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2008年5月31日 (土)

四川大地震後の心理援助3-成都から

26日に、重慶に着き、今回、派遣要請をだしてくれた西南大学に。西南大学は学生43000人を擁する大学で、心理学院(心理学部)だけでも、学生・院生をあわせて700人以上いるそうだ。重慶から成都まで380km、成都から北川、都こうえんなどに被災には、また100km以上かかる。日本では、関西から山口ぐらいの距離だろうか。

しかし、西南大学心理学院はボランティアチームを、各地に派遣して活動を展開していた。

被災地ではさまざまな課題がつきつけられいる。

中国の心理士を支援するという今回の活動は意味があったと思う。

詳細は、後日レポートしたい。

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2008年5月25日 (日)

四川大地震後の心理援助-重慶の西南大学心理学院へ

四川大地震後の心理援助に携わる中国心理士のみなさんの集まりで、

お話しすることになりました。

日本心理臨床学会は、西南大学心理学院の派遣依頼を受けて、あすから1週間、4名の臨床心理士を中国に派遣することになりました。

 1,チーム名:中国四川大地震心のケアチーム

 2,派遣者氏名

              冨永良喜(兵庫教育大学大学院・教授)

              高橋哲(芦屋心理生活研究所・所長)

              小林朋子(静岡大学・准教授)

               沅洪(広島市立大学・准教授)

国際交流委員長の一丸藤太郎先生が窓口になり、中国からの依頼に応じるということで、派遣が決まりました。

阪神淡路大震災、スマトラ大津波での実践をもとに、これまでの知見を、伝えにいきたいと思います。

世界的には、ディブリーフィングから心理的応急法(PFA)へ、など、いまの支援から10年後を見据えた支援について、中国のみなさんといっしょに考えることができればと思います。

帰国は6月1日です。後半、成都を訪問するかもしれません。

日本の救援チーム、医療チームに、中国市民は、大変好意的な感情をもっておられるとお聞きしています。

私たちも、阪神淡路大震災後の心のケアのあり方を伝えたいと思います。しかし、心のケアは、その国の文化、宗教、価値観がなにより大切です。そのことを踏まえて活動してきたいと思います。

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2008年5月20日 (火)

四川大地震後の心理援助2

共同通信発、成都で、心理学チームが、活動開始。隣国であり、阪神淡路大震災や新潟中越地震などを体験してきたわが国です。これまでの知恵を提供したり、この困難に立ち向かうために、すぐにでも、中国に行きたいですね。

24時間態勢で心のケア  被災地の子どもたちに
【成都20日共同】中国・四川大地震で、四川省成都の心理学の専門家らが、親を亡くした子どもや遺族らが急性ストレス反応や心的外傷後ストレス障害(PTSD)に陥ることを防ぐため、ボランティアで避難所に臨時診療所を設置し、24時間態勢でカウンセリング活動を行っている。
 子供ら被災者の精神的負担は重いが、中国では心のケア対策が遅れているため、専門家からは日本を含めた国際社会の支援を期待する声が上がっている。

 「もっと休んでいったら」。四川省綿陽市の避難所に立てたテントの診療所で、成都医学院の孫☆講師(応用心理学)が10歳ぐらいの女の子にやさしく語りかけた。孫講師によると、避難所にはショック状態の子どもが多数いるという。

 同学院は大地震発生2日後の14日に臨時診療所を立ち上げた。被災者約2万人が寝泊まりしている避難所を毎日何度も巡回し、具合が悪そうな子どもや老人に声を掛けて診療所でカウンセリングを実施、悩みや悲しみを表情や行動から引き出して精神の安定を図っている。

 10数名の教師が講義の合間を縫って、成都から約130キロの避難所へ。約20人の学生は「実践的授業」に積極的に出席する。「夜間に症状が出るケースがあるため」(孫講師)診療所のテントに学生10人と雑魚寝で泊まり込んでいる。

(注)☆は王ヘンに路


2008/05/20 07:35   【共同通信】

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2008年5月19日 (月)

四川大地震後の心理援助

毎日四川大地震の被災地のようすが報道されています。阪神淡路大震災を経験した私たちにとって、胸の締め付けられる光景です。地震から1週間、今日の毎日新聞と神戸新聞に、心のケアの話題がのりました。中国では、「心理援助」というようです。「心のケア」というよりも、的確な用語ですね。

毎日新聞の記事で気になったので、ブログに掲載することにしました。

四川大地震:PTSDのケア開始…3都市に医師50人

 【都江堰(中国四川省)浦松丈二、綿陽(同)鈴木玲子】中国四川省を襲った大地震で18日、北京市の精神科医50人が震源地に近い都江堰(とこうえん)など3都市に入り、被災者の心のケアを開始した。被災地で大災害後のPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療を進める方針だ。

 精神科医を受け入れた成都市精神衛生センターによると、中国では災害によるPTSDはあまり知られておらず、被災者の受診を促すため、医師が数グループに分かれて被災地を巡回することになった。

 最大の被害を受けたぶん川(ぶんせん)県の子供たち10人が暮らす成都市郊外の双流県の避難所には、毎日、精神科医を派遣し、震災のショックが子供たちにもたらすストレス障害を警戒していくという。

 中国の非政府組織(NGO)も独自にPTSD対策を開始した。広東省の同郷会「広東獅子会」やハリウッドの映画スター、ジェット・リーの「壹基金」が派遣した精神科医が18日に成都に入った。

 都江堰市内で診察にあたった鄭毅医師は「自分たちのチームが担当した200~300人では、地震の時の様子が何度もよみがえったり、不眠や頭痛を訴えるなど、PTSDに近い症状の患者が10%程度いた。この人たちについては、明日、成都市内の病院に移す。1カ月間継続して診察する必要がある」と語った。

 綿陽市内にある九洲体育館には、壊滅的な被害を受けた周辺の山間部から1万人もの被災者が身を寄せている。18日、「十分に睡眠をとり、眠れない場合は軽い運動をする」、「感情を隠さずに、悲しみをだれかに話したほうがよい」などと、震災で一瞬にして家族や自宅を失った被災者に対する助言を盛り込んだパンフレットが配布された。

※ぶん川県の「ぶん」はさんずいに文

毎日新聞 2008年5月18日 23時20分(最終更新 5月19日 1時31分)

気になった箇所は、

「自分たちのチームが担当した200~300人では、地震の時の様子が何度もよみがえったり、不眠や頭痛を訴えるなど、PTSDに近い症状の患者が10%程度いた。この人たちについては、明日、成都市内の病院に移す。1カ月間継続して診察する必要がある」

です。

急性ストレス障害のレベルということでしょうか。トラウマのできごとは、ほとんど全ての人に、フラッシュバックや回避マヒといった反応を引き起こします。しかし、人は回復する力をもっており、反応を収めていくことができます。ただ、それらのトラウマ反応に、適切な対処ができないとき、反応が持続し、日常生活が阻害されてしまうのです。DSMでは、その持続が1ヶ月以上続いたとき、PTSDとの診断基準を満たすということなんですね。

だから、PTSDは回復できないことの障害なんですね。はじめに、反応が起こるというのが、ほかの疾患と異なるところなんです。

だから、メッセージとしては、フラッシュバック、興奮、眠れない、そういった反応は、だれにでも起こる当然な反応なんですよ。人は、回復する力をもっているんですよ。そのためには、興奮を静めるリラックス法もいいでしょう。フラッシュバックが起こったら、そこに身を置いて、あふれる感情を語るのもいいでしょう。というメッセージは、必要でしょう。しかし、まだ、ライフラインも復旧していない現状では、感情をはき出すことをすすめるメッセージは、適切ではないでしょう。

ただ、急性ストレス障害のレベルなんでしょうね。この10%は。それで、要治療というコメントなんでしょう。

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2008年5月11日 (日)

H20年度はじめての動作法月例会

今年度のはじめての月例会!

本学の大学院生が多数参加しました。初心者のための動作法研修会を企画しました。

急遽のお願いにもかかわらず、H先生が、午前中、90分、動作法の理論と実技を担当してくれました。感謝!

トレーニーは11名でした。この2ヶ月の間に、いろんな出来事があったトレーニー。そして、新年度、あたらしい担任との出会い。新しい生活のはじまり。

兵庫の動作法キャンプは、8月24日~29日、丹波少年自然の家です。完全バリアフリーの少年自然の家は全国でも珍しいのではないでしょうか。

今年は、エビデンス・プロジェクトをひとつの柱に動きだしています。マネージャーのK先生が記録計画周到に事を運んでくれています。

私にも、新しい風となっています。今日、ベテランのトレーニーのHさんに、<ひとりでやる動作法、やってみて!これやったら気持ちいい!っていうの!>と尋ねてみました。

<わかんない!>というので、「動作法は本当はひとりでやるんだよ」というと、「だったらいままでの訓練は、うそだったの!」と言われてしまいました。

 原点に戻ろう!そう思った一瞬でした。

新しい風の大学院生。ほんとうに、楽しみな一年がはじまりました。

 SVにかけつけてくださったS先生、H先生、T先生に感謝です。

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2008年5月10日 (土)

Around40-トラウマ反応の描き方と心理療法

精神科医・天海祐希の金曜10時ドラマ、around40の#5、トラウマの視点から、読み解いてみたいと思います。

1,トラウマ反応の描き方は、橋部さん、かなり勉強してますね。

 PTSDに移行したのは、家内の予測通り、写真集に載っていた青年の死でした。通訳の青年は、自分のせいで、地雷で死んでしまった。なぜ、死んだのは、自分ではなく、彼なのか。カメラがもてなくなるほど、トラウマ反応が減衰しなかった理由は、この自責感情ですよね。

しかも、フラッシュバックが、日常の感覚刺激で、喚起されるという描写も、よく勉強していると思いました。”強い風”が、トリガーになってましたね。

2,回復のための心理療法も基本ははずしていなかったですね。

 心の傷に向き合うことと、回避している行動にチャレンジすること、この2つが、臨床心理士・藤木直人によって、提案されていました。(もちろん、実際の心理療法では、日常生活にまで入り込んで、治療をすすめないでしょうけど。)しかし、PTSDが、受容と共感の心理療法のみでは改善しないことを橋部さんはよく勉強したのだと思います。

 回避行動へのチャレンジは、カメラを手にする、ファインダーを覗く、シャッターをきる、そういった回避行動をリストアップして、苦痛度が50-60の行動からチャレンジするんですね。元カレが必死でカメラを手にしている場面がありました。そこに、聡子が、「すごい!手に取れただけ進歩よ」と声をかけていたのは、この実生活内曝露(段階的練習法)のことを橋部さんがちゃんと勉強していたからだと思いますよ。

 実際の心理療法の過程は、もっと苦しく、そして、回復の実感がえられていくから、苦しい課題にもチャレンジできるのですが。

 ともかく、これだけ、トラウマとトラウマからの回復を、最新の情報から構成したドラマをはじめてみました。

 しかし、なんとなく、さっぱりとしていた感じが残って、この物足りなさはなんなんでしょうか。

keiさん、書き込みありがとうございました。聡子は、PTSD専門の治療者への紹介状を書いていましたね。でも、あれだけ、変化の実感があれば、もう治療は80%は終わってますよね。あの状態にいたるまでに、トラウマセラピーのセッションでのクライエントの苦しみが描かれていなかったのが、物足りなさでしょうか。でも、それをドラマで期待するのは期待しすぎですね。

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2008年5月 2日 (金)

Around40-戦場のトラウマ?

私にしてはめずらしくTVドラマを楽しんでいます。金曜日の10時、around40です。

第4話は、戦場のカメラマンの聡子の元カレが登場。自分が撮影した戦場の写真をみて、からだに力がはいり、フラッシュバックが起きていることが推測される映像が流れました。

次回(第5話)の予告を、Hpでみると

「そんな折、貞夫(筒井道隆)の店を訪れた和哉は、会話の途中、突然倒れてしまうのだった。その話を聞いた恵太朗は、聡子に内緒で独自に和哉のカウンセリングを始める。やがて和哉の衝撃的な過去が明かされるのだった。」

 聡子のところに戻ってきたのは、戦場のトラウマにによって、カメラがもてない、写真が撮れなくなっているんでしょうね。トラウマ反応は、だれにでも起こる当然な反応ですが、その反応が消失せずに、持続して、日常生活を阻害するときに、PTSDと診断されますね。報道写真が命の和哉が写真がとれないというのは、日常生活を阻害していますし、再体験症状(フラッシュバックや悪夢)と回避(カメラがもてない)があるので、PTSDでしょうね。PTSDに移行する2つの要因-回避と否定的認知-とすれば、「衝撃的な過去」というのは、自責感情をともなう出来事ではないかと推測してしまいます。自分のせいで、だれかが死に至ったという文脈でしょうね。

 臨床心理士の恵太朗のカウンセリングのみでは、PTSDが治癒せず、聡子の精神療法で、治って、ふたたび、戦場に旅立つ、というストーリーを予測してしまいますね。

ps.第1話で、精神科医は診療時間が長くとれないので、という場面がありましたので、聡子が直接、精神療法をするというのは、現実的ではないですね。PTSDの心理療法・精神療法は、60分の面接時間の枠では、なかなかむつかしいですから。長時間曝露も、EMDRも1セッション90分はかけますよね。まだ、知られていないイメージ動作法もそうですね。脚本家の橋部敦子さんが、どこまで、PTSD治療を調べているかですね。PTSDの症状の描き方は、よく調べていると思いますよ。悪夢の場面もありましたよね。問題は、治療ですね。第4話では、なりたい自分のイメージを提案していましたから、ブリーフセラピーのトレーニングは受けているようですね。でも、どうなんでしょう、トラウマセラピーのトレーニングは受けていますかね。

さて、長時間曝露療法が登場するのか、EMDRなのか、興味津々ですね。

精神科医と臨床心理士がなかよく仕事をしているドラマは、好感がもてますね。

ドラマのなかで、「臨床心理士は国家資格ではないんだよね。一部の医療団体が反対していて、国家資格法案が上程できずに、とまっているんだよね」なんて、いってくれたら、インパクトがあるのになー、なんて思いながら、みています。

ps.2008.5.4 加筆しました。

ps.2 家内の推測ですが、アフガンの写真集にでてきた少年の写真、あの少年が、和哉に近づいてくるところで、殺害されたのでは?それで、自責感を抱えて、PTSDに移行したのではないかというのですが。どうでしょうね。

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