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2008年1月27日 (日)

新しい学習指導要領-道徳は変わるのだろうか!

新しい学習指導要領の改訂がすすんでいる。

2008年1月17日 中央教育審議会において、「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(答申)をとりまとめました。(「答申」全文はこちら)(PDF:893KB)

この答申を読むと、道徳教育がどのように変わるのか危惧せざるえない。

この答申の52p

「第四は、道徳教育の充実である。道徳性の涵養については家庭の果たす役割がおおきいことを前提にしつつ、学校教育においては、発達の段階に応じた指導や体験活動などを通じた生活習慣や最低限の規範意識の確立、民主主義における法やルールの意義の理解など5.(7)で示した基本的な考え方に従って道徳教育を充実する必要がある。」

そして、「心のノート」の活用などがあげられている。

 これまでも、心のノートについては、このブログでも取り上げてきたが、残念なことに、「怒りや悲しみとのつきあい方」についてのページがみあたらない。

 規範意識の形成には賛成だが、「親が子どもを虐待する、暴力をふるう」現実のなかで、子どもがそれをどう受けとめ、どう対処したらよいかについて、だれが伝え教えるのか!

 当然、家庭で親が教えることはできない。それは学校教育で行うしかないのだ。もちろん、地域の社会教育が行ってもよい。しかし、このようなハードなテーマに、子どもたちが集まるだろうか。だから、暴力がいかに人の心を傷つけ、人生の長きにわたって、影響を及ぼすかを、トラウマや臨床心理学・精神医学の知見をもとに、子どもにもわかりやすい言葉で教えなければならない。その場は、学校、教室しかないのだ。

 また、「暴力はいけない」と大人が何度も唱えても、効果は乏しい。むかついたとき、怒りがわき上がったとき、暴力以外の方法で、その感情をどう伝えるのか、どう表現すればいいのかを、教室のなかで、しっかりと子どもが体験しなければ、決して暴力はなくならない。

いまの道徳教育の実践には、このようなテーマがみあたらないように思うが、どうだろうか。行われていても、一部の熱心な教師だけだろう。

ここは、学習指導要領の改訂を機に、おおきく変えてほしい。

特に現職の教員のみなさん、いまの道徳教育がどのように行われており、どのような問題を含んでいるのか、声をあげてほしい。

道徳で、人間関係のストレス(ストレスマネジメント)やアンガーマネジメント、アサーショントレーニング、ピアサポート、いじめ防止授業を、積極的に年間指導案に組んで実践している学校があれば、その成果について、教えてほしい。

そして、なぜ、そのような授業が、どの学校でも実践できないのか、なにが問題なのかについて、このブログにコメントを寄せてほしい。

まもなく、文科省は、2月にパブリックコメントを求める。現場がひとり一人声をあげないと、わが国の道徳教育は変わらない。

日本ストレスマネジメント学会、日本ピアサポート学会などが連名で、「発達段階に応じた体験活動」の実際を、具体的に、提案する必要があるように思う。

この機会を失うと、わが国の心の教育が、もう10年、遅れることになる。

少なくとも兵庫県ですすめている「命の大切さを実感させる教育プログラム」が、道徳教育の改訂に反映されることを望みたい。

学習指導要領改訂の今後のスケジュールが文科省のHpに掲載されている。

学習指導要領改訂の今後のスケジュールについて、渡海文部科学大臣から、
・本答申に示された提言を受け止め、直ちに小・中学校学習指導要領の改訂作業に取り組み、2月中旬を目途に改訂案を公表し、1ヶ月間のパブリックコメントを行った上で、今年度内の改訂を目指す 

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2008年1月19日 (土)

生きていること-震災特集から

1月17日朝日新聞夕刊に、感動的な記事が掲載されている。

震災で亡くなった米津漢之君(当時小1年生)のお父さんが漢之君の母校芦屋精道小学校で、17日の朝、児童の前で語りかけた。「20歳の君の姿を見ることができないのが本当に悔しい」と。お父さんが亡き息子たちのことを語ろうと決めたきっかけは、漢之君といつもペアで行動していた小6の少女の作文だった。

この少女の作文がすごい。最後を引用しよう。

「生きていること。それは、困難のかべにぶつかりそれを乗りこえること。約束された死までの時間を輝くものにすること。

 死んでしまうこと。それは、輝く人生を終え、他の人の心の中で、永遠に生きてゆくこと。」(吉田さん)

少女の作文がくれた勇気 子を失った父親は語り継ぐ

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2008年1月11日 (金)

阪神淡路大震災から13年-じーんとくる記事

もうすぐ阪神淡路大震災から13年目の日がくる。

読売新聞関西に胸がじーんとくる記事が掲載された。

山下吏良さんの体験を聴きたくなった。あれから13年。それぞれの13年。こういった記事に出会うと、事件後のメディアスクラムのマスメディアのイメージが変わる。

確かに、メディアは、人とひとの心をつなぐ力がある。

あのとき始まったもの――「心のケア」

<上>仮設でマイク向けた記者は自衛隊の臨床心理士になった

 山下吏良(りら)(35)は、昨年12月末、広島県江田島市の海上自衛隊幹部候補生学校を卒業した。2か月の訓練期間中、臨床心理士である山下に、上官や同僚がよく話し掛けてきた。何年も前に大災害現場で遺体収容に携わった体験を語り、「今でも涙が出る」「寒気がする」と。ひそめるような声の調子が、弱音を許されず、何年も抑え込んできただろうことを思わせた。
 自衛隊が臨床心理士の採用を始めたのは2004年。山下を含め9人が隊員らのカウンセリングに当たる。ひたすら強くあることを求められてきた組織が今、隊員の「心のケア」に目を向ける。「以前なら考えられなかったこと」と、防衛省の担当者がいう。
 日本人の「心」を取り巻く環境が、1995年1月17日の阪神大震災を機に一変した。山下はその震災を、テレビ局記者として体験している。
 発生当初、神戸大学病院の呼びかけで全国から精神科医が駆け付けた。目的は慢性の精神疾患患者への支援で、一般被災者に起こる事態は想定していなかった。

 幹部候補生学校卒業後、山下さんは海上幕僚監部所属となり、自殺した隊員の家族、同僚のケアに当たる

(広島県江田島市で)=前田尚紀撮影

 突然泣き出す人や余震に震えが止まらぬ人、不眠の人。医師らは、避難所の異変に驚いた。邦訳された数少ない専門書を奪い合うように読み、PTSD(心的外傷後ストレス障害)について学ぶと、まさに目の前で起こっていることが、それだった。
 「PTSDについて詳しく知る精神科医はほとんどいなかった」。04年にできたPTSDの研究機関「兵庫県こころのケアセンター」副センター長、加藤寛(49)が打ち明ける。
 ましてや一般の人が知るわけはない。
 「何をする人たち」と、兵庫県臨床心理士会理事の高橋哲(56)らは避難所でよく質問された。カウンセリングだと説明し、話を聞こうとすると、「病気扱いするな」と煙たがられた。
 だが、そんな空気は、急速に変わる。
 おびただしい量の震災報道の中で、新聞やテレビはPTSDの事例を詳しく紹介した。「心のケア」というやわらかな言葉とともに、心の傷と癒やしへの関心が一気に高まった。
 震災の年、文部省(現文部科学省)は子どもの心に目を配る学校カウンセラーを全国の小・中・高校に配置し始めた。
 大きな事件事故や災害の際、自治体が臨床心理士会などに心のケアの専門家の派遣を要請することは、いわば定石となった。緊急時に学校に派遣できる精神科医や臨床心理士、保健師らの「こころの緊急支援チーム」を持つ自治体もある。
 震災から10年近く後の04年10月、高橋は中越地震の被災地に駆け付けた。「よく来てくれた」と被災者に歓迎された。あの震災の影響の大きさを、つくづく感じずにはいられなかった。
 テレビ局記者時代の山下の、痛恨の思い出。96年1月、震災1年の企画取材をしていた。神戸市内の仮設住宅で被災者にマイクを向けた。「あなたの夢や希望を教えて下さい」
 「あるわけないやろ」。震災で妻を失った男性は、涙をうかべた。大きな喪失を体験した人に相対する覚悟も準備も、まるでなかったことを悔いた。
 00年10月、別の局のキャスターとして、鳥取県西部地震を取材した。避難所で、今度はカメラを回さず、ぽつんと独りでいる高齢女性の隣に座った。
 女性は、余震が怖く涙が止まらないことや、いつ家に帰れるかわからない不安を話し、「聞いてもらってホッとした。ありがとう」と、笑みをうかべた。
 「人を癒やす仕事がしたい」。山下がテレビ局を辞めて臨床心理士になるために大学院に入学したのはその3年後。自衛隊を選んだのは、被災地のために黙々と汗を流していた隊員らの姿を思い出したから。
 「自衛隊を泣きたいときに泣ける組織にしたい」と思う。
 震災後に設置が始まった臨床心理士養成の大学院課程は、今146校。臨床心理士は震災前の4倍の約1万6000人に達する。精神科医や臨床心理士、保健師ら250人で02年に設立した「日本トラウマティック・ストレス学会」の会員は1200人になった。「心のケアバブルのよう」。震災前からPTSDに目を向けてきたある医師は、激変ぶりをそう言い表した。
 心の傷に対処しようと策を重ねてきた13年。それは、私たちの心が何と寄る辺のないものかと知る道のりでもあった。
 (敬称略)

 見回せば、震災を機に生まれ、あるいは大きく変容したものがいくつもある。あの地震はどんな時代に起き、何を変えたのか。
(2008年01月11日  読売新聞)

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2008年1月 5日 (土)

犯罪被害者・遺族による命の授業

朝日新聞によると、警察庁が、犯罪被害者・遺族による命の授業を展開するという。この試みも、犯罪被害者等基本法を受けた基本政策の一つである。

兵庫県心の教育総合センターがとりまとめた「命の大切さを実感させる教育プログラム」にも、この試みが提案されている。ここでは、子どもたちに直接お話をしていただく前に、まずは教職員が、犯罪被害者遺族の声を聴こう、ということを提案している。

私も、7年近く、犯罪遺族の会の例会に、参加させていただいている。そして、電話相談員養成研修やシンポジウムなどで、お話を聴く機会がある。そのたびに、涙が流れる。

こういった試みは、子どもの心をうつであろう。しかし、心ない反応に、犯罪被害者や遺族の方があわないとも限らない。二次的被害が起こらないように、教職員・保護者・生徒会、一丸となって、犯罪被害者遺族を、むかい入れて、その声を聴いてほしい。

犯罪被害者らが中高生に「命の授業」 警察庁(朝日新聞)2008年01月04日10時41分

 犯罪で家族を亡くした遺族らに実体験や思いを中高校生らに語ってもらう試みを今春、警察庁が導入する。家族を失った悲しみを生の言葉で聞くことで、少年少女たちに、命の大切さを改めて知ってもらうモデル事業だ。同庁は「犯罪を許さないとの意識を深め、被害者にどのように接すればいいのかを知ってもらいたい」としている。

 この事業は「命の大切さを学ぶ教室」。五つの警察本部を対象に、それぞれ四つ前後の中学・高校で実施する予定。犯罪で子どもを亡くした遺族らが味わった心の痛みや、事件後に周囲の人から受けた二次的被害について聞き、感想文を書いたり、アンケートに答えたりしてもらう。

 この五つの警察本部では、被害者の体験談を聞く一般向けのフォーラムも開催する予定。どの警察本部で実施するかは新年度までに決める。

 被害者支援都民センター(東京都新宿区)が06年11~12月に実施した調査では、犯罪被害者の遺族110人のうち、「不眠、食欲減退などの症状が1カ月以上続いた」と答えた人が9割以上にのぼった。近所の人や警察などから二次的被害を受けたと回答した人も9割近くいた。

 飲酒運転のひき逃げ事件で長男を亡くした大久保恵美子・同センター事務局長は「遺族が肉体的・精神的にダメージを受けていることが理解されず、励ましの言葉を苦痛に感じることがある実態も知られていなかった。安全な社会を作り上げるのは教育次第で、子どもたちには命を大切にする気持ちを持ってほしい」と話している。

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2008年1月 3日 (木)

Webアンケート「少年審判での被害者遺族の傍聴の賛否」

 少年審判では、遺族・被害者の傍聴は認められていません。その法制度が変わろうとしています。こ犯罪被害者等基本法を受けての施策の一つでしょう。これまで、加害者の弁護などに携わってきた方々は、どうも、この改革に、反対のようです。しかし、下記のアンケートでも、圧倒的に、傍聴の権利は、当然!という結果です。被害者参加制度もそうですが、参加できる権利が、法的に認められているということが、大切だと思います。行使するもしないも、その当事者の主体ですから。

Webアンケート「少年審判で被害者・遺族の傍聴が可能に、あなたの意見は?」集計結果

12月17日(月) 13時30分

 「反対」は、わずか3.3%。

 BNNでは毎週月曜日から1週間のサイクルでWebアンケートを行っています。

 12月10日から16日までの1週間は、「少年審判で被害者・遺族の傍聴が可能に、あなたの意見は?」のタイトルでアンケートを実施しました。今回、アンケートに参加していただいた方は男性408人、女性110人の計518人でした。投票ありがとうございます。

 11月29日、鳩山邦夫法相は、原則非公開の少年審判で、被害者や遺族の傍聴を認める少年法改正を法制審議会に諮問しました。傍聴の対象となるのは、殺人や強盗致死などの重大事件です。

 法務省は法制審議会の答申を受け、来年の通常国会に少年法の改正案を提出する方針です。

 少年の処遇を決定する審判は、家庭裁判所の審判廷で開かれます。いまのところ審判廷には、裁判官、書記官、家庭裁判所調査官に加え、少年、保護者、弁護士などの付添人しか入ることが認められていません。

 新たな傍聴制度では、被害者や遺族側に審判の傍聴で知り得た少年の氏名などを守秘する義務が課せられるものの、一部には新制度を懸念する向きや反対もあります。

 日本弁護士連合会は、11月21日、「少年審判手続には迅速さが要求され、事件発生から短期間のうちに手続が進行することから、被害者は被害を受けて間もない時期に審判を傍聴することになる点十分に考慮する必要がある」(犯罪被害者等の少年審判への関与に関する意見書)などとする反対意見をまとめました。

 平成19年版犯罪白書によると、昨年の触法少年補導を含む少年刑法犯の検挙人員は、前年比8.2%減の16万4,220人でした。重要犯罪となる殺人は前年と同数の73人、強盗は22.2%減の912人でした。

 アンケートの集計結果は、以下のとおりでした。

 ・傍聴は当然 460票 88.8%

 ・さらに慎重な議論が必要 32票 6.2%

 ・反対 17票 3.3%

 ・判断できない 9票 1.7%

 「傍聴は当然」を選択した方が9割近くを占め、圧倒的多数となりました。「さらに慎重な議論が必要」と「反対」は、それぞれ6.2%と3.3%の少数でした。

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