災害後の子どもの心のケア(1)-常総・鬼怒川氾濫水害
私がネパールを訪問している間に、常総市で鬼怒川が氾濫して大変な洪水被害が発生していました。今日、NHKお昼のニュースで、休校だった学校の授業が再開されたと報道されていました。校長先生は「大丈夫ですか?」と声をかけられていました。日テレニュースでは、他の学校の校長先生が「まけない」と書いた紙を子どもたちに、みせて、「まけないでください。どんなことがあってもまけない」とメッセージを送っておられました。
阪神淡路大震災後作られた「しあわせ運べるように」の歌詞にも「地震にもまけない、つよい心をもって なくなった方々のぶんも まいにちを大切に生きていこう」と「まけない」がメッセージに織り込まれています。
おそらく子どもたちは笑顔で登校してきていると思います。
私は、この「まけない つよい心」について、もうひとつのメッセージを校長先生には送ってもらいたいと思います。それは、「雨音が怖い」、「怖くてなかなかねむれない」、「こわかったことを思い出す」そういった心やからだの変化は、だれにでも起こるんだよ。大人でも子どもでも、そして安全になってから感じることが多いんだよ。
怖い気持ちは命を守る大切な気持ちだよ、そんなときは、担任の先生や校長先生にいってね。心配だよ、怖いよって、言えること、相談できることが、つよい心なんだよ。眠れないときは、眠れないよっておうちの人に言ってもいいし、ぎゅっとからだに一度力を入れて、ふわーっと力をぬいてみるのもいいと思うよ。そして、こんなときは、ちょっとしたことでイライラしたりすることがあるよ。そんなときは、ふっーと息をゆっくりはいて、友だちや家族の人にやさしい気持ちを届けてあげて。絆のちからでのりこえよう。
「だいじょうぶ?」と声をかけられると、子どもはだいじょうぶでなくても、「だいじょうぶ!」といってしまいます。それで、「昨日は眠れたかな?」「食欲はあるかな?」って声をかけてほしいと思います。
そして、防災体制や防災教育を学ぼうね。もっと安心の気持ちがふくらむよ。
といったもうひとつのメッセージを校長先生も担任の先生も送ってもらいたいと思います。
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コメント
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冨永先生
この記事をご存知でしょうか。
黒板の字は全て読めませんが、
「びっくりしたね。たいへんだったね。こわかったね。」
3行後には
「いっぱいお話きくからね」
この先生はすごいと思いました。こんな言葉を書くことができる担任でありたいものだと思います。
また、記事の中では小6の子のインタビューがありました。その中で
「自分の家は大丈夫だったから家がダメになった友達に申し訳ない。」
と言っているんです。
自分のせいじゃないのに、そんなふうに思うんですね。
http://www.asahi.com/articles/ASH9J2QMFH9JUTIL006.html
西本
投稿: | 2015年9月26日 (土) 00時34分