2018年8月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

2018年8月 6日 (月)

災害後の子どもの心のケア―平成30年7月豪雨(7)兵庫県立大学学生の活動

兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科の学生・教員は、広島、岡山、愛媛と、さまざまに支援を続けています。神戸新聞に、広島県坂町小屋浦で支援をしている学生の活動が掲載されました。
阪本真由美准教授が、坂町のボランティアセンターをサポート、その後学生さんたちがとてもすばらしい活動を続けています。室﨑研究科長も折々に、学生さんといっしょにこの避難所で活動しています。この記事で紹介されている内藤悠さんは、昨年、熊本地震後の益城町の小学校で、防災と心のサポート授業に取り組みました。ボランティア団体は、被災された方の生活すべてにかかわっています。臨床心理士養成にながくかかわってきましたが、災害後の心のケアは、このようなボランティア団体と協働で行うと災害後すぐに被災地での活動をはじめられると思いました。

西日本豪雨災害から6日で1カ月。土石流や河川の氾濫で約200軒が全壊し、16人が死亡した広島県坂町では、今も倒壊家屋が土砂に埋もれ、約300人が避難生活を送る。兵庫県からは県立大学大学院の学生ボランティアらが駆け付け、交代でほぼ常駐する。避難所の環境改善や被災者の体調管理に協力している。

 坂町によると、小屋浦地区では15人が死亡し、1人が行方不明。倒壊家屋や直径数メートルの岩などが放置されたままになっている。

 同地区では、同大学大学院減災復興政策研究科の研究者と学生が7月14日から活動。交代で泊まり込みながら、8月末まで同地区に5カ所ある避難所の運営に携わる。被災者のニーズや悩みを聞き取り、これまでに談話スペースを設け、段ボールベッドや血圧計も手配。仮設トイレの消毒など衛生管理も担当し、熱中症の予防にも気を配る。

 同大学院2年の内藤悠さん(23)=神戸市灘区=は「避難者同士では話しにくい悩みや心境の変化を聞き出せるようにしたい。高齢者の多い地区なので人手が足りず、もっとボランティアが必要」と語る。

 同地区では、阪神・淡路大震災をきっかけに発足した神戸市兵庫区のボランティア団体「被災地NGO恊働センター」も7月13日から支援を展開。被災者に足湯やマッサージを提供し、心身のケアに努めている。頼政良太代表(30)=神戸市灘区=は「阪神・淡路の経験を生かし、被災者たちのコミュニティーづくりも支援していきたい」と話している。(那谷享平)

2018年7月31日 (火)

特別の教科 道徳ではいじめ防止にはならない

特別の教科 道徳では、いじめ・自殺の防止にはならない と精神科医の松本俊彦さんの記事を以前引用しました。
http://traumaticstress.cocolog-nifty.com/ver02/2017/02/post-25eb.html
この度は、教育新聞に教育学者が、道徳ではいじめ防止にならないばかりか、少数の苦しんでいる子どもにはむしろ心に打撃を与えることになると警告した記事を掲載しました。
「特別の教科 道徳」といじめ  教育新聞 2018年7月30日
まったく同じ考えを先日の日本ストレスマネジメント学会第17回姫路大会で講演しました。
暴力・いじめなどは命を脅かすストレッサーであり、心の健康教育で取り扱うものです。
心の健康教育は保健体育の教科に位置づけられているのですが、時数があまりに少ないのです。小学校1年から年35コマの道徳の時間に比べると、小学校5・6年でわずか3-4時間のみです。
道徳の時間も必要でしょうが、あまりにアンバランスな教育課程になっています。
また、保健体育ですから、中学では、担任ではなく、保健体育の教師が教えることになります。
変わるべきは、道徳教育と健康教育のバランスを変えること、道徳の時間の内容項目の節度節制などは、読み物教材中心を脱却して、健康教育の方法論を授業に取り入れるべきです。
教育学者から、「道徳によってはいじめは抑止できない」 と声があがったことは、画期的です。子どもたちの心の健康のために、学術団体は立ち上がらないといけないと思います。災害後の心のケアも、心の健康教育がベースです。でも授業をする時数がない。
いまから、真備の子どもたちに会いに行きます。

2018年7月27日 (金)

災害後の子どもの心のケアー平成30年7月豪雨(6)広島県こども支援チーム

広島県は広島県こども支援チームを結成し、各地で研修会を予定しているようです。

■経緯
 平成22年7月の庄原豪雨災害時に,子供の心のケアに特化した専門家チームの必要性が提唱されて結成。平成26年8月の広島市豪雨災害で2回目の活動。平成30年7月豪雨災害により3回目の活動開始。

■チーム構成
 児童精神科医,小児科医,臨床心理士,児童心理司(児相),事務職員等
■活動内容
 ・避難所等での子供等との面接及び支援方法の決定
 ・子供の支援者(保育士,教職員,保健師,スクールカウンセラー等)への研修 等
■活動期間
 PTSD(心的外傷後ストレス障害)への対応も考慮し,発災後,おおむね1年間を目途に継続的に活動
こども家庭課
.
このように県のレベルで子どもの支援チームを作ることは、支援者の共通理解をはかり、統一したプログラムを展開していくうえで、とても重要だと思います。
.
危機対応の教訓を日本リスク研究会(リスクミレニアムプロジェクト文部科学省ミレニアムプロジェクト )がとりまとめています。

教訓1:ウソをつかない

教訓2:スポークスマンは1人に(ワンボイスの原則)

教訓3:経営トップの参画を印象づける

教訓4:情報はできるだけ素早く,多く開示

教訓5:メッセージはわかりやすく

教訓6:マスコミを敵に回すな

.
私は、これまでの災害後の心理支援の経験から、「チームの編成」が重要だと考え
危機対応の4原則として提案しています。

.

1、教育長(文科大臣)・担当課長・担当課リーダーシップ

2、チーム編成(平時から) 

3、良いプログラム(時期に応じた心の授業・統一したストレスチェックリスト(健康観察チェック)・個別相談体制・重層的システム(担任-養護教諭-スクールカウンセラー-SCスーパーバイザー-チーム○○):長期支援を見据え)

4、情報公開マスコミを敵に回すな、個人情報保護との葛藤)

.
長期支援が必要ですので、学校でおこなう支援プログラムの作成もチームで行うといいですね。

2018年7月24日 (火)

災害後の子どもの心のケア(5)平成30年7月豪雨:県外からの子どもサポート

広島県坂町小屋浦小学校の図書室は児童が集うことができる部屋になっていました。クーラーがきいていました。そこに、4名の児童とたのしくジェンガをしている先生がいました。子どもたちもスリルをあじわいながらジェンガのチップを抜いていました。先生たちは、福岡県教育庁・教育相談室の主任指導主事、福岡県スクールカウンセラースーパーバイザー、そして小屋浦小学校の先生でした。
.
子どもたちはこの猛暑と、地域が土砂災害で壊滅的な状況なので外では遊べません。室内で少しからだを動かす遊びができたらなと思って、昨夜広島駅についたらすぐに、駅前の大型電機店で、やわらかいキャッチボールのセットや風船を購入して持参しました。ジェンカがひと段落したところで、キャッチボールセットと風船をみせたら、子どもたちは「それなに!」と喜々と遊びはじめました。
.
スポンジボールのキャッチボールを指導主事の先生と大喜びではじめました。
.
風船遊びをスクールカウンセラーがかくれんぼ遊びと組み合わせて、実に楽しくからだを動かしながら遊んでいました。
.
クーラーは図書室しかなく、隣の部屋は英語の部屋なんですが、クーラーがありません。それで、廊下に扇風機をおいて、図書室の冷気を隣の英語の部屋おくって、英語の部屋を遊び部屋、図書室を勉強部屋にしてはという案が検討されていました。
.
遊び部屋に、マットがあれば、危なくなく体が動かせるのにとスクールカウンセラーは話されていました。
.
すべての被災地の子どもの居場所を作ることを急いではどうでしょうか。被災地の学校の先生もそれを求めています。岡山真備の臨時学童保育の取り組みがモデルになるのではないでしょうか。学童保育士さんには有給で、それをさまざまなボランティアが応援する。そういう仕組みができればいいですね。

災害後の子どもの心のケア(4)平成30年7月豪雨:兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科の活動

兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科は、減災防災を専門に学ぶために昨年4月に開設されました。この豪雨災害では、阪本准教授が広島坂町のボランティアセンターを応援しようと提案され、連日、大学院生、教員が坂町に通っています。

2018年7月23日650分、広島駅南口一般車両駐車場で、大学院生の立部さんのレンタカーに同乗。坂町まではふだんは20分くらいとのこと。しかし、高速道路に入った途端渋滞。坂町ボランティアセンターについたのは8時15分。兵庫県立大学は小屋浦地区担当。小屋浦小への移動も渋滞で40分ほどかかりました。ナフコがボランティアのために屋上駐車場を開放されていて、そこから10分ほど徒歩で、小屋浦小学校へ。すべての家が被災しているという状況です。

.

ボランティア3名と、まずは避難所の掃除とトイレ掃除。掃除の手順がカードに印刷されていて、その手順にしたがって掃除をしていきます。例えば、仮設トイレは便器の清掃、手洗いができないので濡れティシュをドアの裏にガムテープではりそのティッシュをすてる袋をガムテープで張り付ける。便器についたうんちは被災された方やボランティアの生きている証というか、努力の結晶というか、そんなことを思いながら、自宅では掃除を全くしない自分がいろいろと学ぶことができました。よりよい掃除道具があってもいいなと思いました。私とペアになったボランティアの方は、翌日から支援にはいったそうです。もう4回目といわれていました。マツダにお勤めとか。さすが大企業ですね。有給休暇で活動をされていました。外の仮設のトイレの掃除は2基をするともう猛暑で継続不能!休憩!といった具合でした。幸い、小学校校舎のとなりに3階建てのふれあいセンターがあり、そこはクーラーが効いているので、一休みできました。

.

 

掃除が終わるとき、避難者の方に声をかけました。避難者の方は、ボランティアの方に大変感謝されていました。その方に、<子どもたちはどうされてます?>と尋ねると、「図書館で勉強したりしているかもしれません」と。

.

午後は3名のボランティアは被災した家の片づけ支援へ。私と立部さんは避難所支援を。まず避難所の図工室、体育館をまわりました。図工室はペットとすごせる部屋です。部屋をでてきた方に、<なにか困ったことありませんか?>と尋ねると、「暑いんです」と。部屋にはいり、お話をお伺いすると、私の額にも汗が・・・。冷風扇が1基はいっていましたが、とてもあつかってです。もう1基、クーラーがほしいですね。

.

そして体育館へ。体育館では、大学院生の頼政さんが声をかけ、横浜から宇田川さんらが活動をはじめていました。すぐに、避難された方が次々に足湯を求めてこられていました。立部さんも足湯支援の腕をあげていました。

.

足湯を待っている人がいるので<肩がこるとか・・少し体をほぐすことやってみますか?>と声をかけ、腕上げや踏みしめをやり終わると、それをみていた方が、「やってください」と。「腰が痛くて」・・・腰を動かす、背を動かす・・・背胸がなかなか動かせない、・・<荷物をもつときも腰だけに力をいれていません?背も股も膝も全身に力をいれるといいですよ>少し背胸を動かせるようになり、「起き上がるとき腰が痛いので今度はほかのところもつかって起きてみます」と。阪神淡路大震災以来、被災地では「リラックス動作法」のチームが避難所で被災された方の心とからだのサポートをしてきました。

.

心理士は医療とのコラボも必要ですが、ボラ団体とのコラボが必須です。そうすればもっとはやく被災地で活動できます。そこに人がいれば心理の仕事はかならずあります。でも、直後は「心理」を前面にださない支援が必要です。まずは安全な生活が送れるように、といった視点での支援です。

.

子どもたちのことが気になったので、図書館へ。それは、つぎのページで。

   

2018年7月23日 (月)

災害後の子どもの心のケア(3)平成30年7月豪雨:子どもの居場所ーNHKあさイチ

23日(月)のNHKあさイチで、西日本豪雨後の子どもの心のケアがとりあげられました。
岡山県倉敷市真備町の子どもたちの学童保育が放映されました。実は、この取材の日たまたま、この学童保育の活動に一日ごいっしょしていました。
.
「あさ8時から夕方6時まで利用しています。この学童クラブの運営を担うのは地元のボランティアの人たちです。子どもと遊ぶのは大学生。」
.
「 」は、NHKのナレーター、テロップです。
.
くらしき作陽大学には、私と30年来の友人の特別支援教育のH教授がいます。若いころからの動作法仲間です。6月末には、兵庫リハビリテイション心理研究大会でもご一緒していました。まさか7月に豪雨災害があるとは・・・。それで、いちど、学童保育の活動をみてほしいと電話がありかけつけました。
.
「片づけにおわれる保護者に代わって昼ご飯も用意しています。」
(子どもの母)「避難所はストレスがたまって子どももキーキー言い始めて、ここに通い始めたらつかれたら帰ってねるといういつものパターンで休めるんですごく助かっています」
.
昼ご飯のソーメンを食べている映像
.
(実は、片隅にちらっと私も写っていました。もちろん、弁当を買って持って行ったのですが、ソーメンも食べてくださいと。おいしかったですよ。)
.
学童クラブ所長:若井暁さん「9月から小学校も児童クラブも再開すると思いますので、災害前の姿に戻るまではサポートしていけたらと思います」
.
この若井所長の子どもへのかかわりがすばらしかった!だだをこねる子どもに、しっかりその子の気持ちを受けとめながらも、ほかの子の意見を聴き、子どもたちが自分たちで過ごしやすいルールをつくっていくことをサポートしていました。これは、保育のすごい専門性だなと感心してみていました。
.
このあと、子どもは怖い夢をみるなど心のケアについて、セーブザチルドレンの取り組みで、「講師として招かれたのは精神科医の河嶌譲さん、小学校低学年の子どもの
遊びが紹介された」火葬場ごっこ。「災害をテーマとした遊びはよくみられるということです」
「だいじな遊びなんですね」・・・
と放映されました。
.
子どもの居場所、すべての被災地で、子どもの居場所ー遊び場と学習の場を確保してほしい。その場に、子どもとかかわる大学生、保育者、心理専門家、重層的に子どもをサポートしたい。

2018年7月19日 (木)

災害後の子どもの心のケア―平成30年7月豪雨(2)心身反応のあらわれかた

被害が甚大なほど、子どもの心身反応は見えにくい期間が長くなります。
それは、心をマヒさせて心が壊れないようにする心の仕組みがあることと、周囲のおとなをみながらガマンし続けてがんばり続けるからです。
2004年10月台風23号で兵庫は淡路から豊岡まで広域の水害が起きました。たまたま、私のゼミの学生が1か月前に、教育実習でお世話になった小学校の地域も被災しました。3分の1ほどの家庭が床上浸水の被害を受けました。1週間後、校長先生に、「子どもたちのサポートに行きましょうか?」と電話をしたところ、「いやー、子どもたちはとても落ち着いています」とのお返事でした。そのとき、それはひとつの反応だろうと思いました。
当時、臨床心理士の高橋哲スクールカウンセラー・スーパーバイザーは、災害直後に各市教委をまわり、今後の心のケアを打ち合わせました。そして、発災から1か月にならないころに、ストレスチェックとハイリスクの児童生徒への派遣スクールカウンセラーによる個別相談をセットで行う計画を立てました。
発災から2週間目の終わりのころ、もう一度校長先生にお電話すると、「子どもが落ち着かない、保健室にいく児童も増えてきたんですと」。やっと反応をだせるようになったんだと思いました。
3週間目に、ボランティアとして、その小学校を訪問しました。小4のクラスがとても落ち着かない。授業をしていても、教室を飛び出す子がいて落ち着かない。それで、ストレスマネジメントの授業をすることにしました。ボランティアの学部生がパペットをつかって、「なんだかこわいんだ!」と演じたところ、子どもたちから「たいふう!」との発言があり、眠りのためのリラックスや落ち着くためのリラックスを体験しました。実は、児童たちは被災体験がそれぞれ異なり、「台風」について話題にすることはなかったそうです。強い雨がふると「こわい」と思っても、それを口にすると、「弱い子だ!」といわれたり、思われたりするので、台風・雨の話題は子どもの間でも避けていたのです。
「こわい気持ちは、命を守る大切な気持ちだと!」と授業のなかで伝えました。
その授業をきっかけに、「昼休みなど、子どもが担任の先生に自分の思いを素直に言うようになった、それからだんだん落ち着いていきました」とフォローアップにいったときに担任先生から、その後の子どもたちの変化を教えてもらいました。
この経験が、ストレスチェックとストレスマネジメントをセットで授業として行うという方法論のきっかけになったのです。その後、2005年のインドネシア・アチェでの経験、2008年の四川大地震での経験、2011年東日本大震災と、子どもたちをサポートするシステムをつくっていきました。
そして、「時期に応じた子どもの心のケア:3段階心理支援モデル」を構築していきました。
岩手県教育委員会は、小学生には19項目版、中高生には31項目版を、ストレスマネジメント授業と個別相談をセットで展開してきました。
熊本地震では、熊本県教育委員会・熊本市教育委員会が、小学生版10項目、中高生版15項目を活用して今日に至っています。強い余震が続いたので、小学生版1項目、中高生版2項目は、オリジナルな項目を採用しましたが、ほかは、岩手で活用した項目と同じです。それらのストレスチェックは、自分のストレスを知り効果的な対処法を学ぶツールとして位置づけています。一方、地域ごとに集計すると、それぞれの特徴が浮かび上がってきて、効果的な対応を考える貴重な子どもたちの声ともなります。
被災地では、ぜひ、統一したストレスチェックを活用し、スクールカウンセラーと担任が協働で行うストレスマネジメント授業を展開してほしいです。

2018年7月17日 (火)

災害後の子どもの心のケア-平成30年7月豪雨(1)

7月豪雨災害からもうすぐ2週間になります。猛暑のなか地域が一変した環境での生活(避難所生活、家が損壊してなくても不自由な生活)を強いられているみなさんの健康について、今必要なことを推測してお書きします。
 多くの学校が夏休みをはやめる措置をとっておられます。学校再開まで、子どもさんの健康について、担任教師と共有することが大切だと思います。避難所や家庭でみせる子どもさんのようす、健康について、教師が知ることは、今後のサポートにとても重要になります。
それで、5項目の健康チェックと、保護者さんからみた心配な点、困っている点をメモをする欄のある「保護者さんからみた子どもの健康アンケート」を作ってみました。
幼稚園保育園児、小学生、特別支援学校の児童生徒さんのサポートに、活用いただければ幸いです。

2018年6月26日 (火)

日本公認心理師協会と日本公認心理師会

国家資格の精神保健福祉士、言語聴覚士、栄養士など、それぞれに職能団体があります。
.
日本言語聴覚士協会では、
正会員 :「言語聴覚士法(平成9年法律第132号)第2条の規定による言語聴覚士の免許を有する者であって、 当法人の目的に賛同し入会した個人 資格保持者」
準会員「言語聴覚士の免許を有しない者で当法人の目的に賛同する個人」
としています。
「代議員を選出するため、正会員による代議員選挙を行う」とありますので、準会員には、代議員を選出できないようです。
.
日本栄養士会の会員は、
「本会の会員とは、栄養士法(昭和22年12月29日法律第245号) 第2条第1項又は同条第3項に定める管理栄養士、栄養士の免許を有し、第 3条の目的に賛同して第9条の手続により入会し、かつ、都道府県栄養士会 の会員である者をいう。 」
とされていて、資格を保持してないものは会員にはなれないようです。
.
本年11月30日に誕生する公認心理師資格保持者の職能団体は、どのような会員構成が望ましいのでしょうか。
.
心理職の場合、臨床心理士、臨床発達心理士、学校心理士、特別教育支援士、健康心理士など学会連合や学会レベルの国家資格でない資格が現存するわけです。
.
公認心理師の試験機関として 日本心理研修センターが指定されましたが、設立時の理事は、上記にあげた民間資格団体の代表の方々が名を連ねています。
もし、日本公認心理師協会として公認心理師の職能団体として発足するのであれば、公認心理師法制定に尽力したすべての心理職の団体が結集すべきです。
仮に、会員を、公認心理師資格取得者と「○○心理士」(上記にあげた民間資格のなかから一つだけ)とすると、それは、他の心理職の民間資格団体となんらかの事前協議があってしかるべきです。しかし、その発想自体が、多職種連携を標ぼうする公認心理師の理念と大きくかけはなれたものです。もし私が〇〇心理士の役員であれば、「他の団体と協働して作りましょう」と提案します。
.
私は、日本ストレスマネジメント学会の理事長を務めていました。その学会は臨床心理士、学校心理士、健康心理士、教員、医師、さまざまな立場の方が会員でした。また、熊本地震後の子どもの心のケアでは、学校心理士スーパーバイザーと協働でさまざまな心のサポート授業を作り提案してきました。
.
もし、一資格だけの民間資格の「〇〇心理士」を会員に加えるということを構想しているのなら、他の資格保持者と真の協働作業をされてきたのかと疑問に思います。ただ、国家資格公認心理師をつくりたいばかりに、他の職能団体を巻き込んだだけ、と思われても仕方がないです。国家資格・公認心理師の設立を推進してきた一人として、万が一、そんなことがあってはならないと思います。
.
私の情報収集の限りでは、定款変更して、会員を公認心理師と「〇〇心理士」とする 日本公認心理師協会には、関連民間団体の理事や役員の方は、強い反発をしています。
.
私は、このような同業者の信頼をえられない 日本公認心理師協会の設立に強く反対します。
.
日本言語聴覚士協会の準会員は、一つの民間資格に限定してないようです。
私は、日本栄養士会のように、国家資格取得者を会員とする日本公認心理師会の設立を強く願います。
.
認知行動療法の専門家も、日本心理臨床学会より日本心理学会で活動している方が多いわけです。
.
公認心理師の職能団体は、国家資格・公認心理師法の制定に努力した学会・団体が結集して立ち上げることこそ、ユーザーである国民の利益になるものだと確信しています。
.
各都道府県の臨床心理士会での総会で、この問題の議決が進むころでしょう。他団体の意向について情報を収集して、誤った判断をされないようにお願いしたいです。

災害後の子どもの心のケア(8) 大阪北部地震の被災地の学校へ熊本学校支援チーム派遣

2018年6月18日7時58分、大阪北部に震度6弱の地震が発生しました。私は名古屋出張で、ちょうど新大阪を新幹線がでたころに、急停車。京都をでるまでに、5時間新幹線のなかで過ごすことになりました。スマホからの被害情報で「児童が心肺停止」と報じられ、これは大変な災害が起こっていると思いました。
被災地の教育委員会でいち早く支援チームを立ち上げたのが、兵庫県教育委員会です。兵庫EARTHというチームで、阪神淡路大震災後に受けた支援のお礼をしたいと、災害が起こるたびに国内外をとわず、チームが駆け付けます。150名の教職員がメンバーとして登録されています。臨床心理士も数名登録されており、私もその一人です。2004年12月のインド洋大津波後のスリランカとインドネシア・アチェには、兵庫EARTHの隊員として、被災地の教師・カウンセラーの研修講師を担当しました。
その後、四川大地震、東日本大震災、ネパール地震と、兵庫EARTHのメンバーは実践をつんでいき、子どもの心のケアに関して、私は後方支援にまわっています。
私が、熊本県の心のケア会議のスーパーバイザーになっているのも兵庫EARTHが4月15日には先遣隊を送り、その後、何度もチーム派遣をするなかで、5月の終わりに、益城町のある小学校の教師研修の支援にはいることができたのがきっかけでした。
昨日の広安小学校での心のケア会議で、広安小の校長先生が、兵庫EARTHの浅堀先生が小学校で寝泊まりして、避難所運営について助言してくれたことが大変役立ったとお話しされていました。
そして、熊本県教育委員会は、この4月に、熊本学校支援チームを発足させたのです。震度6弱以上の地震が発生したときに、すぐに被災地の学校にはいると取り決めていいたそうです。熊本学校支援チームは、19日の夕方には、大阪にはいっていたそうです。


産経2018.6.20 07:01
大阪北部地震 熊本の学校支援チーム出発 教訓踏まえ
 大阪北部地震を受けて、熊本県教育委員会の学校支援チームが19日、大阪府に向け出発した。熊本地震の経験を踏まえて、学校の被災状況に関する情報収集や、子供の心のケアへの助言などをする。
 チームは、災害時の学校運営などについて専門知識を持つ職員3人らで構成する。
 チームリーダー、大塚芳生氏は県庁での出発式で「被災した児童生徒や教職員の安心、安全確保のためにどうしていくべきか見定め、役割を果たしたい」と述べた。派遣予定は25日まで。
 県学校支援チームは熊本地震を受けて今月4日に発足した。今回が初めての派遣となる。


西日本新聞2018年06月26日 06時00分
大阪の被災地で助言 県学校支援チーム知事に報告 熊本地震の経験生かす [熊本県]
 大阪府北部地震の被災地に派遣された県教育委員会の「県学校支援チーム」の4人と、情報収集などを担った県大阪事務所の担当者が25日、県庁で蒲島郁夫知事に活動を報告した。倒壊したブロック塀の下敷きになり女子児童が死亡した高槻市教委や同市の小中6校などを訪ね、教職員に児童生徒の心のケアなどを助言したという。
 チームは、地震発生翌日の19日から23日まで大阪府に派遣。熊本地震をきっかけに今月発足したチームの被災地支援は初で、リーダーの大塚芳生さんは「児童生徒へのアンケートの方法など熊本地震を基に具体的に説明した」と話した。
 県は20日以降、高槻市にブルーシートや下着などの支援物資を送った。同市の避難所に足を運び、必要な物資の情報を集めた県大阪事務所の奥村嘉宏さんは「熊本地震の経験を生かし、本庁と出先機関が機動的に連携できた」と話した。
 蒲島知事は「この経験を生かしてさらなる支援方法を学んでほしい」と述べた。
大阪府北部地震の被災地での活動を蒲島郁夫知事に報告した県学校支援チームの大塚芳生リーダー(左)ら
=2018/06/26付 西日本新聞朝刊=

«災害後の子どもの心のケア(7)熊本地震後の子どもの要サポートの状況