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2015年9月

2015年9月28日 (月)

公認心理師法について(9)国会議員への感謝とその後のあり方

8か月に及んだ通常国会が閉会しました。世間の注目は、安全保障法案でしたが、そのなかで、ひっそりと、あまりメディアにも取り上げられずに99日に成立したのが公認心理師法です。これは、中学生、高校生にとって、大変重要な法案です。それは、将来の職業選択をするとき、「中学時代でのカウンセラーとの出会いで将来カウンセラーになりたい、でもよく調べてみたら、国家資格ではないらしい、給与も安定していない、どうしよう?」と考えている生徒さんがたくさんいるからです。メディアはもっとこの法案成立について取り上げてもよかったのではないかと思います。

 さて、30年の長きにわたる悲願の心理専門職の国家資格が成立しました。臨床心理士の内部でも7条の2・3、42条の2をめぐって対立・主張が展開されてきました。本来なら、一つの団体が一致結束して、陳情しなければ、国会議員の方々は動かないのではないかと思います。数々の非礼があったこと、一個人として、お詫びしたいと思います。

 公認心理師法成立をお祝いし国会議員への感謝をお伝えする会が企画されているようですが、私は、九州のある県の教育センターで一日研修がはいっており、直接お礼を申し上げることができません。九州といえば、維新の会の福岡県第4区選出・河野正美議員が、twitterなどで、リアルタイムに情報を流してくださいました。河野議員が精神科医であることもあり、「この法案は絶対成立させる」という強い信念をもって動かれたことが、法案成立の原動力になったと思われます。

 また、山口3区選出の河村建夫議員は、議連の代表であり、法案提出の代表者です。河村議員は折々に故河合隼雄先生との出会いと、河合先生の国家資格化の悲願について語られます。またお嬢様がアメリカで心理専門家として活躍されておられることもお話されておられました。河村議員のこの法案の成立にかける熱き思いがなくては成立しなかったでしょう。心よりお礼申し上げます。

 鴨下一郎・衆議院議員は、心療内科医で、医療における心理職の国家資格化に長年ご尽力いただいてこられました。鴨下先生のHpにアクセスすると、12項目のストレステストがあります。いまおこなったところ、「問題はありません!上手にストレスに対処していますね」といったコメントが即座にFBされました。鴨下議員の力なくしては一資格の法案成立にはいたらなかったと思います。心より感謝申し上げます。

 

 岡山県第2区選出・山下貴司議員は、東大法学部卒・コロンビア大学ロースクール修了というキャリアがおありの弁護士で、この法案を作成された方と聞いております。先日、学会の資格シンポジウムに急きょの出演をお願いし快諾していただき、この間の経緯を万感の思いを込めて語ってくださいました。

 また、民主党の最終的なとりまとめをされた大阪11区選出・平野博文議員には、もうこの時期の決断しかないというタイミングで、民主党からゴーサインをだしていただいたようです。民主党の兵庫県第11区選出松本剛明議員には、私の修了生がずっと交流があるとのことで、昨年秋法案成立をお願いにあがったことがありました。もう2-3日後に、おそらく文部科学委員会で審議されるでしょう、と語られた次の日に、解散の風が吹き、廃案になり、今年度も何度も情報を送ってくださいました。心より感謝申し上げます。

 

 公明党・比例区南関東ブロック選出・古屋範子議員におかれましては、45条2 この法律に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、文部科学省令・厚生労働省令で定める。の設置にご尽力いただいたと聞いております。公明党はスクールカウンセラー制度をとりわけ推進していただいてきた経緯があり、このたびの法案成立にも大変ご尽力をいただきました。重ねてお礼申し上げます。

 

 参議院文教科学委員会で、共産党・参議院・田村智子議員には、現状のスクールカウンセラーなどの給与の不安定さを指摘していただきました。私の研究室で学んだ現職教師が50歳前後で職を辞し、被災地のスクールカウンセラーとして活躍していますが、同年代の教員の給与に比べて、年収で200万円以上少ない現状があることをこのブログでも折々に発信してきました。それらの状況をよく把握しておられ質問にあたられていたこと心より感謝申し上げます。

 このように、国家資格・公認心理師法は、党派を超えて、多くの議員の力により成立いたしました。

 数々のお出会いなかで、臨床心理士内部での対立を、付帯決議および附則にまとめあげられ、全会一致 参院では賛成236、反対0 という採決で成立したこと、重ねて、心より感謝申し上げます。

一方、Twitterにて、「本日日本臨床心理士会理事会が開催され、公認心理師会への名称変更を含む「方針」が議決された模様。」といった情報がながれていて、驚きと怒りのコメントが次々に寄せられているようです。

 

私は、今後のあるべき姿は、「公認心理師成立」応援ブログで書かれている

「対案は、今まで、本法律成立を推進してきた各団体より人を出して公認心理師会設立協議会を作り、その団体が公認心理師会へと移行する暫定機関を作ってはどうかと思う。(その運営の中核は、国家資格推進のために最も労力を使って来た臨床心理士会が担うことがあって良いと思われる。)」

に賛同します。

http://gogatsunokokoro.cocolog-nifty.com/

この混乱は、臨床心理士養成制度を今後どうしていくか?ということにかかっているのだと思います。本学の例でいえば、臨床心理学コースは臨床心理士養成コースです。学校心理・発達教育健康コースは、学校心理士・臨床発達心理士養成コース、特別支援コーディネーターコースは、特別支援教育士養成コースになっています。<それぞれのコースで、国家資格・公認心理師の受験資格がとれ、修士の21月に筆記試験(面接試験はどうするの?)があり、3月末までに合否がわかり、その後各、心理士試験を受験する>(これ、私見です)。

 そのとき、各心理士資格の特色が強調されるべきだと思います。臨床心理士を取得した人が、スクールカウンセラーをしていて、発達のことがなにもわかっていない と教師からいわれるようでは役に立ちません。教師と共同で心の授業をやってください、といわれても、「自信がありません。そんなに大勢の子どもの前で話すのは苦手です」では、話になりません。現段階では、それぞれの学会連合資格には共通性と相違性があるのです。当分の間、このシステムを維持しながら、公認心理師養成制度を確立してくことがよいと思います。

 ここで、公認心理師資格と学会連合資格との関連をどうするか?です。

現在の臨床心理士試験は、修士修了の10月筆記11月面接だと思います。それを、筆記は公認心理師取得、面接のみにしましょう、面接も、修了後・公認心理師取得後2年後に、複数事例ケースを取りまとめて提出して面接を受けるというようにしてはどうでしょう。修了後2年を認定協会による研修を〇回受ける。すなわち修了後研修を充実させる。

 ゆくゆく、国家資格・公認心理療法師資格を打ち立てる礎にする、

 そういった構想をなるべくはやく、関連団体が集まって、いまの日本の危機的な心の問題をなんとかしよう、という心意気をあつめて、英知を結集しようではありませんか。

2015年9月26日 (土)

災害後の子どもの心のケア(2)常総・鬼怒川氾濫水害ーびっくりしたね・たいへんだったね・こわかったね-担任からのメッセージ

私の研究室で学んだ小学校の先生が、常総の小学校での担任の先生からのメッセージが書かれた記事をみつけて、災害後の子どもの心のケア(1)にコメント欄に書き込んでくれました。

とってもあったかで、「これぞ、心のケアのメッセージ」です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

冨永先生

この記事をご存知でしょうか。

黒板の字は全て読めませんが、
「びっくりしたね。たいへんだったね。こわかったね。」
3行後には
「いっぱいお話きくからね」
この先生はすごいと思いました。こんな言葉を書くことができる担任でありたいものだと思います。

また、記事の中では小6の子のインタビューがありました。その中で
「自分の家は大丈夫だったから家がダメになった友達に申し訳ない。」
と言っているんです。
自分のせいじゃないのに、そんなふうに思うんですね。

http://www.asahi.com/articles/ASH9J2QMFH9JUTIL006.html

                                        西本

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学びやに笑顔もどる 一部の学校再開 茨城・常総 2015.9.16 朝日新聞 永田大

決壊地点から北東に約2・5キロの石下(いしげ)小学校。この日は児童485人のうち417人が登校した。通学路に立つ教員に、児童が「おはようございます」と元気にあいさつし、ハイタッチする姿もあった。

小6の児童の感想「自分の家は大丈夫だったから家がダメになった友達に申し訳ない。でもその分、明るく接したい」を引用しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この記事には、担任による適切な心のケアのメッセージが黒板から読み取れます。

びっくりしたね・たいへんだったね・こわかったね

西本さんもコメントしてますが、この担任の先生、すごいですね。子どもの心に寄り添ってますよね。子どもの心(感情や考え)を推測して、ことばをぽんと投げかけています。

こんなことばを投げかけられると、素直に、自分の考えを語れますよね。それが、小6児童のサバイバーギルト(自責感)のつぶやきですよね。この自責感を心のなかに閉じ込め続けることがストレス関連障害のリスク要因の一つです。だから、こんなに素直に表現することができたら、きっと、担任の先生から、「よく自分の思いを話してくれたね。申し訳ないと思う気持ちは、とても友達を思いやるやさしい心だね。」と声をかけられていると思います。自責感が他者に開かれポジティブなメッセージが返ってくることで、それはポジティブなエネルギーに変わっていきます。

1993年7月奥尻津波を中2で経験し、「自分の家は被災しなくて申し訳ない気持ちでした」と東北の被災した地域の中学校3年生に昨年語った定池祐季先生のメッセージに、ある生徒が涙ぐみながら「被災者の定義ってなんだろうと思うんです。私の家は津波の被害はありませんでした。でも、あの光景をみて、津波で被災した地域を毎日みてきたんです・・・」と。東北の被災地では、被災しなかったから、いまなお、自分の思いを表現できずに、心に閉じ込めている子どもたちがたくさんいます。

たいへんだったね・・・・これもすごい!海外の日本人学校幼稚園で、侵入者から襲われて頭にけがをおった事件がありました。けがが治っても、児童は母親から離れることができず、一切、事件に関連することに触れようとしもしませんでした(強い回避)。私が表情絵を使った気持ちのワークをやったところ、ある女児が「○くん、たいへんだったんだよ」といいました。そのとたんに、それを聞いた被害にあった児童が、笑い出したのです。それまで無表情だった児童が、堰を切ったように感情が噴出したのです。

それを思い出しました。

「心のケア」の連呼は偽善だ と記事を書く学者もいますが、心のケアの本質を、記者さんは書き続けてほしいものです。

2015年9月24日 (木)

災害後の子どもの心のケア(1)-常総・鬼怒川氾濫水害

私がネパールを訪問している間に、常総市で鬼怒川が氾濫して大変な洪水被害が発生していました。今日、NHKお昼のニュースで、休校だった学校の授業が再開されたと報道されていました。校長先生は「大丈夫ですか?」と声をかけられていました。日テレニュースでは、他の学校の校長先生が「まけない」と書いた紙を子どもたちに、みせて、「まけないでください。どんなことがあってもまけない」とメッセージを送っておられました。

 

阪神淡路大震災後作られた「しあわせ運べるように」の歌詞にも「地震にもまけない、つよい心をもって なくなった方々のぶんも まいにちを大切に生きていこう」と「まけない」がメッセージに織り込まれています。

 

おそらく子どもたちは笑顔で登校してきていると思います。

 

私は、この「まけない つよい心」について、もうひとつのメッセージを校長先生には送ってもらいたいと思います。それは、「雨音が怖い」、「怖くてなかなかねむれない」、「こわかったことを思い出す」そういった心やからだの変化は、だれにでも起こるんだよ。大人でも子どもでも、そして安全になってから感じることが多いんだよ。

 

怖い気持ちは命を守る大切な気持ちだよ、そんなときは、担任の先生や校長先生にいってね。心配だよ、怖いよって、言えること、相談できることが、つよい心なんだよ。眠れないときは、眠れないよっておうちの人に言ってもいいし、ぎゅっとからだに一度力を入れて、ふわーっと力をぬいてみるのもいいと思うよ。そして、こんなときは、ちょっとしたことでイライラしたりすることがあるよ。そんなときは、ふっーと息をゆっくりはいて、友だちや家族の人にやさしい気持ちを届けてあげて。絆のちからでのりこえよう。

 

「だいじょうぶ?」と声をかけられると、子どもはだいじょうぶでなくても、「だいじょうぶ!」といってしまいます。それで、「昨日は眠れたかな?」「食欲はあるかな?」って声をかけてほしいと思います。

 

そして、防災体制や防災教育を学ぼうね。もっと安心の気持ちがふくらむよ。

 

といったもうひとつのメッセージを校長先生も担任の先生も送ってもらいたいと思います。

2015年9月21日 (月)

日本心理臨床学会第34回大会を終えて

2015918日―20日、日本心理臨床学会第34回大会が行われました。兵庫教育大学が担当校となり、実行委員会企画シンポ・海外招聘講演などを企画しました。

8000人弱という参加者ですから、担当校はさぞ大変でしょう、と多くの人から声をかけられました。しかし、この学会は3万人弱の会員を擁しているので、事務局スタッフにプロ中のプロがそろっています。すべて、事務局スタッフが会場手配、発表組み合わせ、係員募集までやってくれます。ですから、大会企画という内容に集中すればいいので、やりがいがあるし、楽です。

 

また、99日に国家資格・公認心理師法が成立しました。19日の資格シンポでは、この法案の作成を中心になってすすめてこられた衆議院議員・山下たかし先生から、講演をいただきました。山下議員のFBに衆議院議員から講演直前の写真がupされています。

https://www.facebook.com/takashi.yamashita.7

今国会、あの日程しかない という日程で、与野党を超えて、法案成立に尽力いただきました。さまざまな意見を、調整に調整を重ね、附則、付帯決議に盛り込んでくださいました。すべての政党が賛成したこの法案、国民の心のケアがいかに重要かを政治家のみなさまが痛切に感じておられたというあらわれだと思います。

 

大会運営について、話を戻しますと、この巨大学会の学術大会を開催できる会場は、横浜パシフィコしかないのです。東京国際フォーラムは、デザインは奇抜ですが、我々が行う会場としては、不向きです。部屋が小さく、会場に入りきれず、移動を考えるととても危険です。

100名、200名がはいれる会場と1300人収容できる会場の両方が必要です。神戸国際展示場は、大きなホールがたくさんあり、しかし、100-200名収容の会場が少ないのが難点です。神戸国際会議場は、エレベーターが主とした移動経路で使いにくいということもあり、今回自主シンポを、巨大ホールにパーティションで部屋を作って行いました。音響が心配でしたが、カクテルパーティー効果でしょうか、それほど気にならなかったという声を多く聞きました。また、係員スタッフも、大会事務局が一手に、連絡調整をしてくれたので、この負担も担当校はあまりありませんでした。

 

さいごに、兵庫教育大学臨床心理学コースは、精神分析、認知行動療法、行動分析、EMDR,動作法、発達障がい支援、被害者支援、被災者支援とバランスよく教員スタッフを構成しており、かつ、みながお互いを尊重しあっています。このようなコースだからこそ、実行員会企画で1300人会場がはいりきれないほどの企画を立てることができたのだと思います。このコースの礎を築いてくださった藤田継道先生(退職後関西国際大学で活躍されています)に感謝いたします。

 

台風が心配でしたが、晴天に恵まれ、さわやかな秋の空気のなかで開催できたことも、「自然」に感謝です。

2015年9月13日 (日)

Educational and Psychosocial Support after Nepal earthquake (1)

Educational and Psychosocial Support after Nepal earthquake (1)

ネパール地震後の教育・心理社会的支援(1)

   We visited a school in Nepal on 11th September 2015.The trip took 3 hours and a half by a car from Katmandu city center. I had a lecture about educational and psychosocial support after the Nepal earthquake. 38 principals from stricken area have participated. They told us: “Many children live in a tent, they are afraid of sounds or tremors and they don’t want to study after the earthquake”. For disaster prevention education, a teacher said: “ When we felt the shake of an earthquake, we have taught the children that they should to take refuge under their desk. However, this was a mistake. The earthquake happened on a Saturday. If the earthquake had occurred on a weekday, possibly children would have fallen victims of the collapsed school building”.

 

  The purpose of this visit is to explore the possibility of the long-term support project by the specialists of Nepal and Japan.

 

私たちは2015911日に、カトマンズから車で3時間半かけて、被災地のある学校を訪問しました。私は、その地域の38名の校長先生に、「ネパール地震後の教育・心理社会的支援」というタイトルで研修を行いました。先生方は、「おおくの子どもたちがテント生活をしており、ちょっとした音を怖がり、勉強への意欲が低下しています」と話してくれました。またある先生は「地震の揺れを感じたら、机の下に避難しなさいと指導してきましたが、それは間違いでした。地震は土曜日に起こったのですが、もしウイークエンドだったら、子どもたちは倒壊した校舎の犠牲になっていたかもしれません」と話してくれました。

 

 今回の訪問の目的は、ネパールと日本の専門家による長期支援の可能性を探ることです。

 

 We have been engaged in the Mental Health and Psychosocial Support Project by JICA and All-China Women’s Federation after Sichuan earthquake in 2008 for five years. I quote the report of the Ministry of Foreign Affairs.

 

 私たちは2008年の四川大地震後にJICA(日本国際援助機構)と中国全国婦女連合会による精神保健と心理社会的支援プロジェクトに従事してきました。外務省のホームページの記事を引用します。

 

JICA has carried out diverse reconstruction support activities since the Great Sichuan Earthquake. Among the efforts, the Mental Health and Psychosocial Support Project for the Sichuan Earthquake has been implemented from 2009 to 2014. JICA has been working to establish systems that enable appropriate and continuous psychological support rooted in the communities in five model sites together with the All-China Women's Federation, which provides educational, welfare and other assistance to women, children and elderly people.

 

JICAは四川大震災の後に、様々な支援活動を行っている。その一つが、2009年から2014年まで実施される「四川大地震復興支援こころのケア人材育成プロジェクト」(以下、「心のケアプロジェクト」)だ。JICAは、女性、児童、高齢者への支援を教育や福祉などの分野で支援を行っている非営利組織「中華全国婦女連合会」をカウンターパートに、5つのモデルサイトで、地域に根ざした適切かつ持続的な心のケアを可能とするシステムの構築を進めている。
http://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/201303/201303_05.html

 

By the way, I found the following website saying: Psychologists stay home: Nepal doesn't need you”.

 

http://www.irinnews.org/report/101476/psychologists-stay-home-nepal-doesn-t-need-you

 

This website shows the similarity and the difference between our approach and Western approach.

 

ところで、「心理学者は家にいます:ネパールは心理学者を必要としていません」という記事をみつけました。この記事は私たちのアプローチと西欧のアプローチの共通性と相違性を示しています。私は記事を引用し、コメントします。

 

>I am reluctant to medicalise suffering in the aftermath of a natural disaster: symptoms of distress are a normal reaction to an abnormal situation and labelling does not help at an early stage.

 

私は自然災害の余波の中で 苦しんでいる人たちに医学的処置をすることには気が進みません:苦脳の症状は異常な状況での正常な反応です、早い段階での医学的なラベル付けは役に立ちません。

 

 I agree with this opinion except “symptoms”. I distinguish “symptoms” and “trauma reactions”.

 

私は“症状”を除いてこの意見に賛同します。私は症状とトラウマ反応を区別しています。

 

>Of course, after a disaster strikes, everyone is in distress.

 

But that doesn’t mean everybody needs to see a mental health practitioner.

 

もちろん、大惨事が襲った後、皆が苦悩しています。けれどもそれは皆が精神保健の実践家に会う必要があることを意味しません。

 

I agree with the opinion that victims in the acute phase (for three months after disaster) don’t need counseling from the mental health practitioner. But I don’t stay at home. I advise that the board of education in stricken area makes the prolonged supporting system of five years and ten years for children. Then, we tell teachers how the children affected disaster should cope with their traumatic stress reactions and daily stress reactions.

 

急性期(災害後3か月)には、カウンセリングのみによる精神保健の実践家は被災者にとって不要であるとの意見には賛同します。しかし、私は家には居ません。私は被災県の教育委員会に、5年、10年に渡る子どもたちへの長期の支援システムを作るように助言します。そして、私たちは教師に、子どもが自分のトラウマ反応やストレス反応にどのように対処したらよいかを伝えます。

 

Yet, we know from research that in the aftermath of a natural disaster psychologists armed with “talking therapies” have little to contribute:survivors need to go through the natural grief process and the vast majority will not develop post-traumatic stress disorder (PTSD), nor any other psychological disorder.

それでも、私たちは自然災害の余波の中で「話す療法」を心理学者が提供してもそれはほとんど貢献しないということを知っています。生存者は自然の悲嘆プロセスをくぐりぬける必要があります、そして圧倒的多数は心的外傷後ストレス障害(PSTD)を起こさないでしょう、そして他のいかなる精神的疾患でも同様です。

>I'll say it anyway: please let's not rush in with well-meaning psychosocial programmes.

Especially, let us avoid flooding Nepal with Western-style “talking therapies” delivered via translators.

どうか善意ある心理社会的なプログラムで急に現れないようにと私は言いたい。特に、ネパールでは、通訳を介した西洋スタイルの「話す療法」で溢れさせるのを避けましょう。

 

This “talking therapies” may mean “psychological debriefing”. After Kobe earthquake in 1995, U.S. team recommended psychological debriefing Mitchell,1983). But, I did not do “Debriefing”. I believe it is important to recover a feeling of safety and sense of security rather than letting feelings out. We proposed victims in the shelter the Relax-"Dohsa-hou" originally developed in Japan. Ten or more victims tried to relax with “Dohsa-hou” each time we had a workshop. They gave us many affirmative comments, for example, "I feel refreshed." "I could sleep very well.

 

この話す療法は心理的ディブリーフィングを意味しているのかもしれません。1995年の阪神淡路大震災の後、アメリカチームは心理学的ディブリーフィングを推奨し来日しました。しかし、私はディブリーフィングをしなかった。感情を吐き出すことより安全・安心感を取り戻すことが重要だと考えました。それで、日本で開発されたリラックス“動作法”を避難所にいる被災者に提案しました。毎回10人以上の被災者が訪れ、「すっきりした」「よく眠れるようになった」と肯定的な感想を述べてくれました。

 

I am visiting together with members of NEDO (Nepal Educational Development Organization). NEDO aims to help Nepalese disadvantaged children to attend the school by financial supporting program. NEDO Japan is headed by its founding director Professor Dr. Manoj Shrestha. NEDO’s executive committee consisting several directors take responsibility for their projects.

http://www.nepaledo.org/about_us.php

 

私はこのネパールにNEDO(ネパール教育開発機構)のメンバーといっしょに来ています。

ネパール教育開発機構(NEDO)は、ネパールの恵まれない子どもたちは、金融支援プログラムにより、学校に出席するために役立つことを目指しています。NEDO、日本は、その創設者・マノジョ・シュレスタ教授が率いています。いくつかの取締役からなるNEDOの実行委員会は、プロジェクトの責任を取ります。

Today (12th September 2015), two youths who have received support of the scholarship of NEDO guided us Swayambhu temple in which some buildings collapsed in the earthquake. They also lost their own house in the earthquake. They were wise, kind and calm. They told me that they were meditating daily.

The thing which I would like to tell to Western specialists is the next:

Please do not apply your theory and method for pyschological support after disaster to the people of a stricken area.

First, please listen to the method of stress management of the people of Asia.

Please think of how to overcome difficulty, together.

 

今日(2015912日)、NEDOの奨学金を受けてきた2人の青年が私たちを地震で一部寺院の建物が倒壊したSwayambhu寺院を案内してくれました。彼らは賢く、親切で、落ち着いていました。彼らは日常的に瞑想をしていると私に教えてくれました。

西欧の専門家に伝えたいことは、次のことです。

 被災地にあなたがたの理論と方法をそのまま当てはめないでください。

 まず、被災地の人々のストレスマネジメント法に耳を傾けてください。

 どうぞ、困難を乗り越えるための方法をいっしょに考えてください。

 

I agree this opinion: the vast majority will not develop post-traumatic stress disorder (PTSD).But, I disagree “ nor any other psychological disorder”.

 This estimates the rate of stress related disorders too much low. The disaster gives three stressors to a person at the same time. There are traumatic stressor, loss stressor, and daily life stressor. Daily life stressor as like parents' economic matters and a quarrel causes children stress-related disorders. The educational and psychosocial support after a disaster needs for children affected by the disaster for 10 years or 20 years.

 

私は大部分の人がPTSDにならないという意見には賛成です。しかし、他の心理的障害もみられない という意見には賛成できません。これは、ストレス関連障害の率をあまりに低く見積もっています。災害は3つのストレッサー、トラウマストレッサー・喪失ストレッサー・日常生活ストレッサーを同時にもたらします。両親の経済問題やケンカなどの日常生活ストレッサーが子どもにストレス関連障害を引き起こしていきます。災害後の教育・心理社会的支援が10年、20年を視野に入れて被災した子どもには必要です。

 

Mostly what needs to be encouraged is "humane, supportive and practical help to fellow human beings suffering serious crisis events" as prescribed by the principles of Psychological First Aid (PFA).

最も推奨されるべきは、心理的応急法(PFA)の原理に規定されているように、「重大な危機的出来事を経験した人への人道的な、支持的な、実務的な手助け」です。

I agree with this opinion in acute phase. PFA is correct guideline for acute phase. For a disaster victim, safety is the most necessary experience. But, PFA did not write about disaster prevention education after a disaster. I visited the school together with the specialist of architecture. The earthquakes don't kill people, houses collapsed by it do. You have to change the method of refuge with earthquake resistance of a building. 

The survivors trend to avoid soon the word "earthquake" after feeling safety.  But, strong avoidance is a risk pf stress related disorders. The key components of our educational and psychosocial support are offering safety and comfort to the victims, helping them create bonds with other people, and providing expression and challenge. Safety and comfort have 1,Safety 2,Psycho-education about Stress and Trauma 3,Stress management as like relaxation. Expression has 4,Self Check about Stress and Trauma 5,Expressing Life Experience 6,Expressing Traumatic Experience. Challenge has 6,Expressing Traumatic Experience,7,In Vivo Exposure,8,Mourning Process. Bonding is necessary to all components. Although they are not safe, forcing them expression and challenge gives them a secondary traumatization.

 

急性期のこの意見には賛成です。PFAは急性期のガイドラインとしては正しいです。被災者にとって、まずは安全が必要な体験です。しかし、PFAには災害後の防災教育についての記載がありません。私は、その学校に、建築家といっしょに訪問しました。地震が人の命を奪うのではなく、地震によって倒壊した家が命を奪うのです。建物の耐震性に応じて避難の方法を変えなければなりません。

また生存者はまもなく安全を感じられるようになったのちに、“地震”という言葉を避けるようになります。強い回避はストレス障害のリスクです。私たちの教育・心理社会的支援の鍵コンポーネントは、安心、絆、表現、チャレンジです。安全・安心は、1.安全、2.ストレスとトラウマの心理教育、3.リラックス法などのストレスマネジメントです。表現は、4.ストレスやトラウマのセフルチェック、5.日常生活体験の表現、6.トラウマ体験の表現です。チャレンジは、6.トラウマ体験の表現、7.現実エクスポージャー、8.服喪追悼 です。絆はすべてのコンポーネントに必要です。この順番が大切です。安全でないのに表現やチャレンジを強いることは、二次被害を与えます。

2015年9月 8日 (火)

公認心理師法について(8)参議院文教科学委員会全会一致で可決

公認心理師法案が、衆議院に続いて、参議院文教科学委員会でも全会一致で可決された。

質疑は、共産党・田村智子議員、42-2やスクールカウンセラーの身分保障についても歯切れよく質問された。

参議院・文教科学委員会 ビデオは1:50:19から公認心理師法案審議。  

国会は、各党政策は対立しても、公認心理師法成立の過程をみていると、各党を尊重しながら審議が進められていることがわかる。

ビデオ2:04:20 議決の瞬間。

そして、付帯決議の提案は、民主党・新緑風会・斎藤嘉隆議員が付帯決議を提案。これも全会一致で可決された。

あとは本会議での採決を待つのみであり、新しい時代の幕があく。

あす深夜ネパールに、台風で離陸がどうなるか心配ですが、はじめての国の訪問です。

ナマステ、ダネンバード。帰国後すぐに日本心理臨床学会第34回大会が待っています。

2004年12月に読売新聞が国家資格・医療心理師設立と報道、1月に日本心理臨床学会の常任理事会が急きょ開かれて対応を議論したのは、10年前のことです。

よい資格制度を構築するために、みんなで力をあわせたいものです。、

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