子どもの自殺を防ぐために(1)日本の子どもの自殺防止対策まちがっています
http://blogos.com/article/142468/
中学生の自殺、過去最悪の水準
と報道されています。
皮肉にも、いじめ防止対策推進法ができて、子どもの自殺に「いじめ」がかかわるようななんらかの情報があれば、それが繰り返し報道されるようになりました。自殺の原因と推測される遺書が原文のままメディアをとおして、流れ続けます。こういった報道が、つぎの子どもの自殺をうんでいるのだと思います。
「死んではいけない」となんど大人がメッセージを送り続けても、子どもの自殺をとめるちからにはなりません。
いじめを発見するためのアンケートだけでは、子どもの自殺をとめることはできません。
日本の子どもの自殺防止対策はまちがっています。
子どもが死にたいと思ったとき、それをとめる力を育む教育がなされていないからです。
いじめ防止対策推進法で、重大な事案が発生したら第三者委員会を設置すると、法で定められました。そして、第三者委員会の報告がなされるたびに、学校のいじめが子どもの自殺をひきおこしたと、繰り返し報道されます。本当にそうでしょうか。
報道の在り方を変えること。
子どもが死にたいと思ったとき、それをとめる力を子どもに育む教育を徹底すること。
出来事が感情や行動を引き起こすと言うより、心のつぶやきが感情や行動を引き起こすのだという心の仕組みを学ぶ教育です。
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コメント
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こんにちは。このたび改正が決まった自殺対策基本法に、下記の条文が加わりましたね。
「学校は、当該学校に在籍する児童、生徒等の保護者、地域住民その他の関係者との連携を図りつつ、当該学校に在籍する児童、生徒等に対し、各人がかけがえのない個人として共に尊重し合いながら生きていくことについての意識の涵養等に資する教育又は啓発、困難な事態、強い心理的負担を受けた場合等における対処の仕方を身に付ける等のための教育又は啓発その他当該学校に在籍する児童、生徒等の心の健康の保持に係る教育又は啓発を行うよう努めるものとする。」
特に「困難な事態、強い心理的負担を受けた場合等における対処の仕方を身に付ける等のための教育」が明文化されたのは画期的ですね。この機会に学校で効果的な心理教育ができるシステム作りをしていきたいですね。私も自治体の自殺対策事業に参画しているので、何かしら行っていきたいところです。
投稿: 梨谷 竜也 | 2016年3月23日 (水) 11時53分