2008年4月11日 (金)

“たまご”が教えてくれたこと-命の教育ひょうごからの発信

“たまご”が教えてくれたこと ~兵庫県狭間小学校 3年1組の子どもたち~  

今夜12日午後8時から関西地方のみですが、放映されます。 すでに、何回か、BS、総合で全国放送されています。 この取り組みは、福井加寿子先生が、兵庫県立教育研修所心の教育総合センターの「命の大切さを実感させる教育プログラム」に参加したとき、有識者委員の藤井美和先生 (関西学院大学)がアメリカでの卵を使った命の教育の実践を紹介され、それをヒントに、福井先生が、さまざまな工夫を折り込み(生卵はアレルギーがある子どもが一人でもいれ ばできない、それで粘土に。たまごを最後はカプセルにいれて終わるなど)展開した授業実践です。  ノンフィクション作家の柳田邦男氏は、福井先生の実践を、「教室で展開する箱庭療法ですね」と評していました。 関西地方みなさん!必見です。

  兵庫県三田市立狭間小学校3年1組で、「たまご」を使ったちょっと変わった授業が行われました。たまごと言っても、本物ではありません。子どもたちが作った紙粘土の「たまご」 です。その「たまご」を一生懸命“お世話”してみようという授業です。学校でも家でもいっしょに 過ごし、服を着せたり話しかけたりします。 家でオルゴールをずっと聞かせている子がいました。小さい頃、自分がずっと聞かせてもらっていたからだそうです。他の多くの子も、無意識のうちに、自分が親にしてもらって嬉 しかったことを「たまご」にしてあげているようでした。そして昔親がどんな気持ちで自分を育ててくれていたのか、その思いに気付いていきます。番組では、総合学習の時間を使って11月に始まった“たまごの授業”が3月に終わるまでを描きます。「愛する」「愛される」という大切な感情を育てる授業を通して、子どもたちの 心の軌跡と家族の姿の“今”が浮かび上がってきます。ぜひご覧ください。 4月18日(金)

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2008年2月17日 (日)

学習指導要領案へのパブリックコメントを送ろう

文部科学省は、学習指導要領改訂案についてのパブリックコメントを公募している。

ひとり一人の声は非力でも、多くの声は、組織を動かします。

案を読んで、感じたこと、考えたことを、文部科学省に送りましょう!

幼稚園教育要領案、小学校学習指導要領案、中学校学習指導要領案関係資料

学校教育法施行規則の一部を改正する省令案並びに幼稚園教育要領案、小学校学習指導要領案及び中学校学習指導要領案等に関する意見公募手続(パブリック・コメント)の実施について

小中学校学習指導要領案には、「悲しみ」「怒り」という言葉は、検索するとみあたりません。「ストレス」という言葉は、中学校の保健体育の項に一カ所でてきます。小学校では、「悩み」や「不安」という言葉がでてきます。

道徳には、希望や愛は、あります。

「心のノート」にもいえることですが、どうして、「怒り・悲しみ・暴力」そういったことを、きちんと教えないのでしょうか?「暴力が生涯にわたって、否定的な影響を及ぼすこと」、「被害を受けると、どのような心身反応が起きるか、また有効な対処の方法があることを知ること」、「思春期・青年期に、『自分はだめだ』と否定的な考えが浮かんでも、それは一生続くことではないこと、その否定的考えをエネルギーに肯定的建設的考えに変えることができること」、そういったことを、子どもに教えなければならない時代がきているのです。

愛や希望を語ること、示すことは絶対必要です。だから、道徳を否定するわけではありません。しかし、親からの虐待的養育の環境に身を置かざる得ない子どもたちの現実に、「愛と希望」だけでは、むなしく響くだけです。

人が怒りや悲しみを抱えたとき、どうしたらよいかを、伝え、教え、一緒に考え、さまざまな怒りや悲しみを和らげる体験、怒りや悲しみを芸術や科学やスポーツに昇華する体験を学校教育にとりいれていかなければならない時代がきているのです。

その観点から、学習指導要領案をみると、不足しているといわざるえません。

本当は、道徳を排して、「人間科」、「生き方科」、といった科目の新設が、その要請にこたえるのでしょうが、組織は、そう変わるものではありません。

少なくとも、安全・安心・悩み・不安・ストレスといった項の実践例を、例示する資料集を作成してほしいと思います。

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2007年11月27日 (火)

日本カウンセリング学会第40回大会公開シンポジウム「 カウンセリングにおける心的成長と癒し」

 大会長の新里里春先生が司会・企画でした。新里先生には、このような機会を与えていただき感謝いたします。沖縄は、はじめて訪れたのですが、独特の雰囲気がありますね。夏川りみ・ビギン・さまざまな魂の歌が、沖縄から生まれていますよね。癒しの風土を感じましたね。戦争の犠牲という悲しい歴史が、癒しの風土を一層醸し出しているのかもしれませんが。
 シンポジウムで、私はPost traumatic growthにかかわるケースを2例紹介しました。坂野雄二先生が、事前打ち合わせでも、シンポでもおっしゃっておられたように、クライエントは成長や癒しを求めてきているのではなく、それは結果だと。それについては、私も全く同感なんですね。私が紹介したケースも、結果として、悲しい出来事から、新しいこと・ものを生みだしていったんですね。それに、犯罪被害者遺族の会で、「癒し」という言葉は使われませんね。心を癒すために、集まっているのではないのです。今の司法制度の矛盾や理不尽さに、みんなで立ち向かう力を集める、といった方がグループの趣旨にあうと思うんですね。
 ただ、坂野先生が、「すべての人にカウンセリングマインドは、大きなお世話!」とスライドで紹介していたのは、「うん?」と思いましたね。これは、いろいろな意味が込められているんでしょうけど、子どもの事件後の心のケアに携わって思うことは、やはり、おとなはカウンセリングマインドをもっていないと、子どもの嘆き・悲しみ・怒りに、すっと手を差し伸べられないですよね。行動面の変化にのみの対応では、指導に終わってしまって、問題は解決しないのです。
 ただ、カウンセリングマインドが、受容と共感のみを指しているのであれば、それだけでは十分ではないですよ、と言いたいですね。受容と共感は、基本だけど、さまざまな心身反応の仕組みをカウンセリングで伝える心理教育や望ましい体験の積極的提案もカウンセリングに含まれているんですね。
 しかし、認知行動療法であるトラウマへの長時間暴露療法をわが国で中心的に展開している飛鳥井望先生は、共感性の乏しいセラピストは、この技法を使わないで欲しいといわれていました。 

 ですから、カウンセリングということばに、受容・共感・心理教育・望ましい体験の積極的提案、ということが含まれていることが、重要になるんですね。「カウンセリング」や「心のケア」は、広く、周知されてきたので、これらの言葉を、積極的に、世間にアピールする方が得策だと思います。
 沖縄は、もう一度、ゆっくり行ってみたな、と思いましたね。

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2007年4月26日 (木)

命の大切さを実感させる教育プログラム

命の大切さを実感させる教育プログラムのHpがリニュアルした。

この3月に実践事例集を発行した。

河合隼雄先生ら有識者の意見も掲載されている。

ぜひ、ご覧ください。

ながいあいだ、Hpを休止していたので、いろんな方から、お便りをいただいています。

東京のSさん、お手紙ありがとうございました。動作法とストレスマネジメント、ますます発展ですね!

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2007年2月28日 (水)

いのちきらきら-健康教育研究推進校

 今日、2年間の健康教育推進校の指定を受けているK市N小学校を訪問した。県のいじめ問題検討会議を中座して、かけつけたが、そこに学校がみえているのに、正門への道がわからず、約束の時間をかなりオーバーしてしまった。

  H県の命の大切さを実感する教育のプログラムと私の実践を少し紹介し、討議に入った。

 「子どもたちが失敗を恐れないでチャレンジしてほしい」「もっと自己表現を」「たくましく自分を表現してほしい」、研修会で次々に発言される先生方。

 あっという間に1時間半が終わり、校長室で、研究成果の冊子をいただいた。

 その中の授業案に、小学2年生への図工学習活動案があった。指導のY先生は、小磯良平の「母子像」を子どもにみてもらい、それを授業として展開していた。その作品をみて、子どもたちはさまざまな感想を述べたらしい。母が子どもを抱いている絵である。抱かれた経験がある児童、ない児童(あっても覚えていないんだろうが)、ないという児童が1/3いたそうである。

 この授業は、すごくシンプルで、奥が深いように思った。

 抱かれる体験。安全で安心。その体験が十分にあって、外界へ飛び立つことができる。外界で傷ついても、その基地にもどってきたらいいのだから。

 いのちの授業は、いろんな形で展開できる。

 H県もK市も、いのちの教育を、一体となってすすめてはどうだろう。この指導案も、インターネットでupして、「いのちの教育」実践指導案のひとつとして、ひろく伝えたい指導案だと思った。

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2006年5月19日 (金)

小さな花束-中井久夫

ささげまつれ、その花を、
耐えるこころのやさしさを、
  暮るるに遅い夕まぐれ、
  早くも閉ざす窓の戸を。

巻頭言を書きあぐねていた私だが、今の私には千万言をついやしても、この四行以上のことがいえるわけでないと思う。ささげる相手は誰か、死者である。非業の死者である。・・・・・・

これは、npo法人ひょうご被害者支援センターのニュースレター第6号の中井久夫センター理事長の巻頭言の書き出しです。ひょうご被害者支援センターは、5年前、犯罪被害者遺族2名を役員に迎え、全国で26番目に発足した犯罪被害者支援センターです。昨日、理事会があり、このニュースレターを手にしました。

この巻頭言をよみ、うなりました。この4行詩は、作者不明だそうです。死者を弔うこと、花を手向けることの意味、死者との対話。絶対に許せないこと、人の命を奪うこと。この巻頭言は、さまざまな思いを、彷彿とさせます。

6月18日には、「犯罪被害者等基本計画について学ぼう」というテーマで、基調講演・シンポジウムが、神戸のラッセホールで、午後2時から5時まで開催されます。基調講演は、基本法制定に深く関わった高橋正人弁護士。シンポジストには、犯罪被害者のご遺族も参加されます。基調講演・シンポジウムは、参加費無料です。

当日おいでいただき、ひょうご被害者支援センターの会員(年度会費5000円)になっていただくと、ニュースレターを手にできます。

秋田で、尊い子どもの命がまた奪われました。

暴力を許さない、被害者の人権を保障する社会をつくっていきましょう。

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2006年5月15日 (月)

JR福知山線脱線事故負傷者のためのトラウマ回復プログラム第2弾-飛鳥井望先生を迎えて

昨日、JR負傷者のためのトラウマ回復プログラム第2弾を、「パレットかわにし」で行いました。これまで、12月、1月、3月と、3回「集い」の中で、行ってきました。しかし、まだまだ、あの事故の衝撃の傷が癒されていない方のためにもと三井さんたちと話し合って、この時期に実施しました。日本トラウマティック・ストレス学会の初代理事長の飛鳥井先生が、「お手伝いしますよ」と、今年神戸で開催された学会大会の時に、おっしゃってくださったので、ボランティアで来ていただきました。昨日は、母の日だったこともあり、参加者は少なかったのですが、グループの大きさとしては、ちょうどよい人数でした。飛鳥井先生のミニレクチャー「トラウマ記憶に対処する―脳と心のメカニズムを知ろう」(40分)にはじまり、グループの話し合い(主に、段階的練習法;実生活内曝露)と、1時半から4時すぎまで、あっという間の2時間半でした。飛鳥井先生のお話の一部を紹介します。

  地下鉄サリンの被害者をはじめ多くの被害者がどう回復していったかを織り交ぜて、理論と実践の両面から話されました。理論は、条件づけです。金魚からネズミのデータも引用しながら、動物が危険を察知して、回避行動をとるのは、当然なこと。しかし、本来は安全な刺激に対しても、自律神経系が反応して、フラッシュバックが起き、落ち込む、そして刺激を回避する行動をとる、その悪循環。それがトラウマ。回復するためには、条件づけを消去する手続きをとればいいんです。それが、段階的練習法(専門的には、実生活内曝露といいます)です。嫌なことに直面し克服していくことをサポートするカウンセリング(認知行動療法)が必要なんです。しかし、それは決してスパルタ訓練ではないんです。

  ・トラウマの反応が起きているだけなんです、家族関係とか性格が弱いとか強いとか関係ないんです。
 ・回避は、悪い対処ではないんです。もし、回避しなければ、例えばJRの電車に乗って、苦しみながら全てのエネルギーを使い果すことになり、勉強も集中できない、といったように生活が立ちゆかなくなるんです。だったら、回避して、少しでも生活を立て直したい。
 ・だけど、回避によって、自分への自信がなくなっていく。本当は、この「自信が無くなる(否定的考え)」ことの方が大変なんです。
・回避は当面の対処にはよいが、長期的には生活に支障をもたらすんです。

 ・それで、少しずつチャレンジして、トラウマを克服していく。できるようになると、自信がわいてくるんです。もう、トラウマ記憶に、振り回されなくてもいい。そういった自分を回復するための方法なんです。

 その中の一枚のスライドを紹介します。

     段階的練習法のこつ(100%成功間違いなし)  (飛鳥井望)
    ・課題のハードルは高すぎても低すぎてもだめ。
     嫌だけれども少しがんばればできそうなレベルを選ぶ。
    ・週に2,3回練習する。
    ・できれば不安が弱まるまで30分間はがんばる。
    ・勝ちぐせをつける。
    ・失敗したらハードルを少しさげる。
    ・チャレンジ精神で前向きに考える。

5月21日(日)も、飛鳥井先生に来ていただきます。JRの負傷者で、「もうあの事故のことにはふれたくない。でも、日常生活が苦しい。」という方は、ご連絡(hotanshin@hotmail.com)下さい。

 この事故のご遺族の方へのサポートも、したいと思います。ただ、トラウマの回復プログラムが主体ではなく、大切な人を亡くしたあとのさまざまな反応に対処するためのグループ(ないしは、カウンセリング)が必要です。「悲しみはときとともに深くなり癒されることはありません。」と犯罪遺族の方はおっしゃられます。しかし、不眠・悪夢・無力感などさまざまな反応を回復することはできます。ぜひ、ご連絡ください。

  それと、マスメディアの取材は、もうないだろうと思っていましたが、2社ほど、プログラムの終了を待っておられました。息の長い取材を、風化させないためにもお願いしたいですね。

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2006年3月23日 (木)

被害者支援と臨床心理士

犯罪被害者等基本法の基本計画の5つの重点課題の一つに「②精神的・身体的被害の回復・防止への取組」があげられています。

日本臨床心理士会は1999年に被害者支援専門委員会を立ち上げ、毎年、被害者支援研修会を実施してきました。第1回は、神戸の地で、中井久夫先生の基調講演をはじめ、さまざまな分科会を企画しました。その他、学校心理臨床分野での研修会でも、被害者支援研修が取り入れられており、今日に至っています。

このたびの、法制化と基本計画は、そのような研修システムのさらなる充実を後押ししてくれるものとうれしく思っております。

心の健康会議のシンポジウムでは、そのさらなる展開にふれました。話題提供した一部のパワーポイント を掲載いたします。「kokoro.pdf」をダウンロード

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2006年2月22日 (水)

対人援助専門職の方への臨床動作法研修会

 ある県の対人援助職の先生方への2日間の研修にきています。今日は臨床動作法の歴史、実技の半日研修です。動作法のはじまりの解説、運動催眠の実技。そして発達障害、おもに自閉性障害の子どもへの動作法の実習です。

 運動催眠の後倒法で、「なにかできなかった」と感想を述べられた方に、「後ろに倒れるという動作は、私たちにとって非日常です」と伝えました。そして、

 脳性マヒの子どもにとって、『立ってみようか』、自閉性障害の子どもに、『いっしょにやろうよ』という提案は、非日常なんです。だから、とまどい、受けいれられない。だけど、なんども、『やってみようよ、体験できると、なにか楽になるよ』と提案してくれる人がいて、自分のペースから少し離れて、『なら、やってみようか』とつきあいでやってみると、『結構よかった』。そんなプロセスが大事なんです。

 できる・できない、ということも大事だけど、課題に取り組みたくない、取り組んでみた、そんなプロセスが大事なんです。だから、「・・・するんだ!」というのが動作法での動作課題ではなく、提案を受けいれていっしょに活動していく、そのことが大切なんです、と伝えました。

 みなさん、独特の雰囲気をもっておられます。日常、虐待をはじめ、苦しみもがいているひとと直面し、仕事をしている人特有の雰囲気です。いっしょにいるとほっとする。

 研修のパワポの一部です。「rinsyoudousahou-1.ppt」をダウンロード

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