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2016年1月17日 (日)

災害・紛争後の子どもの心のケア(5)ボスニアヘルチェゴビナでの日本の貢献―民族融和への厳しい挑戦①

今日は、阪神淡路大震災から21年目です。40代はじめに経験したこの大災害によって、私の活動は障がいのある子どもたち、不登校の子どもたちへの支援から、災害後の子どもたち、虐待を受けた子どもたち、そして紛争後の子どもたちへの支援と拡がっていきました。

 7月はじめから苦手な英会話をなんとかしなくてはと60代の手習いをはじめました。そこでであったのがDMM英会話でした。DMM英会話の講師はフィリピンだけでなく、東欧のセルビア、ボスニアヘルチェゴビナの講師が多く、ほかにも世界各地の講師がノミネートされています。

 

 最近は、ボスニアヘルチェゴビナの講師と毎日25分話しています。私の災害後の子どもの心理支援のパワーポイントやトラウマイメージ動作療法の英文をチェックしてもらううちに、1992年から1995年に起きたボスニア戦争の後遺症の深刻さを知るようになりました。それで最近は、ボスニア戦争後のPTSDの論文をレビューし、講師と話しています。

 

ユーゴスラビアはチトー大統領の死後、セルビア、クロアチア、ボスニアの人たちの宗教を背景にした民族対立が激化、Srebrenicaの大虐殺をはじめ、凄惨な殺戮や民族浄化という集団レイプが起こったそうです。20年後の今もその傷跡は深いようです。

 JICAのボスニアヘルチェゴビナのホームページを見ると、学校建設をはじめこれまでさまざまな取り組みをしてきたことがわかります。それで、ネット検索をしてみると大平剛(2005)の報告書を発見しました。一つの屋根の下に2つの学校が併存していることが書かれていました。また、JICA2002年の時点で、11校の学校を建設したが、彼が訪問した日本が建設した学校では、すべての民族がはいるという約束は守られてなく、かえって民族融和を妨げる結果になっていると報告されています。

 そこで、JICAのボスニアヘルチェゴビナの2010年発信のホームページをみると、日本が建てた学校にIT教育のプログラムを導入し、その時間だけは、複数の民族の生徒がいっしょに学習し、民族融和に貢献していると書かれていました。校舎という建物だけでなく、支援国の教師の研修を行い、人との交流をはかることこそ、本当の支援だと思いました。

http://www.jica.go.jp/balkan/office/information/event/100802.html

また、20145月に大洪水が起こり、それが20年前の戦争を思い出させるものと同時に、民族を超えた支援により民族融和・共存のきっかけになるのではと書かれていました。

http://www.jica.go.jp/topics/notice/20140627_01.html

できれば、日本から災害後の子どもの心のケアチームも送ってほしかったですね。

日本が海外支援をするとき、特に学校の建設というハードの支援には、防災教育や心のケアやIT教育といったソフトの支援を同時にするという原則をつくったらいいと思います。

 あるボスニアヘルチェゴビナの講師が「昨年日本の支援で私の市に1校の学校が建ちました。とても美しい学校です。そして、その学校はすべての民族が入学しています」と今朝話していました。日本が建設した学校の子どもたちは、「私はJapanese Schoolに行っている」と誇らしげに言っているそうです。日本はがんばっている、JICAがんばっていると思いました。でも、そういったニュースは日本では全く伝えられていません。

 その講師にストレスマネジメントがボスニアヘルチェゴビナで行われているかを尋ねたところ、小学校のときからリラクセーションなどストレスマネジメントの授業を受けてきたと言われていました。彼女は戦争の前の年にうまれ、砲撃のシーンを記憶しているといっていました。彼女が受けたストレスマネジメントの授業や今行われているストレスマネジメント授業がどのようなものかもっと知りたくなりました。

 

ボスニア戦争後の子どもの現状と回復は、Hasanović,M.(2011)でレビューされています。

複数の民族が一つの学校で学ぶComprehensive school programと民族ごとにまなぶEthnical school programがあり、大半はEthnical school のようです。Pscho-social programをいれたComprehensive schoolでは、PTSDの発生率が少ないことを見いだした(Hasanović,etal.,2009)とも書かれています。やはり、よい教育がストレス障害を抑制するのですね。

 

Hasanović,M.(2011) Psychological consequences of war-traumatized children and adolescents in Bosnia and Herzegovina. Acta Medica Academica 2011;40(1):45-66

Hasanović M, Srabović S, Rasidović M, Sehović M, Hasanbasić E, Husanović J, Hodzić R. Psychosocial assistance to students with posttraumatic stress disorder in primary and secondary schools in post-war Bosnia Herzegovina. Psychiatr Danub.2009;21(4):463-73.

今日から、「災害後の子どもの心のケア」を「災害・紛争後の子どもの心のケア」とタイトルを変えることにしました。

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