2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 公認心理師法について(9)国会議員への感謝とその後のあり方 | トップページ | 災害後の子どもの心のケア(3)常総・鬼怒川氾濫水害-あさイチ(7日)のコメントをふりかえって »

2015年10月 2日 (金)

公認心理師法について(10) 今後のあり方

 国家資格・公認心理師養成と臨床心理士や臨床発達心理士・学校心理士などの学会連合資格の今後について私見を述べたい。

 公認心理師養成は、学部4年+大学院2年の6年の教育経験が必要となった。7条の2と3が危惧されるところであったが、

附則(受験資格に関する配慮)第三条文部科学大臣及び厚生労働大臣は、試験の受験資格に関する第七条第二号の文部科学省令・厚生労働省令を定め、及び同条第三号の認定を行うに当たっては、同条第二号又は第三号に掲げる者が同条第一号に掲げる者と同等以上に臨床心理学を含む心理学その他の科目に関する専門的な知識及び技能を有することとなるよう、同条第二号の文部科学省令・厚生労働省令で定める期間を相当の期間とすることその他の必要な配慮をしなければならない。

に明記されたため、学部+大学院が公認心理師の養成の基準となった。

 一方、今の臨床心理士養成は大学院2年である。もちろん、大学院入試で、学部レベルの心理学はすでに習得していることが求められている。心理学・臨床心理学の筆記試験に回答できないものは、合格しない。しかし、他職種・他学部からの大学院受験は可能である。そのため本学の例でいえば、教師はもちろん、他職種・看護師・助産師・歯科医師など、独学で心理学を学び合格した者が、大学院で学び、臨床心理士資格を取得、社会で活躍している。今後、こういう他職種でかつ有能な対人援助職者も、学部の心理学の単位を取得していないと、公認心理師養成大学院の入試にチャレンジできないことになる。これは、ある意味、社会の損失かもしれない。そうすると、国家資格・公認心理師は取得しなくとも、臨床心理士資格を取得したいという方が一定数おられるであろうし、それを保障するのも国民の利益になる。

 公認心理師養成は、学部+大学院6年である。一方、臨床心理士は大学院入試で心理学・臨床心理学の知識は求められるが必ずしも心理学専攻の学部を卒業していなくても受験できる。そこで、日本臨床心理士資格認定協会は、国家資格・公認心理師養成とどのように関連づけていくのであろうか。明確に方針を打ち出してほしい。

 私案であるが、臨床心理士養成コースの学生は、臨床心理士のみを受験するものと、公認心理師試験を受験しその後臨床心理士を取得するものの2通りを選択できるようにしてはどうだろう。臨床心理士養成コースに学ぶ学生は、大学院2年の1月に公認心理師試験を受験、合否が3月末までにわかる。

 そうすれば、司法試験のように、大学院を修了後、6月に司法試験を受け、9月に合格通知をもらったあと、借金をしながら司法修習生として約1年務めたのちに、やっと法曹の専門家として自立するといった親にながく負担をかける対人援助専門職にならなくてよい。しかも、法科大学院合格率20%は、国資格制度としては明らかに欠陥である。

 臨床心理士養成コースを修了し、公認心理師試験に合格した者は、公認心理師として働きながら、修了後2年間のケース研究(実習)期間(医学の研修医制度はもっと教育が行き届いているのはいうまでもない)を設けてどうだろう。そうすれば、国家資格を取得して、現場で仕事をしながら、心理療法の研鑽をつむことができる。その間に、認定協会の提供する研修機会やスーパービジョンを受ける。そして、複数ケースを取りまとめ、臨床心理士の受験に臨む。特色は、心理療法ができる臨床心理士である。

 臨床発達心理士、学校心理士は、心理士の活動分野において、領域が特化している。医学では、小児科、精神科、外科といった診療科がある。臨床発達心理士は、発達、学校心理士は、学校の心理のスペシャリストという特色がだせる。一方、臨床心理士は、もちろん、多分野のスペシャリストであると同時に、心理療法がきちんできるスペシャリストではないだろうか。

 今の大学院の養成を考えると、臨床心理士養成大学院ほど、ケース研究をやっている養成システムはない。もちろん、養成大学院によってばらつきはあるかもしれない。しかし、本学についていえば、修了までに最低長いセッションのケースを複数担当することが義務付けられている。公認心理師法の第2条の業に対応するためには、相談ができる専門職の養成が必須である。公認心理師の大学院カリキュラムでは、学校心理士養成コースも臨床発達心理士コースも、少なくとも、学内で相談ケースを担当してスーパービジョンを受けて修了するシステムを整備する必要があるかもしれない。

 そしていずれ、公認心理師の上位資格として、国家資格・公認心理療法師の創設の礎にしてはどうだろう。看護師-保健師モデルである。ある精神科医がいった。「海外の臨床心理学者は、とても有能でがんばっています。PTSDの最も信頼性の高い心理療法を開発したEdna Foaは臨床心理学者ですよ。日本の臨床心理職者もがんばってほしい」と、そして看護師-保健師モデルを参考にして、より質の高い人材養成をめざしてはと、助言をいただいた。

 現在の高校生、大学生が、年単位で、わかる心理専門職者の養成のビジョンを早く提示してあげてほしい。

 日本臨床心理士会代議員会が1012日に開催されるという通知をもらった。理事会では、ある「方針」が議決されたとのこと。10年後、20年後を視野にいれ、現在の臨床心理士などの学会連合資格を尊重し、かつ、高校生、大学生が納得できる「方針」を期待したい。

「方針」を議決したのであれば、心理学ワールド・臨床心理学4団体で、早急に、将来のあり方を、協議してはどうだろう。

« 公認心理師法について(9)国会議員への感謝とその後のあり方 | トップページ | 災害後の子どもの心のケア(3)常総・鬼怒川氾濫水害-あさイチ(7日)のコメントをふりかえって »

国家資格公認心理師法」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/165488/62397722

この記事へのトラックバック一覧です: 公認心理師法について(10) 今後のあり方:

« 公認心理師法について(9)国会議員への感謝とその後のあり方 | トップページ | 災害後の子どもの心のケア(3)常総・鬼怒川氾濫水害-あさイチ(7日)のコメントをふりかえって »