熊本地震と心のケア(21)防災教育による3つの安心感
1,地震時、余震時に自分がどこにいるかを考えて、そこの安全性を瞬時に判断して、柔軟な行動を取ろう。ネパールでは、地震発生時に外にいて、揺れを感じて慌てて家の中に入って机の下に隠れ、倒壊したレンガの壁に押しつぶされて亡くなった事例を各地で聞きました。机の下に隠れろという教育を、それだけしか答えがないものだと信じて行動した結果です。防災教育の怖さを示しています。
- 外にいたら、そのまま外にいて、何も落ちてこない場所で身の安全をはかりなさい。
- 室内にいて強い建物なら、その中にいて、安全な場所で身を守りなさい。安全な場所とは、「落ちてくるから危ない」「倒れるから危ない」「割れるから危ない」の3つです。
- 室内にいて、建物が脆弱なら、すぐに外に出なさい。
ただし、ネパールに教室はドアが一箇所しかないつくりが多く、今後建設、補修する際は、必ず2つ以上のドアをつけるように、学校だけではなく、建物の建設、補強をしている行政、支援のNGOにも伝えました。
2,災害の後、余震を怖がったり、眠れなくなったり、不安になったり…といった反応は、普通ではない状況での普通の反応だということ。安心していいよというメッセージです。呼吸法などのリラックス法もいいでしょう。
3,強い家、学校の校舎があれば安心だということを、お菓子のパックを使った工作で考えてもらいます。そして、将来家を建てるなら、強い家にしようというメッセージを伝えます。
以上、3つの防災教育で、トータルに安心感を伝えてきました。
(2016年4月30日 文責:諏訪清二)
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