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2015年10月11日 (日)

災害後の子どもの心のケア(3)常総・鬼怒川氾濫水害-あさイチ(7日)のコメントをふりかえって

台風18号の影響で鬼怒川が910日に決壊して、甚大な被害がでた。北関東・東北水害と称せされるこの災害から1か月がたちました。107日、NHKあさイチは、

大規模水害から1か月-暮らしの再建は? というテーマで特集がくまれました。

http://www1.nhk.or.jp/asaichi/2015/10/07/01.html

被災後の心のケアでは、母親と3姉妹の家族と、幼児をかかえる母親の苦悩がビデオで放映されました。そして、コメントを求められました。ノーベル賞受賞というビッグニュースにより、予定時間よりコメントの時間がずっと短くなりました。そのこともあり、十分に、コメントを伝えられなかったので、ここに思いをいっぱい書くことにします。

 

 家の片づけや、しがみついてはなれない1歳の幼児を抱え、涙ぐむ母親の支援としては、保育園・幼稚園での支援と、個人でできるちょっとしたストレッチやからだほぐしが効果的とアドバイスしました。ゲストからは、「そうかな?私はしゃべるのが一番やと思うけど」との発言がありましたが、「いや、ほんとうにしんどいときは、話すこともつらいので、まずからだがほっとすること、他者からのねぎらいが必要です」と切り返せばよかったと、あとでビデオをみながら思いました。

いま、東日本大震災から47か月がすぎました。当時2歳だった子どもが小学校1年生、3歳だった子どもが小学2年生です。じつは、ここ数年、小学校低学年の児童が、つよいトラウマ反応を折々に示しています。“つなみ”ということばを聞いただけで、固まってしまったり、うるうるしてしまうこが、25%ちかくいる、というのは、岩手県心とからだの健康観察のデータや、厚労省研究班のコホート研究の報告からも裏づけられています。でも、これが、そく、ストレス障害ですよということではありません。トリガーになる刺激にだけ反応があらわれ、あとは、学校で楽しい活動をほとんどの児童ができています。沿岸部の小学校では、岩手県沿岸南部の巡回型スクールカウンセラー渡部友晴さんが思いついたドラえもんの授業での活用です。ドラえもんの着ぐるみを着た担任とスクールカウンセラーのちょっとした劇で、「“つなみ”ということばがいやだったけど、いまは怖くない」と児童が授業の感想で書いてくれます。ドラえもんは、ネズミがトラウマなので、その物語を教室で展開するのです。回避行動が積み重ねっていくと、これはストレス障害のリスクになります。この回避行動にゆるやかにチャレンジするプログラムを、この災害でもいつかやるといいと思います。また、1か月のいま、臨床心理士チームを保育園や幼稚園に招いて、心のケア研修会を保護者に提供するのもいいかもしれません。

 「茨城県臨床心理士会は災害以後の心のケアのホームページを立ち上げていて、そこに相談メールのコーナーがあります。そこにアクセスしていただくと、対応しますよ」事務局のつくば大学の坂本昭裕先生がメールでも電話でもおっしゃってくれていました。当日は、このことを紹介したかったのですが、タイミングがなく残念でした。

http://isccp.jp/index.php?id=22

保育園・幼稚園では、水害ごっこがはじまっているかもしれませんね。そんなときどんなふうにそれを受け止め、どうかかわったらいいのか、ぜひ、リラックス法やグループ討議を交えながらの研修を保育園や幼稚園は企画するといいと思います。

私の研究室に、東日本大震災のとき名取市の保育園で被災し、一夜を保育園の屋上ですごした経験のある当時保育士さんが、いま大学院2年生で学んでいます。今日、ニュースで、閖上小・閖上中の校舎とのお別れ式が放映されていました。彼女の保育園からも閖上小にいった児童さんがいるようです。彼女は修士論文で、子どものトラウマ反応への保育者のかかわり効力感尺度を作成し、被災地やその他に地域の保育園で、アンケートのお願いをして、いま回収しているところです。彼女のアンケートも、保育者が子どもへのかかわりをふりかえるのに役立つかもしれません。

 

小3の少女が雨がふりだすと「また浸水しない?」と何度も繰り返し尋ねる、というレポーターの発言には、「回復には、安心・絆をベースに表現・チャレンジが必要な体験です。この少女は、すでに、お母さんに、怖いよって、言葉で表現できていますよね。いっしょに、天気予報をみたり、避難について地域防災の学びが、安全感をもたらし、安心感をもたらします。まずは、「ことばでちゃんと自分の考えや気持ちをいえてすごいね」てほめてあげてほしいです。地域防災と心のサポートの両輪で支援しましょう」といった趣旨のことを短く話しました。

 有働さんの頭の回転のはやさと、柳澤さんの素敵なコメントにいつも感嘆します。そして、なにより、取材を続けて短い時間に本質的なことをとりまとめられた中谷文彦アナウンサー、磯田美菜ディレクターそして、多くのスタッフのみなさん、おつかれさまでした。これからも、息長く、心のケアの報道を続けてほしいと思います。

海外の心のケアのモデルは、災害の急性期に限定されていて、長期的に、回避や自責をどう払しょくしていくのか、心のケアをとりいれた防災教育の在り方などはガイドラインに記載されていません。これは、災害多発国日本が先進的に世界に発信できる取組だと思うのです。

 

 この日は、そのあと、JICA東京を訪問、ネパール支援について貴重な情報をいただきました。

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