の資料が掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000143121.html
3団体案がこれまでの総意です。
次回の厚労省案は3団体案を基準にしたものであってほしいと思います。
 
このなかで日ごろ心理職の専門家を養成している人なら、「どうして?」と首をかしげてしまう案がプレゼンテーションされています。
 
「大学院は知識は教えなくていい。技能を学ぶところだ。7条-2があるのだから、国家資格の試験に、大学院で学ぶ知識問題はだしてはいけない。」そう主張している日本心理学会ワーキンググループ案です。
学部+実務経験を第一に主張したいのでしょうか。だから、大学院では、知識を学んでも、それは国家資格の試験問題にはしないよ、という論理なんでしょうか。
付帯決議で、7条2は7条1(学部+大学院)と同等かそれ以上と明記されました。
大学院での学びの質を下げるために、このようなプレゼンテーションをされたのでしょうか。
もし、大学院での知識が必須となれば、学部+実務経験経験者には、週末、知識を学ぶ講義を受けなければなりません。そうなれば、実務経験は2年では到底不可能だからです。あくまで、実務経験2年を主張している医療団体を応援しているということなんでしょうか。
 
このプレゼンテーションをしている人はわが国の認知行動療法の第一人者ですよね。
理論は学部で学ぶ。確かに、学部で古典的条件づけとオペラント条件づけは学ぶでしょう。PTSDの心理療法の最も信頼性の高いPE(長時間エクスポージャー療法)は、恐怖の古典的条件づけと回避のオペラント条件づけで説明できるかもしれません。でも回避がトラウマ反応であり、自己を守る防衛機制であり、かつ長期の回避がストレス障害のリスク要因であることを、臨床事例とかかわらずして、説明できますか?トラウマ性記憶と海馬の機能を学部で学ばせるんですか?
 
[加筆(2016.11.23)]
いや学部で脳科学とトラウマを学ばせてもいいし、学ぶべきだと思っています。ただ知識は、体験とともにあって、身につくものではないでしょうか。ですから、学部では、学生同士のロールプレイ実習だけでなく、教育現場や福祉現場に身を置いた実習が必要だと私は考えています。ただし、カウンセリングや心理療法によるかかわりを学部ではしません。例えば、児童養護施設での実習では、学習支援や生活支援でしょう。そこで出会う虐待を受けてきた子どもとのかかわりと、本や論文に書かれている虐待トラウマの子どもの姿と何が同じで何が違うかを実習のふり返りで学び直すのです。
知識(理論)と技能は対で学ぶ必要があります。
 
 最近、私のゼミの学部4年生が中学校でいじめとストレスマネジメントの授業をしました。彼女は教育実習で、小学校、中学校と何回も研究授業をやってきていたのですが、10秒呼吸法などを取り入れたストレスマネジメント授業には、自信がなく不安で一杯だったようです。 1クラス目は、スクールカウンセラーとして活動している先輩の授業を補助しました。2クラス目から、彼女が中心で授業をしました。自分の小中時代のいじめの体験を盛り込みながら、4クラスの授業を担任の先生と協働で授業をしました。これは、公認心理師法第2条の公認心理師の業の4心の健康の知識の普及に合致します。彼女の教育実習の経験は、心理学を取り入れた「いじめ防止授業」の実施に役に立ったわけです。
 
 公認心理師カリキュラム等委員会の座長は医学教育の第一人者であり、公認心理師養成には、コミュニケーション力や患者への共感が第一に重要と発言されています。心理学の科目単位以外の実習科目でも、コミュニケーション力や共感を培う土台となる実習には、それ相当の評価をしてほしいと思います。
 

○北村座長 進め方のポイントが2つあって、1番は、役割、知識、技術について。技能、技術についてということで、公認心理師のカリキュラムのための根本的なところを考えようということだと思います。今御発言があった専門に分かれている学校心理士や産業心理士とかいろいろとあるけれども、その根底というか、基本になるのが公認心理師になると思うので、そこから議論をしていただきたいということ。

 小学校ではどうなのか、実は分からないですが、医療現場の教育ではアウトカム・ベースド・エデュケーション、アウトカム、出来上がりを見て教育、カリキュラムを作る。今までの大学教育では単位を集めていき、30単位集まれば卒業ですと。そうすると、ジクゾーパズルのピースは30個集まったけれども絵にはならないと。そうではなくて、例えば公認心理師はこういうことを知っている、こういうことができる、こういう心を持っているという出来上がりを考えて、それをカリキュラムに落とし込んでいく。医学で言うと内科、外科、小児科、産婦人科の単位を取って、医者になってみたら人の話を聞けない、人のことを思いやれないという、コミュニケーション能力がないとか。内科、外科、産婦人科、小児科の中には、それぞれコミュニケーション能力や患者を思いやる心というのは本来あったはずなのですが、その学問が中心になってしまったために、この間というか、一番大事なところが抜けてしまったのです。だからこの1番の意味というのはそういう抜けがないように、出来上がった公認心理師は、何はともあれ患者の話が聞けるとか、患者に対して共感できるとか、そのような根本的なところから考えていただいて、それをカリキュラムに落とし込もうという発想だと私は理解しています。 (第1回カリキュラム等委員会議事録より)

 
ぜひ、厚労省の公認心理師カリキュラム等検討会のホームページを読んでほしいと思います。
 
また、第2回ワーキングの資料をみなさん読んでください。日本の心理臨床のこれからが決まる大事な養成案です。
もし厚労省案が日本心理学会ワーキング案をベースにしたものであれば、みんな声をあげましょう!それはNo!だと。

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