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« 子どもの自殺を防ぐために(1)日本の子どもの自殺防止対策まちがっています | トップページ | The psychological support for children after experiencing disaster ー About the children who were 2 years old and 3 years old in the Great East Japan Earthquake. »

2015年12月23日 (水)

災害後の子どもの心のケア(4)東日本大震災のとき2歳・3歳だった子どもたちの今

東日本大震災での被災地で暮らす人たちのニュースは、東北以外では、めっきり減りました。心理支援の専門家ですら、もう、東南海トラフの対策にだけウエイトを移してしまっています。(福島の現状への憂いはあるかもしれません)
みなさんに知ってほしいのは、震災当時2歳の子どもが今小学1年生、3歳の子どもが小学2年生であり、沿岸で津波を体験した子どもたちのなかに、”つなみ”という言葉を聞いただけで固まってしまったり、ウルウルしてしまいそうな子どもたちがたくさんいるということです。
私は、岩手県教育委員会のスーパーバイザーとして、月に3日間、巡回型スクールカウンセラーたちと今も活動を続けています。
 
そして、さまざまなこころのサポート授業や、カウンセラーや教師のサポートを続けています。
11月に沿岸の小学2年生に実施した「ぼうさいがくしゅうとこころのサポート」授業を紹介します。
≪導入≫
テーマ「ぼうさいがくしゅうとこころのサポート」
「みんなが3才のとき大変なことがありました。それで、命を守るために、ひなんくんれんをしますよね。でも、ひなんくんれんいやだな、っておもうことはないですか?」
 苦しい度チェックリストを配布。やりたくない人はやらなくていいこと。どれくらいいや・こわい・くるしいかチェックしてみましょう。
<ドラえもん~!>CDかける
ドラえもん(担任)「はーい・・・。」(ドラえもんの着ぐるみを着たドラえもんが元気のなさそうに登場)
(子どもたちは着ぐるみを着た担任のドラえもんをみるだけで大喜びです)
とみー「ドラえもん、大丈夫かい?(とっても心配そうに)」
ドラえもんド「実は・・・最近夜眠れないんだ。」(暗い顔)
とみー「え、ねむれないの?みんなドラえもんさんが、夜眠れないんだって。みんな、どうすれば、眠れるようになるか、どらえもんさんに教えてあげて!」
(眠りのための対処を児童からひきだす)
 
とみー「みんないろんな方法を知っているね。とみーのおすすめやってみようか?」 (眠りのためのリラックス、低学年版実施)
ドラえもん「だいぶ、すっきりしたけど、でも、こわいんだよね」
とみー「え、なにか、こわいことあるの?みんなドラえもんさんなにがこわいのかな?」
児童<ねずみ>(大きな声で)
ドラえもん「ぎゃああ~、言わないでよ。その言葉!」(興奮気味に)
とみー「そうか、ねずみ(小さな声で)がこわいんだ。どうして?」
児童<耳かじられて・・・>
とみー「それは、こわいね。どうしたらいいかな?」
(ある児童が、「ねずみのぬいぐるみとなかよくなってなれたらいい」といったのには驚きました。おー、慣れ理論にぴったしの回答!)
とみー「ところで「ねずみ」という言葉は、どらえもんさんの耳をかじるかな?」
(子どもたちは、ことばは耳をかじらない という)
とみー「そうだよね。ねずみという言葉はドラえもんさんの耳をかじらないよね。言葉は安全なんだよね。ねずみという言葉を落ち着いてつかえるようになると、ねずみ対策を考えることができるよ」
 
とみー「じゃ、本当のねずみが近づいてきたらどうしたらいいのかな?みんなこうしたらいいよって教えてあげて?」
(子どもたちの対処は、「撃退」、「逃げる」、「なかよくなる」、「気にしない」 4つくらいの対処がでやすい)
とみー「ほら、みんが日頃練習していることあるでしょ!」(避難訓練の知恵をドラえもんのネズミ対処にいかしてほしいという思いをこめて)
(児童、あー避難訓練)
 
とみー「ネズミ警報装置を作りました。ねずみが近づいて来たらサイレンがなるんだよ」
とみー「サイレンの音は嫌だよね。でもサイレンの音が気持ちがいい音だったらどうかな?」
(子どもたち:逃げない)
とみー「そうだよね、サイレンの音は嫌な音なんだよ。それは、すぐに逃げなさいって、知らせてくれているんだよ」
 
最後に、つなみという言葉も安全、落ち着いて津波という言葉をつかえるようになると、どうして津波が起こるのか、起こったときどうしたらいいか学ぶことができますとメッセージを送ります。
この指導案のもとになったのは、巡回型スクールカウンセラーの渡部友晴さんです。
 
苦痛度チェックは、
1ひなんくんれんをする  まったく苦しくない0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10最高に苦しい
2つなみということばをきく 
3つなみのテレビをみる
4つなみの作文をかく
5つなみの話をする
6大つなみのサイレンをきく
7大きな地震のあと
としました。
 
授業のはじめと授業のおわりにチェックしてもらい、授業の感想を書いてもらいました。
つなみということばはこわかったけど、いまはこわくない
といった感想がたくさん書かれていました。
 
トラウマケアの本質は、怖かったことを安全な安心できる場で共有すること。
このドラえもんの授業案、沿岸部の小学校では必須のように思います。
 
ドラえもんって、国語の教科書にも、道徳の副読本にも載っているのですね。
 
ぜひ、ドラえもんのこのストーリーを被災地で展開できるように、ドラえもんプロダクションの方協力してもらえないでしょうか。
 
私は、「防災教育と心のケアを一体的にすすめていこう!」と提案しています。それは、世界のモデル(サイコロジカルファーストエイドなど)には記載されていません。
チリの精神保健の専門家が12月に兵庫県こころのケアセンターに研修に来られた時、ドラえもんの授業案を紹介しました。チリの人もドラえもんを知ってましたよ。チリは日本とおなじく地震と津波の多発国です。災害後の心のケアに、日本のモデルを導入しているんですよ。「kokoronocare」という言葉でチリは心のケアを展開しているそうですよ。

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