熊本地震と心のケア(18)”地震がこわいよー”と子どもがいったら?
健康チェックで、
<なにかこわいことあるの?>
「地震がこわいよー」
<そうだよね、先生もとてもこわかったよ。よくいってくれたね。こわいときは先生に言ってくれたらいいんだよ>
とやりとりしたとします。
子どもはどれくらい 安心するでしょうか?
子どもは「また地震があったらどうしよう。こわくて眠れないよ!」と、過去の地震の体験から、将来の不安を先生に語っているのかもしれません。
そうすると、過去のことだけでなく未来の不安について、あつかわなければなりません。
<なにかこわいことあるの?>
「地震がこわいよー」
<そうだよね、先生もとてもこわかったし、また、あんな大きな地震があると思うと、とってもこわいよ。だれでもこわいと思うよ。こわい気持ちをよく言ってくれたね。>
「うん、避難所は、こわくて、ねむれないから、車で寝てるの。でも、窮屈でぐっすりねむれない。」
このあと、なんといってあげたらいいでしょうか?
相談に対しては、問題焦点型対処(Problem focused coping:問題に立ち向かう対処、ストレッサーへの対処 と私は呼んでいます)と情動焦点型対処(Emotion focused coping:気持ちについての対処、ストレス反応への対処 と私は呼んでいます)があります。
先生のここまでの応答は、こわいというストレス反応への対処のメッセージです。これは、とても重要ですが、これだけでは、十分ではありません。
これからも起こるかもしれない”地震”というストレッサーに対する対処へのメッセージが必要です。では、どんなメッセージが、問題に立ち向かうメッセージになるでしょうか?
<またあんな大きな地震があっても、(自分で自分の、先生が君たちの)命を守ることができるよ。いま、大きな地震があったって、この建物は、大きな地震でも倒れないようにできてるの。でも、天井に電灯があるよね、あれが落ちてきて頭にあたったら、危ないから、机の下にすっとはいって、机の脚をしっかり握るんだよ。>
でも、ネパール地震では、耐震性の低い建物であったため、校舎は倒壊しました。たまたま土曜日の休みの日であったため、多くの命は奪われなくてすみましたが、地震があったら<机の下に>という防災訓練は、建物の耐震性を考えないと、命を奪ってしまうかもしれないのです。
<いま〇ちゃんの地域の避難所は、△だよね、建物が大丈夫か、検査しているから、大丈夫だよ。でも、おうちの人も心配だから、車で寝泊まりしているんだよね>
NHKニュース(5月2日)で少し気になる記載がありました。
校長は「地震直後だけでなく、地震の『フラッシュバック』はいつ来るか分からない。しばらくは子どもたちに地震の話は控えたい」と呼びかけました。
<フラッシュバックは、安全・安心感が戻ってきて起こることが多いです。そして、それが起こったら(まるであのときの恐怖が今蘇って体ごと苦しくなる)、むしろ、良いことが起こっている、こわい気持ちを閉じ込めていたのが、自然にあふれでてきて、そのことにふれてもいいんだよ、という意味なんだよ。>
<過去の地震体験について、語らせることは、いまは、控えましょう。でも、今後、大きな地震が起こったとき、どうしたら命を守れるかは、しっかり学びましょう>
もうすぐ、「防災と心のケア」のホームページを立ち上げます。
防災の専門家に、この時期、どのようなメッセージを送ったらいいのか、どういう体験が子どもたちや大人に必要なのかを、発信してもらう予定です。
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