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2015年6月13日 (土)

不登校・いじめ抑止のための教育改革(1)小中一貫教育は効果的か

公認心理師法の再提出が国会になかなかでない。

それで、参議院・文教科学委員会の国会中継をみていると、小中一貫教育の改革の是非をめぐって、3名の参考人の意見と質疑が行われていた。

文教科学委員会(第十三回) 2015年6月11日
   学校教育法等の一部を改正する法律案(閣法第四九号)(衆議院送付)について参考人白梅学園大学子ども学部教授無藤隆君、共栄大学副学長藤田英典君及び法政大学キャリアデザイン学部教授佐貫浩君から意見を聴いた後、各参考人に対し質疑を行った。

1名は賛成、2名は反対の論を展開していた。そもそも、この改革は、中学生の不登校・いじめを抑制するために発案されたようだ。

藤田先生と佐貫先生は、小学校5・6年で、リーダーシップを育成する貴重な機会が、中高一貫教育のために奪われることの損失、小中一貫教育に取り組んできた品川の例をあげ、管理職は小中一貫教育を評価しているが、養護教育は評価していないという結果も報告していた。

藤田先生は1970年代、西欧の著名な学者たちが日本の教育を視察し、絶賛したのが、この30年間、日本の教育改革はそのよき日本の教育を壊していく改革の連続だったと主張されていた。

また、議員との質疑のなかで、いじめ対策を例にとるなら、教育制度改革よりも、児童生徒にいじめの構造を教え徹底して話し合う場を設けるべきだ、という意見もいわれていた。

私は、藤田・佐貫両先生の主張に同じ思いをもった。

いま、道徳の改革が行われようとしている。読み物教材中心から、体験的な学習、話し合う道徳の時間への転換はよしとしても、道徳的価値を中心に据えた道徳内容だけではやはり不十分ではないか。怒りや悲しみ、いじめ、暴力を積極的に、道徳の時間に取り上げる教育改革が必要ではないか。

そして、不登校・いじめの対策としては、スクールカウンセラーよりも、スクールソーシャルワーカーに、その効果を期待する論調が折々に多くみられるようになっている。この委員会でも、スクールソーシャルワーカーへの期待が語られた。もちろんスクールソーシャルワーカーは必要だ。

いまやらないといけないのは、すべてのスクールカウンセラーの活動の見直しだ。スクールカウンセラーは児童生徒へのカウンセリングはもちろんだが、教師と共同して「こころのサポート授業」を実施してほしい。

児童生徒が困難を抱えたとき、それを乗りこえる力を育む授業-ストレスマネジメント-を展開してほしい。

子どもが自死したとき、第三者委員会が設置されて、学校でいじめがあったと報告される。第三者委員会の報告がマスメディアでながされ、それを受け取る大人も子どもも、困難に直面したら死ぬしかないと思い込むような社会になってないだろうか。

なかには、無視や悪口をいわれたと。もちろん、無視や悪口はよくないが、「自死」という行為こそ許される行為ではないという共通認識をわが国の社会はもっと共有すべきではないか。ただ「許される行為」ではないというと自死した子どもを責めるメッセージに受け取られる。大切なことは、大人が社会が、困難に直面したとき、「自死」以外に、困難を解決する方法(コーピング方略)があるということを組織的に提案する必要があるということだ。

すなわち、大人が子どもの命を守る教育とともに、子どもが子どもの命を守る教育政策を展開する必要がある。

すべてのスクールカウンセラーが、教師と共同で、こころのサポート授業を展開してほしい。

昨日、臨床心理士を取得した教師が、ゲストティーチャーとして、ある小学校5年生3クラス合同の授業を担任と共同で行っていた。「心のつぶやきをキャッチしよう」を、担任の見事な寸劇で、悲しみ、怒り、落ち着きに対応した、心のつぶやきと行動を再現していた。

こんな授業を日本のどの学校でもあたりまえに行われる時がくるように、教育改革をすすめてほしい。

実は、国家資格・公認心理師法は、不登校・いじめ抑止への国の政策として直に影響を与える。それは、2条の 業の定義に

四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。

が記載されているからだ。すべての公認心理師を取得したスクールカウンセラーすべてが、この4の業務ができるように、養成段階で、訓練が行われる。自分は、集団への対応は苦手だからできない、といったスクールカウンセラーは、もう不要な時代がくる。

そういった重要な法案なのに、なかなか、再提出されないのは、なんともやりきれない。

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