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2016年7月

2016年7月10日 (日)

熊本地震と心のケア(43)熊本県発信 災害後の心のケアYouTube

熊本県が、災害後の心のケアのビデオを作成し、YouTube で発信しています。
おとな、支援者、子どもと、熊本県の担当課の方がインタビュー形式でわかりやすく広報
されています。

2016年7月 3日 (日)

熊本地震と心のケア(42)低学年児童へのくまモン心のサポート授業

くまモン劇場 45分授業

担任くまモン SCスクールカウンセラー

準備物、「healthcheckemgradfirstsecond.pdf」をダウンロード

「bousaikokoroteigakunen.pdf」をダウンロード

 

≪導入≫

担任:(パソコンにつないだスクリーンを指さして)「みんなで読んでみましょう!」

「こころのさぽーとじゅぎょう」「こんなとき、どうする?」

担任:「たいへんなことがありましたが、まいにち、みんなは眠れているかな?ごはんはたべているかな?自分の心とからだについて考える時間です。そして、眠れない時は、どうすれば眠れるか、(スクールカウンセラーの○○先生)といっしょに考える時間です。

 

担任・SC:けんこうアンケートを配布する。

 名前、出席番号を書いて、男女に、あてはまる方に○をします。

 1週間を思い出してください。ねむれたかな?イライラしたかな?こわいきもちはどうだったかな?・・・・はい目をあけて。

 1,なかなか、ねむれないことがある ・・・

 2,むしゃくしゃしたり、いらいらしたり、かっとしたりする

 3、こわくて、おちつかない   またよしんがあるかな?こわいな?おちつかないな?

 4,頭やお腹が痛かったり、からだの調子が悪い

 5,ごはんがおいしくないし、食べたくないことがある

(10分) 子どもが○をしている間に、担任は、くまモンのコスチュームを着に教室をでます。

 

<くまモン>CDかける

くまモン(担任)「はーい・・・。」(くまモンの着ぐるみをきて元気のなさそうに登場)

SC「くまモン、なんだか元気がないよね?(とっても心配そうに)

くまモン「実は・・・夜眠れないんだ。」(暗い顔)

SC「え、ねむれないの?みんなくまモンさんが、夜眠れないんだって。みんな、どうすれば、眠れるようになるか、くまモンさんに教えてあげて!」

(眠りのための対処を児童からひきだす)

 

子どもに挙手で発言をもとめる。このとき、手をあげて、ほかの子は静かに発表者の発言を聞く態度が大切なことを折々に伝える。

 子どもからは、「たのしいことをかんがえる」「めをつぶる」「ひつじをかぞえる」など発言がなされることが多いかもしれない。それらを板書していく。

 

SC「みんないろんな方法を知っているね。SCのおすすめやってみようか?」

 (眠りのためのリラックス、低学年版実施:ぎゅーとふわー、眠れない時は、一度ぎゅーっとからだをかちこちにして、そしてふわーっとちからをぬいたらねむれるよ)(くまモンといっしょに ぎゅーふわーのリラックスを体験します)

 

くまモン「だいぶ、すっきりしたけど、でも、・・・・なんか・・・・こわいんだよね(小声で)」

SC「え、なにか、こわいことあるの?くまモンどんなことがこわいのかな?」

児童<(児童からは、あめ、かみなり、じしん という言葉が出るかもしれない)>

SC「そうだよね。SCも、みんなが、地震で大変だよってニュースで聞いたからきたんだよ。みんなは こわいとき、よしんがきてもだいじょうぶなようにしていることあるかな。くまモンさんに、こんなことしたら だいじょうぶだよ っていうの教えてあげて?」

 

(児童の対処、まくらもとに非常袋・かいちゅうでんとうを置く、地震があったら、机の下にもぐる・・・・)

 

SC「ぼうさい っていうんだけど、こうしたらだいじょうぶだよ っていうことをプリントにしてきました(低学年向けプリント 「ゆれても こうすればだいじょうぶ」を配布する)」

 

プリントを読み上げる

SC「まくらもとに、かいちゅうでんとうをおいている人はいますか?」と挙手をしてもらってもいいかもしれない。いろいろ工夫しているんだね。すごいね」

SC「でも、じしん ってきいただけで、ドキドキすることがあるかもしれません、そんなときは、じしんということばが家をこわしたりしません。言葉は安全です。でもドキドキしたら、「ぎゅーふあー」で、ドキドキが小さくなります。

くまモン「そうか、こわい気持ちが小さくなったよ」

SC「こわい気持ちは命を守る大切な気持ちだからね、よかったね、みんなで『くまモンまた来てね』といいましょう!」(くまモン、元気になったー、さあすきなことしよーと教室をるんるんででていく)

 

SC「くまモンよかったね、ところで、イライラすることあるかな?イライラしたときどうしている?」

 

(地震による過覚醒で、ハイになり、ちょっとしたことで乱暴になっていることがあります。それで、「イライラしたとき、どうする」をやっていた方がいいでしょう)

子ども<ものをなげる、たたく、ける、・・・・たのしいことを考える、たのしいことをする・・・>いろいろ発言されるが、

SC「『ものをなげる、たたく、ける』これは、やっていいことですか?」と尋ねる。

このころ担任の先生が教室に入ってくるので

SC「あれ、先生、どこにいってたのですか?今子どもたちに、『イライラしたときどんなことしますか?』と尋ねていたとことでした」

子ども<だめ、やってはだめ!>(いいよ、という発言が多数をしめたばあい、SCは真顔で、イライラしたからたたく、けるはだめです。というのは、たたかれた人は、体が傷つくだけでなく、心も傷つきます。人はことばで気持ちや考えを伝えることができる動物です。

イライラの気持ちをおちつけて、言葉でしっかり伝えましょう!

それも、もうはらたつ、そんなときは、『ぎゅー、ふわー』が使えます。そして「どうしてそんな嫌なことをするの?」ってことばでいいましょう。」

 

授業の感想を書いてもらい終わり。

小1は、まだ字を習ったばかりなので、絵で書いてもらってもいいよと伝えるとともに、言葉も少しは書いてみましょうと、5分~7分くらいは感想を書く時間を確保します。

 

くまモンコスチュームは、通信販売で5000円ほどで購入できます。ただし、夏期の間は、クーラーがない教室では、とても暑くて担任は大変です。それで、くまモンショールというのが3000円弱で売っています。

 

東北被災地では、ドラえもんを活用した授業を、巡回型スクールカウンセラーの渡部友晴さんが考案しました。ドラえもんはネズミがトラウマで、担任がドラえもんの着ぐるみをきて教室にはいってきただけで、教室は爆笑の渦につつまれます。トラウマは安全な安心できる空間で取り扱うことが大事です。

熊本支援で、低学年の授業案を考えていたとき、ドラえもんのことが頭に浮かび、熊本だったったら「くまモン」だ。あるとき、思いつきました。それで、ネット通販で、「くまモン」の着ぐるみを売っているがどうか調べたら、あったんですね。しかも、くまモンショールも、これだ! と思いました。

 

きっと子どもたちは、たのしく、心のサポート授業を体験することができるでしょう。

ぜひ、スクールカウンセラーが担任と協働で、このような授業を行い、子どもたちに、眠れないときのコーピング、余震への恐怖を適切な恐怖に変えるコーピングを伝えてほしいと思います。これは、WHOPFA、つなぐ(Link)にある、対処(coping)にも該当する活動だと思います。また、くまモンというキャラクターは文化そのものであり、地域の文化を尊重した活動でもあります。私たちは、海外でのガイドラインを尊重しながら、かつ、海外のガイドラインにはない、しかし、子どものためになる活動も取り入れる必要があります。

海外のガイドラインにない活動は、防災の活動です。安全感・安心感が第一の必要な体験というのは海外のガイドライン(アメリカ国立PTSDセンターによるPFA,WHOPFA,IASC)に共通です。でも、地震後、避難訓練や防災対策の具体と、それらを心のケアを取り入れて行うことの重要性は海外のガイドラインも、文科省のH26年度版 災害後の子どもの心のケアのガイドラインにも記載がありません。むしろ、文科省のH26年度版には、つぎのように記載されています。

学校における子供の心のケア(文部科学省、H26度版)

「トラウマに触れる可能性がある集団的取り組み(避難訓練、被災当時の回想や津波をテーマにした話し合い等)を学校で行う場合、被災から十分に時間が経過してクラスの子供たちが安定しており、親族・友達を失った子供やPTSDのある子供の回復状況を確認した上で行う必要があります」(40p)

もちろん、災害初期に被災当時の回想や話し合いを行うことは私も反対です。自然に、少しずつ、先生あのねなど生活体験の表現に、自発的に記載されていったものを尊重して取り扱うべきだと思っています。

しかし、避難訓練や防災対策は、命にかかわることです。四川大地震では、余震により、倒壊した家屋で亡くなった生徒がいます。

日本の災害精神医療に携わる専門家と新しいガイドラインの作成を急ぐ必要があります。

支援者間のストレスは、有効なプログラムの共通理解がなされていないことの要因が私は大半だと思います。できるだけ、各領域のリーダーは、子どもたちにとって良い取り組みを、情報交換し、良いガイドラインを作っていこうではありませんか。

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